60以上の国を訪れたスパイス好き店主が作る、「Spicier」の新感覚カレーパンと本格チャイ
東京・神楽坂の路地裏にある「Spicier スパイスチャイとインドカレーパン(すぱいしあ すぱいすちゃいといんどかれーぱん)」(以下、「Spicier」)は、インドカレーを味わう新感覚カレーパンと、本格スパイスチャイの店。スパイス好きのオーナーがインド人のカレー顧問とともに生み出す味は、香り高く奥行きのある仕上がりです。スパイスの香りに包まれながら、食べて、飲んで、体の内側から温まりましょう。
本物のスパイスをより多くの人に届けたい

60以上の国を訪れ、各国でスパイスに魅了されてきたオーナーの菅原友希(すがわらゆき)さん。スパイスやカレーを学び、何かできないか考えていたときに出会ったのが、紅茶の輸入やインドカレー店の経営をし、西葛西インド人会会長も務めるジャグモハン・チャンドラニさんでした。
チャンドラニさんと話をするなかで、「インドカレーでカレーパンを作ったらおもしろいかも!」と、事業の立ち上げを決意。当初はシェアキッチンで週末のみ営業をしていましたが、その珍しさとおいしさが評判になり、神楽坂に実店舗をオープンすることになったそうです。

キービジュアルイラストのモデルにもなっているひげの男性がチャンドラニさん。カレー顧問として、新しいメニュー開発の際などには相談相手になってくれる心強い存在なのだとか。


店内はシンプルでスタイリッシュな空間。カウンター奥には、漢方薬店をイメージしたという戸棚が設えられ、スパイスなどが収納されています。カウンター席とベンチ席があり、カウンター席からはチャイを作る様子を間近に眺めることができます。
“インドカレーを味わう”唯一無二のカレーパン

「Spicier」のカレーパンのフィリングは、チャンドラニさんのレストランのシェフによる手作り。インドカレーは本来水分が多くサラサラしているため、煮詰めて水分を飛ばし、パンに詰められる状態に仕上げているそうです。
カレーをしっかり味わってほしいという思いから、生地はあえて薄め。タピオカ粉を配合することで、モチモチとした食感を生み出しています。サイズは小ぶりながら、カレーがぎっしり詰まっているので、満足感は十分。
定番の「もちもちキーマ」は、鶏ひき肉、タマネギ、トマトにたっぷりのスパイスを加えた辛口タイプ。ひと口かじると、ほんのり甘い生地のあと、スパイスの香りとキレのある辛さが広がります。
「チキンバターマサラ」は季節限定メニューですが、頻繁に登場する人気の品。ゴロッと入った鶏肉に、タマネギの甘さを生かした、コクのあるやさしい味わいになっています。
スパイスの香りと味わいを引き出す、こだわりのチャイ

スパイスを感じてほしいと、チャイにはシロップは使用せず、毎日ホールスパイスから煮出して作るのが「Spicier」流。インドでは地域や家庭によってレシピが異なり、スパイスの配合や煮出し方によって味わいも変わるのだそうです。
菅原さんは、インド各地でチャイを飲み、おいしいと思った店の作り方を聞きながら自分なりの味へとブラッシュアップ。10回以上ブレンドを変え、今もなお進化し続けているのが、定番の「スパイシアブレンド」580円です。

「スパイシアブレンド」に使用するスパイスは、シナモン、ジンジャー、カルダモン、クローブ、ブラックペッパー。種の香りが強いカルダモンとブラックペッパーはすり鉢で潰してから使います。茶葉はインド各地の農園から厳選した最高品質アッサムティー。スパイスも茶葉も、少量のお湯で蒸らしてから温めた牛乳に加え、吹きこぼれないよう注意しながら煮出すのが特徴です。ゆっくりと煮出すことで、スパイスの香りを引き立たせ、紅茶のうま味や深みも出るのだそう。
チャイメニューは、定番の「スパイシアブレンド」「カルダモンフェンネル」620円のほか、季節や気候に合わせて替わる「気まぐれチャイ」690円〜、そして、ラムの入った「ラムチャイ」880円の4種類。
「チャイ比べセット」では、「ラムチャイ」を除く3種類を飲み比べることができます。左の「スパイシアブレンド」は、スパイスだけでなく生とドライの2種類を入れたジンジャーが利いたチャイ。真ん中の「気まぐれチャイ」は、取材時は「ラカドンターメリックラテ」でした。通常の2倍のクルクミン成分が含まれているというインド北東部・ラカドン産のターメリックのほか、シナモン、ジンジャー、ブラックペッパー、カルダモンを入れた、茶葉なしのチャイです。ミルクの甘さを感じられる、ほっこりとした味わい。右の「カルダモンフェンネル」は、さわやかな香りが特徴。どちらも消化を促進するスパイスなので胃腸にいいのもうれしいですね。
過去に屋久島産の茶葉を使ったもの、タンザニア産カルダモンを使ったもの、フレッシュカモミールを使ったものなどさまざまな味わいがある「気まぐれチャイ」。新しいスパイスとの出合いなどから生まれ、レシピのバリエーションは無限大。行くたびにユニークなチャイを楽しむことができそうです。

カレーパン、チャイともにテイクアウトも可能。カレーパンは電子レンジで温めてからトースターで少し焼くとおいしく食べられます。
自宅でも飲んで、食べてチャイを味わう
自宅でも「Spicier」のチャイを楽しみたい人は、「スパイスチャイキット」をどうぞ。厳選した茶葉と粗挽きスパイスが入ったキットを鍋で沸騰したお湯で煮出し、牛乳を加え再び沸騰させてさらに2~3分煮出しましょう。少し砂糖を加えるのもおすすめ。カップに注いで5種のスパイスをブレンドした追いマサラパウダーを振りかければ、香り高いチャイの完成です。
手軽に飲みたいなら、茶葉を使わない「ジンジャースパイスティー」のティーバッグも。インド産オーガニックジンジャーとスパイスがたっぷり入っていて、体を温めてくれます。
さらに、「Spicier」には、ミルクなしのチャイやカルダモンをベースにしたスパイスバター「塗るチャイ」「塗るカルダモン」という“食べるチャイ”も。パンやスコーンなどに塗って食べると、バターとスパイスの香り、きび砂糖の甘みが広がります。
カレーパンとチャイにとどまらず、スイーツやシロップなど、スパイスの可能性を広げていきたいという菅原さん。今後「Spicier」からどんな新しい味が生まれるのか、ますます目が離せません。
■Spicier スパイスチャイとインドカレーパン(すぱいしあ すぱいすちゃいといんどかれーぱん)
住所:東京都新宿区神楽坂3-2-33 芸者新道 Rosy
TEL:なし
営業時間:11時30分~17時30分
定休日:月・火曜
Text:河部紀子(editorial team Flone)
Photo:yoko tajiri
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