【美術ライターが選ぶ1月のアート展】現代アートにデザイン。いろんなテーマで楽しむ「アート」の基本
美術ライターの浦島茂世さんがおすすめする、1月のアート展。この冬は、興味深い視点で「アート」の基本的な知識を学べ、視野を広げることができる、かつ美しいものに出会える展覧会が多く開催されています。そのなかから、現代アートやデザイン、そして国際関係について学べて楽しい展覧会をピックアップしました。
現代アートの「いま」を知る| 森美術館/「六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」
毎回、驚きに満ちた作品ばかりが登場する「六本木クロッシング」ですが、今回はさまざまなメディアの作品が並んでいるのが特長。絵画や彫刻、映像だけでなく、工芸や手芸作品、コミュニティプロジェクトなども作品として並びます。現代アートって、本当に自由なんだな、ということを実感します。
現代アートのアーティストたちは、世の中の動きを敏感に察知し、自分たちの作品に反映させていきます。作品を通して、アーティストが何を考えているのか、どのようなことを問題に思っているのか、どのような未来を目指しているのか、などを考えながら見ていくと、現代アートだけでなく、いま私たちが生きている社会についても考えることができる、とても刺激的な展覧会です。
■森美術館/「六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」
会期:開催中~3月29日(日)
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
休館日:なし
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
入場料:平日/一般2000円(オンライン1800円)、大高生1400円(オンライン1300円)、中学生以下無料、シニア(65歳以上)1700円(オンライン1500円)
土日休日/一般2200円(オンライン2000円)、大高生1500円(オンライン1400円)、中学生以下無料、シニア(65歳以上)1900円(オンライン1700円)
開館時間:10~22時(入場は閉館30分前まで)※火曜のみ17時まで
アクセス:東京メトロ日比谷線六本木駅1Cから徒歩3分、東映地下鉄大江戸線六本木駅から3出口徒歩6分
日本と韓国が歩んだ80年を美術でたどる| 横浜美術館/「横浜美術館リニューアルオープン記念展 いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」
冒頭に展開されるのは、日韓両国で近年再評価が進んでいる曺良奎(チョ・ヤンギュ)の作品。曺は労働者として働きながら、その実感をもとにした絵画を制作する1950年代に活躍した画家です。その活躍を期待されていたものの、1959年12月から始まった帰国事業で朝鮮民主主義人民共和国へ渡ります。その後、1968年以降現在にいたるまで、その消息は掴めていません。
■横浜美術館/「横浜美術館リニューアルオープン記念展 いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」
会期:開催中~3月22日(日)
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
休館日:木曜、12月29日(月)~2025年1月3日(土)
TEL:045-221-0300
入場料:平日/一般2000円、大学生1600円、中高生1000円、小学生以下無料、ペア券(一般2枚)3600円
開館時間:10~18時(入館は閉館30分前まで)
アクセス:みなとみらい線みなとみらい駅3番出口から徒歩3分
6人の巨匠が「デザインの先生」に! | 21_21 DESIGN SIGHT/企画展「デザインの先生」
この展覧会で紹介するのは、ブルーノ・ムナーリ、マックス・ビル、アキッレ・カスティリオーニ、オトル・アイヒャー、エンツォ・マーリ、ディーター・ラムスの6名。彼らはそれぞれが時代の最先端を走り、その活動をもって社会を新しく切り開いたという共通点があります。展覧会では、彼らの軌跡を改めて振り返っていきます。
また、ルフトハンザ航空など数々の企業ロゴやCI(企業が掲げる理念や文化など、その企業らしさを可視化させたもの)などを手掛けています。また、ドイツにかつてあった、ドイツのデザインに強く影響を及ぼしたウルム造形大学の創設者の一人としても知られています。

■21_21 DESIGN SIGHT/企画展「デザインの先生」
会期:開催中~2026年3月8日(日)
住所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
休館日:火曜
TEL:03-3475-2121
入場料:一般1600円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
開館時間:10~19時(入場は閉館30分前まで)
アクセス:都営地下鉄大江戸線六本木駅、東京メトロ日比谷線六本木駅から徒歩5分
「新しいことを知る」ことを楽しむ
それぞれの展覧会は、現代アートやデザイン、日韓関係とジャンルはバラバラですが、その分野を詳しい人にはより深く、初心者の人にはわかりやすく感じる共通点があると思います。ただ、ポイントがひとつ。「キャプションを読むことはできるだけ後回し」に。知らない分野の作品を見ると、作品を見るまえに解説キャプションを読みこんでしまい、作品そのものをしっかり見ずに終わってしまうことも多々あります。
だから、まずはキャプションを読まずに作品そのものと対峙してみてください。そして、そのときに浮かんだ感想や疑問を忘れずにしておく。そのあとにキャプションを読み、疑問が解決しなかったら家で調べる。これのスタイルを身につけると、一つの展覧会をじっくりゆっくり楽しめるようになりますよ。
Text&Photo:浦島茂世
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