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洋館や商家が今も残る! 幕末からの栄華を感じる佐賀市の“時をかけるレトロ旅”【エモい!×産業遺産】

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江戸末期、海外からの情報をいち早く取り入れ、日本の先端を行っていた佐賀。世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産、「三重津海軍所跡」もそのひとつで、市内には江戸時代の遺構や幕末〜昭和にかけての歴史的建造物が残っています。歴史的建造物を利用したカフェやショップを訪れたり、懐かしさに心くすぐられるフォトスポットで撮影したり。フォトグラファーのもろんのんさんと一緒に、エモい! と産業遺産が融合した、時をかける旅へでかけましょう♪

Summary
※★印は世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産となります。

START【佐賀駅】

車で約10分

廊下まで一面畳敷の広ーい外御書院は見もの!「佐賀県立佐賀城本丸歴史館」

佐賀県立佐賀城本丸歴史館

藩主・鍋島家が約260年間にわたりこの地を治め、35万7000石を誇った佐賀藩。10代藩主の鍋島直正が天保9年(1838)に再建した本丸御殿を、貴重な資料をもとに忠実に復元したのが「佐賀県立佐賀城本丸歴史館(さがけんりつさがじょうほんまるれきしかん)」です。

復元されているのは応接空間である「表」にあたる御玄関(おげんかん)や御式台(おんしきだい)、外御書院(そとごしょいん)と、御座間(ござのま)や御小書院(ごこしょいん)といった藩主の執務空間にあたる「内」の一部で、現在もそのほかの部分の調査が進められています。

御玄関から一歩内部に入ると、大広間だけでなく廊下まで床が畳敷になっているのが目を引きます。応接や行事に使われた外御書院は、襖や障子を取り払うと南北にある廊下と合わせて広さ320畳の大空間になり、本丸御殿の完成時には1000人ほどの藩士が集まったとか。

館内

お殿様が座る上座と、それ以外の下座に段差を設けないフラットな造りも特徴的です。また、館内では幕末維新期の佐賀藩の歴史も詳しく紹介されています。この時代にオランダや中国との交流の窓口となっていた長崎の警備にも携わっていたそうで、日本以外の国々からの知識を多く学んでいた直正ならではの先進的な思想を、御殿の造りから感じとることができます。

もろんのんさん’s comment
本丸御殿は建築当時の建物が復元されていて、お殿様気分を味わえる場所です。廊下といえば板張りのイメージでしたが、畳敷になっているのが最大のポイント! 神聖な空気感が漂っているし、いたる所にみどころが満載でした。佐賀藩の歴史がよくわかる展示も充実しているので、ゆっくり見学してみてください。


■佐賀県立佐賀城本丸歴史館
(さがけんりつさがじょうほんまるれきしかん)

住所:佐賀県佐賀市城内2-18-1
TEL:0952-41-7550
開館時間:9時30分~18時
定休日:12月29日~1月1日、臨時休館あり
入館料:無料(募金の協力をお願いしています)


徒歩で約20分

銀行や商家が立ち並ぶ旧長崎街道を歩いてタイムトリップ「佐賀市歴史民俗館」

佐賀市歴史民俗館

「佐賀市歴史民俗館(さがしれきしみんぞくかん)」は、明治~大正時代に建築された7つの歴史的建造物からなる博物館です。7つのうち6つの建物は、江戸時代に整備された主要街道のひとつ、旧長崎街道沿いにあり、通りを歩けば1世紀前の空間にタイムトリップしたかのようなレトロな気分に浸ることができます。

歴史的建造物は、かつての銀行や商家、名家の大邸宅で、実際に内部を見学できるところがほとんど。カフェやショップとして利用されているところもあるので、お散歩にぴったりのスポットです。

✓旧古賀銀行/レストラン&カフェ 浪漫座

旧古賀銀行

「佐賀市歴史民俗館」のなかでもひときわ目を引く「旧古賀銀行(きゅうこがぎんこう)」は、明治18年(1885)に長崎街道沿いで設立した私立銀行。一時は、九州五大銀行のひとつに数えられるほどに成長を遂げましたが、昭和恐慌の影響で経済不況に陥り、昭和8年(1933)に解散しました。

