話題のドラマの舞台へ。秀吉・秀長の絆をたどり滋賀県長浜市をめぐる
2026年のドラマで話題の豊臣家。豊臣秀吉・秀長兄弟が「天下統一」への第一歩を踏み出した場所が、滋賀県長浜市です。今回は、長浜駅から徒歩で回れるスポットを中心に、効率よく楽しむ王道コースをご紹介します。兄弟の絆を感じる“聖地巡礼”へ、いざ出発!
豊臣兄弟によって開かれたまち・長浜
滋賀県長浜市は、兄・豊臣(当時は羽柴)秀吉が初めて一国一城の主となった「出世の地」。弟・秀長は、出世街道をひた走る秀吉を支え続けました。こうした兄弟の連携がまちの繁栄の基礎につながりました。また秀吉は、長浜出身の石田三成をはじめ、片桐且元、脇坂安治といった武将を家臣として登用。後の豊臣政権を支える武将たちも、この長浜とゆかりがあるのです。
天下人の夢はここから!「長浜城(長浜城歴史博物館)/豊公園」
そんな豊臣兄弟の絆の証を巡る旅の起点はJR長浜駅。まずは駅の西側、琵琶湖方面へ向かいましょう。徒歩7分ほどで、最初の目的地に到着できます。
まず訪れるのが、琵琶湖畔にそびえる「長浜城」。ここは羽柴(のちの豊臣)秀吉が初めて「一国一城の主」となった記念すべき場所です。これ以降、弟の秀長も兄とともに行動しており、まさにこの場所から兄弟二人三脚での天下統一事業がスタートしました。
現在の天守は昭和58年(1983)に再興されたもので、内部は「長浜城歴史博物館」となっています。ここでは秀吉・秀長の足跡や長浜の歴史を学べる展示は必見。二人のストーリーを予習しておくと、この後のまち歩きがぐっと楽しくなりますよ。
さらに屋上展望台からは、琵琶湖を一望する絶景も楽しめ、眼下に広がる琵琶湖の大パノラマは圧巻です。「日本の夕陽百選」にも選ばれている豊公園(ほうこうえん)を散策しながら、かつて兄弟が見たであろう景色に思いを馳せてみては?
■長浜城歴史博物館《長浜城》(ながはまじょうれきしはくぶつかん ながはまじょう)
住所:滋賀県長浜市公園町10-10
TEL:0749-63-4611
営業時間:9〜17時(入館は16時30分まで)
定休日:月曜、その他、点検や展示替え等による臨時休館、一部閉室あり
料金:500円
アクセス:JR長浜駅から徒歩7分
駐車場:豊公園駐車場を利用(446台)
地元の人たちが守り抜いた「秀吉さん」の神社で開運祈願
お城で歴史の始まりを感じたら、駅を通り抜けて東側(市街地側)へ移動します。まずは駅から徒歩3分の場所にある「豊国(ほうこく)神社」へ。 ここには秀吉公(豊国大明神)などが祀られています。実はこの神社、徳川幕府の時代に神社の取り壊しを命じられた際、長浜の町衆が密かにご神体を町家の奥に隠し、表向きは「恵比須様」として守り抜いたという逸話が残っています。現在は「出世開運」や「商売繁盛」のパワースポットとして人気です。
また、2023年には長浜のまちづくりの礎が築かれてから450年を記念し、境内に秀吉像が設けられました。城下町の発展に大きな足跡を残した若き武将の姿を表したもので、凛々しい眼差しが印象的です。当時の気概を感じさせる甲冑姿は、訪れる人々に長浜ゆかりの歴史の一端を静かに語りかけてくれます。
■豊国神社(ほうこくじんじゃ)
住所:滋賀県長浜市南呉服町6-37
TEL:0749-62-4838
参拝時間:自由(授与所は9〜17時)
定休日:無休
アクセス:JR長浜駅から徒歩3分
駐車場:10台(近隣に有料駐車場もあり)
「長浜城下町遺産」で味わう♪ 平日限定店の「大人様ランチ」

次は豊国神社から黒壁スクエアなどがあるエリアへ移動。大通寺へと向かう途中でお昼ごはんをいただきます。今回訪れたのは、築200年といわれる「長浜城下町遺産」の町家を改装した黒壁亭。商家だった歴史を持つ趣のある空間で、和食を基本とした「うまいもん」にこだわるランチを味わえます。
店内は、和モダンなたたずまいがあふれる大人な雰囲気。カウンター席が11席あり、一人旅でも気軽に入れそう。国内外で長年料理の研鑽を積んだオーナーの西尾シェフが空間のプロデュースも手がけ、訪れた人にゆっくりと過ごしてほしいという、西尾シェフの温かい思いが伝わってきます。
そんな西尾シェフが「自信作です」と語るのが、大人のために考案された魚とおばんざいの「大人様ランチ」。焼き加減も絶妙な魚料理や滋賀県産の野菜も盛り込んだ逸品など、お皿にところせましと並ぶおばんざいの数々は、素材の良さが伝わるやさしい味付けです。黒壁亭は平日のみの営業。土・日曜、祝日は、西尾さんが握る江戸前鮨を堪能できる店「鮨MAU(すしまう)」として営業。ランチはおまかせ鮨3000円やちょい飲みセット1500円などを楽しめます。
