【新潟】発酵エンターテインメントで話題!KIKUSUI蔵GARDENへ

【新潟】発酵エンターテインメントで話題!KIKUSUI蔵GARDENへ

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新発田城をはじめとする歴史的建造物が残り、新潟県有数の米処でもある新発田(しばた)の「KIKUSUI蔵GARDEN(きくすいくらがーでん)」が話題です。それほど交通の便がよい場所ではないのに、訪れる人が引きも切りません。その人気の秘密は? 訪ねてみました。

summary

KIKUSUI蔵GARDENってどんなところ?

新潟県新発田市の菊水酒造が2025年4月にオープンした「発酵」がテーマのエンターテインメント施設です。日本酒や発酵食品の魅力を五感で体験できる「ラボ」「ショップ」「カフェ」から構成されています。

自然に囲まれて発酵を体験できる施設/菊水酒造提供
自然に囲まれて発酵を体験できる施設/菊水酒造提供

新発田市は飯豊連峰の豊かな雪解け水と肥沃な土壌や昼夜の寒暖差を活かした、県下有数の良質米の産地で、新潟県で生まれた「五百万石」や「越淡麗」など酒造りに向く米の栽培をしています。良質な酒米、清らかな水、冬の厳しい寒さを味方につけた酒造りも江戸時代から盛んでした。

春は桜並木で名高い加治川のほとりに立地
春は桜並木で名高い加治川のほとりに立地/新発田市観光協会提供


「KIKUSUI蔵GARDEN」が立つのは加治川のほとりの菊水酒造の敷地内。桜並木と飯豊山の眺望がすばらしい場所ですが、実は暴れ川としても知られていました。明治14年(1881)創業の菊水酒造が、少し上流にあった誕生の地から今の位置に移転してきたのも、昭和41と42年(1966~1967)の氾濫を受けた本格的な治水工事により移転を余儀なくされたからだそう。大正時代に植えられた桜並木もその工事のために一度は切り倒されましたが、地元の強い熱意によって復活。約14.5kmに渡って続く見事な桜並木が甦りました。そして菊水酒造も花びらが届く川のほとりで真摯な酒造りを粛々と継続し、さらに日本酒の枠を超え、発酵にまつわるモノとコトで‶ワクワク″する体験を提供するのが「KIKUSUI蔵GARDEN」です。

KIKUSUI蔵GARDENでしたいこと① ラボで発酵を楽しく学ぶ

木升を模した家具が配された温かみのある空間
木升を模した家具が配された温かみのある空間

緑に囲まれたメイン棟「KIKUSUI蔵GARDEN」内にあるラボには、発酵とは何か? 日本酒はどのように醸されるのか?など、発酵に関連した展示が行われています。また、週末を中心に開催される発酵ワークショップを通じて、奥深い発酵の面白さを体験することができます。ワークショップは公式ウェブサイトから事前予約が必要です。

味覚ワークショップ「手作り‶おむすび″を味覚体験授業」
味覚ワークショップ「手作り‶おむすび″を味覚体験授業」

KIKUSUI蔵GARDENでしたいこと② ショップでオリジナルアイテムを選ぶ

厳選された品が揃うショップ
厳選された品が揃うショップ

エントランスから広がるショップとラボ。存在感ある天井の梁は、菊水酒造の創業家から伝わる明治時代の醤油蔵の古材を活かしたものだそう。麹による発酵を呼吸し続けてきた梁が、モダンな空間に伝統技術の重みをさりげなく伝えてくれています。

500円で菊水酒造の酒や梅酒を3杯飲み比べできる
500円で菊水酒造の酒や梅酒を3杯飲み比べできる

創業者の名である節五郎(せつごろう)を冠したプレミアムな銘柄はもちろん、ここならではの酒が揃います。また菊水酒造の顔ともいえるアルミ缶入り「ふなぐち」も、スーパーでもお馴染みの定番・生原酒はもちろん、大吟醸、熟成、スパークリング、新米新酒など幅広く揃い、特に10年熟成の「ふなぐち」はここでしか買えない限定品です。日本酒に合うこだわりのおつまみも揃います。ユニークな酒器類からも目が離せません。

搾りたての生原酒はおみやげにぴったり
搾りたての生原酒はおみやげにぴったり

ところで「ふなぐち」とは、日本酒を搾る「酒槽(ふね)」から酒が流れ出る出口のこと。ショップ限定販売の「しぼりたて生原酒」720ml 1815円が注がれるタップは、まさに現代の「ふなぐち」。濃厚でフルーティな香りが漂います。

KIKUSUI蔵GARDENでしたいこと③ カフェでランチ&スイーツ

四季折々の庭園を眺めながら食事ができる
四季折々の庭園を眺めながら食事ができる

ラボとショップの奥には、カフェがあります。扉を開けると目の前の大きなガラス越しに美しい庭園が広がっています。この庭園は、菊水酒造がこの地に移転した昭和44年(1969)に、京都・慈照寺(銀閣寺)の出入り庭師として知られる田中泰阿弥(たいあみ)が更地から作庭した枯山水の庭。大小の石を組み合わせて、滝やせせらぎなどの水の流れを表現しているそう。カフェではこんな贅沢な空間で、酒蔵ならではの麹や酒粕を利用したランチやスイーツなど、ヘルシーでおいしいメニューを味わえます。たとえば……