建物は明治39年(1906)に新築、大正5年(1916)に大規模改修されたレンガ風タイル張りの洋館で、内部は板張り天井と回廊が美しい吹き抜けになっています。2階にある頭取室の前から眺める景色は、かつての行内の賑わいを想像させます。

「カシスオランジェ」650円と「自家製レモネードのレモンスカッシュ」650円
「カシスオランジェ」650円と「自家製レモネードのレモンスカッシュ」650円

1階は「レストラン&カフェ 浪漫座(れすとらん あんど かふぇ ろまんざ)」になっていて、ランチやカフェメニューがいただけます。このカフェでは音楽の演奏会が頻繁に行われ、吹き抜けの空間が生み出す音の響きは著名なミュージシャンにも認められるほどだとか。西洋式建築の美しさが感じられる空間でゆったりとした時間を過ごしてみてください。

■レストラン&カフェ 浪漫座
(れすとらん あんど かふぇ ろまんざ)

住所:佐賀県佐賀市柳町2-9 佐賀市歴史民俗館 旧古賀銀行内
TEL:0952-24-4883
営業時間:10時~16時LO(ランチタイムは11時30分~14時LO)
定休日:月曜、祝日の翌日(祝日の翌日が土曜の場合は開館)

旧森永家/織ものがたり、さがしもの

✓旧森永家/織ものがたり、さがしもの

「旧森永家(きゅうもりながけ)」は、藩からの命で煙草の製造を営んでいた商家。明治時代、三代目森永作平が製造した煙草は、東京で有名だったものよりも香りがよいといわれ、佐賀名物のひとつになったそうです。煙草が専売化した後は呉服店となり、昭和初期まで営業をしていました。

敷地に広がる建物群は明治時代中期に建造されたもので、旧長崎街道に面した北蔵、土蔵三階建ての南蔵、平屋建ての居宅からなります。現在はそれぞれショップや工房として活用されています。

絨毯

そのうち居宅と南蔵は、鍋島緞通(なべしまだんつう)の工房とショップになっています。鍋島緞通は藩の御用品として製造された歴史のある織物で、江戸時代に有明海沿岸で盛んに栽培されていた木綿を用い、ユーラシア大陸から伝わった絨毯の技術をもとに織り上げられる敷物です。

蟹牡丹や蔓花菱といった伝統柄と草木染を由来とする色味、木綿特有のあたたかみのある風合いが魅力。江戸時代から変わらぬ技で、今もなお手作業で作られています。

居宅を利用した工房「織ものがたり(おりものがたり)」では、職人たちが専用の竪織り機(たておりき)で鍋島緞通を製作する様子を見学できます。経糸(たていと)にペルシャ結びとよばれる絡め方で一目一目染め糸を結び、専用の包丁で切る作業を一段ずつ行っていきます。リズミカルに次々と糸を絡めていく職人の技をもってしても、たいへんに手間と時間のかかるものであることがわかります。

一段結ぶと緯糸(ぬきいと)通し、締め金という大きな櫛のような道具で打ち付けて目を揃えるので、締め金を叩く音が定期的に工房に響きます。これを繰り返していくつもの糸を結び、美しい柄の絨毯が織り上がるのですね。

ショップ店内

南蔵は鍋島緞通をメインに、名尾手すき和紙、肥前びーどろ、諸富家具など佐賀にゆかりの工芸品を取り揃えたショップ「さがしもの」になっています。鍋島緞通は敷物のほか、イスに敷いて座布団のように使う「椅子敷き」9万200円などもあります。どの工芸品も江戸時代から続く伝統技法を今に伝えながら、現代の生活に合う小物類にもアレンジされています。

■織ものがたり(おりものがたり)
 さがしもの(さがしもの)

住所:佐賀県佐賀市柳町4-7
TEL:0952-24-1560
営業時間:10時~16時45分
定休日:月曜、その他不定休

旧三省銀行

✓旧三省銀行

柔らかく曲線を描いたむくりのある切妻屋根が印象的な「旧三省銀行(きゅうさんしょうぎんこう)」は、明治15年(1882)に建てられたもの。外観は蔵造り、内部は町家建築ながら中央が吹き抜けで銀行業務に適した空間づくりになっているのが特徴で、2階にはシャンデリア用の漆喰飾りなどもみられます。