■黒壁亭(くろかべてい)
住所:滋賀県長浜市元浜町22-37
TEL:0749-53-4980
営業時間:月~金曜の11時~売り切れ次第終了(土・日曜、祝日は寿司店「鮨MAU(すしまう)」として営業。11時30分~15時(14時30分LO)、17~22時(21時30分LO))
定休日:不定休
アクセス:JR長浜駅から徒歩7分
駐車場:なし
大河ドラマ館でドラマの世界へ&「長濱八幡宮」で歴史に触れる
お腹が満たされたら、そのまま参道を進み、突き当たりにある長浜別院 大通寺へ。長浜別院 大通寺 総会所は、大河ドラマの放映を契機に開催される「北近江豊臣博覧会」の会場のひとつ、「豊臣兄弟! 北近江長浜 大河ドラマ館」となります。
大河ドラマ館は、ドラマの撮影で実際に使用された衣装や小道具などが展示され、物語の世界観にどっぷりと浸ることができます。長浜別院 大通寺の本堂や大広間は伏見城の遺構と伝わる、秀吉ゆかりの重要文化財。ドラマの熱気とともに、桃山文化の絢爛豪華な空気感も肌で感じられる、まさに「聖地」です。
■豊臣兄弟! 北近江長浜 大河ドラマ館(とよとみきょうだい きたおうみながはま たいがどらまかん)
住所:滋賀県長浜市元浜町32-9
問い合わせ:0749-65-6770(主催者:北近江豊臣博覧会実行委員会)
開催期間:2026年2月1日(日)〜12月20日(日)
時間:9〜17時(最終入館16:30)
料金:大人600円
アクセス:JR長浜駅から徒歩10分
駐車場:なし
ドラマの世界を堪能した後は、大通寺からさらに東へ5分ほど足を延ばして「長濱八幡宮」へ。 平安時代から続く古社ですが、戦火で荒廃していたところを、長浜城主となった秀吉が再興しました。以来、長浜の氏神様として大切にされています。
ここには、秀吉らしいハッピーなエピソードも。秀吉に初めての男の子が生まれた際、喜びのあまり町民に砂金を振る舞い、それを元手に作られた山車を曳き回したのが、ユネスコ無形文化遺産「長浜曳山まつり」の始まりだと言われています。 広い境内をゆっくり歩きながら、子を想う父としての秀吉の横顔や、長浜の文化の深さを感じてみてください。
■長濱八幡宮(ながはまはちまんぐう)
住所:滋賀県長浜市宮前町13-55
TEL:0749-62-0481
参拝時間:自由
定休日:無休
アクセス:JR長浜駅から徒歩15分
駐車場:50台
思わずキュン♡地元産食材を使ったパンケーキでしめくくり
歴史散策の最後は、黒壁スクエアの中心部へ戻ってスイーツ休憩。ビジュアルの美しさが話題のパンケーキがいただけるglass&sweets 96CAFE(ぐらす あんど すいーつ くろかふぇ)を訪れます。
長浜の魅力であるガラスと、美しい花、おいしいパンケーキをテーマに、どこを切り取ってもフォトジェニックな空間。古民家をリノベーションした店内に美しい花の装飾がいたるところにディスプレイされ、思わず心ときめいてしまいます。
ガラスと花の世界観を堪能しながらいただけるのは、新鮮な地元の食材で作るフワフワのパンケーキ。滋賀県内のヤマハタ鶏卵の新鮮な卵や、伊吹牛乳、伊吹ヨーグルト、長浜市の農家「百匠家(ひゃくしょうや)」の米粉などを使用。オリジナルのフラワーテーブルの上に提供されるパンケーキは、思わず撮影したくなるビジュアルです。
■glass & sweets 96café(ぐらす あんど すいーつ くろかふぇ)
住所:滋賀県長浜市元浜町11-28
TEL:0749-65-2330(代)
営業時間:11時~17時30分
定休日:水曜
アクセス:JR長浜駅から徒歩5分
駐車場:なし
長浜へのアクセスは?
秀吉と秀長、二人の兄弟が夢を描いた長浜のまち。ドラマで盛り上がりを見せる今こそ、その熱気を肌で感じるベストタイミングです。今回ご紹介した滋賀県長浜市へのアクセスは、大阪・京都方面からは新快速を利用し、JR大阪駅から約1時間30分、JR京都駅から約1時間で、乗り換えなしで到着できます。また、車の場合は、北陸自動車道長浜ICから約15分のアクセスです。
滋賀へのおでかけに!
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Photo:マツダナオキ
Text:津曲克彦(ぽんぽこ商事)
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