新発田牛の酒粕キーマカレードリア半熟卵のせ(選べるドリンク&ミニドルチェセット)1900円。単品は1400円
「新発田牛の酒粕キーマカレードリア半熟卵のせ(選べるドリンク&ミニドルチェセット)」1900円。単品は1400円

写真は地元のブランド肉新発田牛のうま味が、酒粕と野菜麹によりいっそう引き出されたキーマカレー。北越後産米粉のベシャメルソースがまろやかさをプラス。11~14時までの提供で、なくなり次第終了の人気メニューです。

発酵あんと甘酒ホイップの求肥大福御膳1200円
「発酵あんと甘酒ホイップの求肥大福御膳」1200円(果物は季節替わり)

スイーツでも発酵を堪能できます。写真は求肥に自分でフィリングを詰めていただく、いわば「体験型スイーツ」。幼いこどもたちはもちろん、大人も特別な思い出になりそう。1日限定5食です。

KIKUSUI蔵GARDENをもっと深掘り 菊水日本酒文化研究所で酒文化を知る

木立に囲まれた小道をたどって「菊水日本酒文化研究所」へ
木立に囲まれた小道をたどって「菊水日本酒文化研究所」へ

ここから先は予約が必要ですが、スタッフの案内のもと、日本酒が長い時をかけて醸成した文化の奥深さを感じることのできる、とっておきのエリアです。

向こうに広がる田んぼでは、社員が酒米を育てている
向こうに広がる田んぼでは、社員が酒米を育てている

野鳥のさえずりを聞きつつ林の中を進むと、酒林(さかばやし)を下げたモダンな建物が見えてきます。「菊水日本酒文化研究所」です。ここには日本酒にまつわる膨大な資料を集めた「資料室」と、伝統的な酒造りを行う「節五郎蔵(せつごろうぐら)」が入っています。


ガラス越しに見学できる節五郎蔵
ガラス越しに見学できる節五郎蔵

「節五郎蔵」は、菊水酒造の全生産量の1%程度という小さな施設で、作業は蔵人の手作業。それにより伝統的な技術を継承・研究しています。ここでは全国新酒鑑評会に出品する大吟醸酒やオーガニックなお酒など、高品質な酒が生み出されています。

壁一面に書籍が並ぶ文献資料室
壁一面に書籍が並ぶ文献資料室
酒造りだけでなく、酒に関わる食文化の資料も
酒造りだけでなく、酒に関わる食文化の資料も

「資料室」には日本酒に関する文献、書画、骨董品など約3万点が収蔵され、酒文化の歴史的な価値を伝えています。手前が文献資料室、奥が酒器展示室。貴重な資料が揃っています。

骨董や書画のコーナー
膨大な骨董や書画が展示されている
注ぐと音がするウグイス徳利
長岡市に伝わる「十分杯」と、注ぐと音がする「うぐいす徳利」
酒席遊びに使われる「可杯(べくはい)」)」
高知県の酒席遊びに使われる「可杯」

中でも目を惹かれてしまったのは、酒席を楽しくする、おもしろい徳利や杯の数々です。例えば酒を注ぐと鳥のさえずりのような音がするうぐいす徳利は私もぜひ使ってみたい品。また飲み干すまで置くことのできない高知県の「可杯(べくはい)」や、八分目までは大丈夫でも、なみなみ(十分)注ぐとサイフォンの原理で底の穴から酒がすべて流れ出てしまう長岡市に伝わる「十分杯(じゅうぶんはい)」からは、両方の県民性が伝わってくるようで、愉快になります。

実はこれらの酒器は、再現されてショップでも販売されています。思わず「うぐいす徳利」と「十分杯」を自分へのおみやげにしてしまいました。大騒ぎの中ではかすかな鳴き声は聞こえませんから、私の酒も静かに「足るを知る」たしなみ方に変わるかも。。

左から鳴き片口徳利3686円、十分杯4114円、鳴き徳利●●円
左から菊水オリジナル「うぐいす徳利(市松模様)」4481円「十分杯」4114円、「鳴き片口徳利」3686円

■KIKUSUI蔵ガーデン(きくすいくらがーでん)
住所:新潟県新発田市島潟750
TEL:お客様相談室0120-23-0101(平日10~17時)※土・日曜、祝日、お盆、年末年始を除く
営業時間:
ラボ・ショップ 9時30分~16時30分
カフェ 平日11~16時(15時30分LO)、土・日曜、祝日は10時~
菊水酒文化研究所・蔵見学 10時~、10時30分~、14時~、14時30分~。所要60分。料金500円(20歳未満は無料) 前日の16時までに要予約。
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)、カフェは月1回火曜休あり。公式WEBサイトで確認を
アクセス:日本海東北自動車道 聖籠新発田ICから車で10分。JR羽越本線新発田駅から車で約10分
駐車場:14台

「KIKUSUI蔵GARDEN」は、菊水酒造が145年の長きにわたり粛々と続けてきた酒造という「モノづくり」を根っこに、お酒の楽しさや奥深さ体験できるような「コトづくり」に取り組み、発酵の新たな可能性を発信する意欲的な施設でした。春には残雪の飯豊山と桜並木を眺めがてら、訪ねてみませんか?

Text:松尾裕美
Photo:村岡栄治

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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