もろんのんさん’s comment
レトロなまちなみがすごくかわいくて、時代をタイムトリップしたような場所でした。なかでもカフェになっている「旧古賀銀行」の建物は、天井の高い吹き抜けが素敵で、ずっといたくなる空間ですね。鍋島緞通は、木綿の糸のふわふわが密集していてぬくもりが感じられます。職人さんがひとつひとつ丹精を込めて柄を織り上げていく様子に見入ってしまいました。


■佐賀市歴史民俗館(さがしれきしみんぞくかん)
住所:佐賀県佐賀市柳町2-9
TEL:0952-22-6849
開館時間:9~17時(最終入館~16時30分)
定休日:月曜、祝日の翌日(祝日の翌日が土曜の場合は開館)


車で約10分

レトロ喫茶「トネリコ・カフェ」で味わう佐賀グルメのシシリアンライス

「トネリコ・カフェ」

「トネリコ・カフェ」は、昭和45年(1970)から続くギャラリー・カフェ。創業から50年ほどは近くにあるビルの地下で営業をしていましたが、数年前に白山商店街のなかに移転しました。もとの店舗で使っていた食器棚やテーブルを現在の店舗に移設したため、長く愛されてきたお店の雰囲気をそのままに保ちながら、地元の人々に親しまれ続けています。

「シシリアンライスセット」(スープ、飲み物付き)1000円
「シシリアンライスセット」(スープ、飲み物付き)1000円

佐賀にはご飯の上に肉と野菜を載せてマヨネーズをかけた「シシリアンライス」というご当地グルメがあり、「トネリコ・カフェ」もシシリアンライスが食べられるお店のひとつ。

ここのシシリアンライスは、玉ねぎと一緒に炒めた牛肉を、農家から直接仕入れた地元米「さがびより」の上にたっぷりのせて、野菜を添えたひと皿。もともと甘みのある九州醤油にハチミツを加えてコクのある甘さに仕上げたタレとマヨネーズがマッチして、ご飯が進みます。

もろんのんさん’s comment
イタリアの国旗の色をモチーフにしたというシシリアンライス。「トネリコ・カフェ」のものはレタスやトマトなどの野菜もいっぱいで、甘辛のお肉が食べ応えバッチリ。移転前のお店の時から使用しているというテーブルや照明などが独特のレトロな雰囲気を作り出し、不思議な魅力のあるくつろぎの空間です。


■トネリコ・カフェ(とねりこ かふぇ)
住所:佐賀県佐賀市白山2-5-19
TEL:090-1978-0993
営業時間:8時~16時30分、日曜10~15時
定休日:土曜


車で約25分

佐賀藩は近代化の最先端をいっていた!「三重津海軍所跡/佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館」

三重津海軍所跡

三重津海軍所跡

筑後川の支流で、有明海へと注ぐ早津江川の護岸。ここには、幕末に佐賀藩が創設した洋式海軍基地「三重津海軍所跡(みえつかいぐんしょあと)」があります。アヘン戦争を機に、欧米列強の国々との軍事力の差に危機を感じた佐賀藩10代藩主・鍋島直正が、出島の警備のための海軍施設のひとつとして設けたのが三重津海軍所で、日本の近代造船の基礎となった現存する最古の遺構として世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産になっています。

この護岸には、有明海の干満差を利用して洋式船の修理・建造ができるドライドック「御修復場」の側壁に使われた丸太や板材の木組が残っていますが、現在は保護のため地中に埋められています。

佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館

✓佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館

その遺構と日本赤十字社の創始者・佐野常民を紹介する施設が、三重津海軍所跡に隣接する「佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館(さのつねたみとみえつかいぐんしょあとのれきしかん)」です。館内には木組の模型や、御修復場の作業風景を映像で解説するシアターなどがあり、地中にある遺構の姿や当時のドライドックの様子を知ることができます。

そのほか、藩所有の洋式船の模型や藩主・鍋島直正が行った日本初の鉄製大砲鋳造事業、精煉方(理科学研究施設)における西洋技術に関する展示も充実していて、佐賀藩が独自に行った近代化への取り組みについて深く学ぶことができます。

もろんのんさん’s comment
遺構が地中に埋まっている”目に見えない世界遺産”とあえるということで、どんなところなのかドキドキしながら訪れました。歴史館のシアター映像のおかげで、当時の雰囲気を体感できたし、この土地ならではの自然環境を利用したドライドックの運用方法や日本最古の土木技術を活用した構造からは先人の知恵を感じました。「三重津海軍所跡」自体は、現在、整備工事中ですが、工事が終わったらよりわかりやすくなるようなので、また訪れてみたいところです。


■佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館
(さのつねたみとみえつかいぐんしょあとのれきしかん)

住所:佐賀県佐賀市川副町早津江津446-1
TEL:0952-34-9455
開館時間:9~17時(最終入館~16時30分)
定休日:月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始、臨時休館あり
入館料:大人500円、小中高生200円、20人以上の団体の場合は大人350円、小中高生140円


車で約10分

かつて鉄道が走っていた「筑後川昇開橋」は、フォトジェニックな撮影スポット

筑後川昇開橋

船の航行を妨げないよう橋の中央部分が昇降する造りになっている「筑後川昇開橋(ちくごがわしょうかいきょう)」は、昭和10年(1935)に国鉄佐賀線の鉄道橋として建設されました。自動車の普及による佐賀線の廃止に伴い、昭和62年(1988)に鉄道橋としての役目を終えましたが、地元の人々からの強い希望で遊歩道へと生まれ変わり、現在もその姿をとどめています。

約30mの2つの鉄塔を備えたこの橋は佐賀のシンボルとして愛されていて、筑後川周辺ののどかな景色のなかに映え、郷愁をさそう独特な景観を生み出しています。

赤い橋

赤い橋は、近くで見ると細かな鉄骨組がレースのようで美しく、写真映えする人気のフォトスポット! 観光用としてだけでなく、生活道路としても利用されているので、撮影の際は通行人の方に気をつけてくださいね。

今でも、船の行き来に関係なく可動橋部分を昇降させているので、橋が動く様子は必見です。夜は橋全体がライトアップされてロマンチックなムードに。冬期以外は夜でも橋の上を歩くことができます。

橋とカモメ
もろんのんさん’s comment
佐賀と福岡の県境にある橋で、実際に橋が昇降するところはワクワクします。無骨な鉄橋のはずなのに、赤い鉄組がかわいらしいし、カモメたちがのんびり日向ぼっこしているようなのどかな場所でした。夕焼けスポットでもあるそうなので、ぜひ夕焼けを狙って見に来てください。


■筑後川昇開橋(ちくごがわしょうかいきょう)
住所:佐賀県佐賀市諸富町為重地先、福岡県大川市向島地先
TEL:0944-87-9919(筑後川昇開橋観光財団)
営業時間:9~21時(12~2月は~17時)、橋の可動時間は9時~16時30分
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)


車で約30分

GOAL【佐賀駅】

【東京都】入館無料!産業遺産を旅するなら、まずは「産業遺産情報センター」へ

産業遺産情報センター

産業遺産に興味が出てきた、行ってみたいと思ったら、都営大江戸線若松河田駅から徒歩約5分にある、入館無料の「産業遺産情報センター」で情報収集するのがおすすめです。

「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の23の構成資産が、ここ1カ所で分かり、たくさんの写真パネルや映像、クイズコーナーなどで楽しく学べます。旅の計画や現地でも大活躍する、アクセスガイドマップも入手できますよ。

「産業遺産情報センター」は公式サイトから日時指定の予約制(2026年2月18日現在)。1日最大5枠ある時間帯と、ガイド付きorガイドなしを選んで予約してみて。

■産業遺産情報センター(さんぎょういさんじょうほうせんたー)
住所:東京都新宿区若松町19-1 総務省第二庁舎別館
TEL:0120-973-310
営業時間:10~17時(最終入館は16時30分)
定休日:土・日曜、祝日
料金:入館無料
※公式サイトから要予約



Photo:もろんのん
Text:山下あつこ(アトリエshiRo)

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

Sponsored:一般財団法人産業遺産国民会議

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