【奈良】温泉付き客室も! 旧県知事公舎を改装した宿「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」で贅沢ステイ
「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良(しすい らぐじゅありー これくしょんほてる なら)」は、大正11年(1922)に建てられた旧奈良県知事公舎をリノベーションしたホテルです。奈良公園の西端、興福寺や東大寺にも近い場所で、奈良らしい風情と大正モダンが融合した気品ある空間が広がります。敷地内には日本庭園や、旧寺院を活用したカフェもあり、穏やかに流れる時間のなかで優雅な滞在が叶います。
歴代の知事が住んでいた公舎の面影を感じるホテル

「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」は、近鉄奈良駅から東へ徒歩約15分。草をはむ鹿の姿が見られる奈良公園の穏やかな風景の先に現れる、ラグジュアリーホテルです。

重厚な門構えの表札には「知事公舎」の文字。その下の部分だけ木の色が変わっていて、かつて知事の名前が掲げられていた名残が感じられます。平成29年(2017)まで実際に知事が住み、公的にも使用されていた建物から、歴史の重みが静かに伝わってきます。

玄関に近づくと、軒は格天井、入り口ドアは木製の引き戸で、寺院を思わせる趣があります。一方で、スロープや自動ドアも整えられており、車椅子やベビーカーでも安心して利用できる設計に。歴史的な意匠を守りながら、快適さも配慮されていました。

館内に足を踏み入れると、まず目に入るのが枯れてしまった盆栽を再生したアート作品です。時を重ねた素材に新たな命が吹き込まれて存在感を放っています。さらに、鶴や紅葉、梅が描かれた杉の板戸は知事公舎時代から受け継がれてきたもの。一説には100年以上前のものともいわれ、いにしえの意匠を今に伝えています。
ラウンジで歴史の1ページを体感

ラウンジ「寧楽(なら)」は、旧知事公舎の洋間をそのまま生かしています。高い天井に大きな窓という明るい空間に、格天井や柱を見せる日本建築の特徴も見られ、大正時代の洋間らしい華やかさが感じられます。チェックインもこのラウンジで行われ、歴史を感じながらラグジュアリーな時間が始まります。

「御認証の間」は、昭和26年(1951)、昭和天皇がサンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約の批准書に署名された場所です。家具や調度類は、ほぼ当時のものがそのまま残されており、知事公舎時代も特別な場所として大切に保存されてきました。

廊下には、昭和天皇が奈良に行幸された時の写真が飾られており、この場所が歩んできた歴史の重みが伝わってきます。当時のままの洋服掛けを見ながら、かつてコートやハットを身に着けた紳士たちがここに立っていたのかも…と当時の情景に思いを巡らせていました。
庭を望む広い客室で心身ともにリラックス

客室棟はメイン棟から細い路地を挟んだ向かい側にあります。観光客もほとんど通らない静かな道を抜けて向かうその時間も、日常から離れていくような特別感があります。

客室棟は2階建て2棟で構成されています。40~98㎡、平均46㎡というゆとりのある広さで、全43室のうち23室に温泉風呂を備えています。
ジュニアスイートルームに入った瞬間、まず目に飛び込んできたのは大きな窓の向こうに広がる庭の景色。木々の緑が、まるで一枚の絵のように美しく切り取られています。ベッドルームと広縁のあいだの壁には、旧知事公舎の蔵の入り口のデザイン「いばら」を取り入れて、曲線が空間にやわらかな奥行きを生み出しています。
温泉は、奈良市内の天然温泉「朱雀の湯」をたたえており、やわらかな泉質の単純温泉が心身ともにリラックスさせてくれます。露天風呂付の客室では、庭の緑とやわらかな日差しを感じながら心地よい時間を過ごせますね。
スタンダードルームもジュニアスイート同様、曲線のある壁が寝室とリビングを区切っています。ベッドヘッドには伝統技法の「なぐり加工」が施され、手仕事ならではのやわらかな凹凸が温かみのある雰囲気を演出。

客室でゆったり飲むお茶は、奈良の和紅茶や煎茶。コーヒーやエスプレッソはネスプレッソのコーヒーメーカーで手軽に淹れられ、旅の合間のひと休みにぴったりです。ウォーターボトルは紙製で環境への配慮が感じられました。

バスルームは機能的で使いやすく、洗面台前の壁を開けると客室が見渡せるユニークなつくり。空間の広がりを感じられるのが印象的です。

アメニティは、歯ブラシやコームが竹製で、細部までサステナブルなこだわりが光ります。

シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ボディローションはスウェーデンの高級フレグランスブランド「Byredo(ばいれーど)」のもの。ラグジュアリーコレクションブランドオリジナルの上質な香りに包まれるバスタイムを楽しめます。

タブレットでは館内施設の紹介やインルームダイニングのほかに、ホテルならではのギフトを購入できます。奈良で生まれた「THERA(てら)」のスキンケアアイテム(「酵素のあらい粉 あお」2750円ほか)、客室で使われている雪駄6050円、オリジナルサコッシュ3300円は旅の記念としても自分へのご褒美としてもGood!
歴史ある寺院空間でシャンパンのフリーフローを
毎日17~19時には、宿泊者限定でシャンパンのフリーフローサービス「ガーデンディライト」が楽しめます。場所はホテル棟の敷地内にある茶寮「世世(ぜぜ)」。元々興福寺の子院だった建物を改装したカフェで、とっても落ち着いた雰囲気なんです。

磨き抜かれた床や絵が描かれた板戸など、寺院時代の雰囲気が残る廊下を進みます。

季節ごとに表情を変える美しい庭を眺めながらの時間は格別。奈良のまちを散策したあとのリラックスタイムや夕食前のひとときに食前酒としていただくのにおすすめ。気候がよい時季には、縁側で木々の香りや風を感じながら、心地よく過ごせます。
かつての客間が庭の見えるレストランに

お楽しみの朝食をいただくのは、かつての客間を和室から洋室にリノベーションしたレストラン「翠葉(すいよう)」です。欄間や床の間などの凝った設えも一見の価値あり!
2方向の大きな窓の向こうに広がる庭園を見ながら、優雅な食事タイムを過ごせます。

朝食は奈良の伝統を感じる和朝食。壱の膳に詰められた前菜の数々は、奈良県産の食材が中心です。ほかの地域では滅多に見かけない奈良県在来の葉物野菜「大和まな」のお浸しや、「大和こんにゃく」の胡麻和えなど、華やかな見た目と滋味豊かな味が楽しめます。

続く弐の膳は、焼魚や「大和ポーク」の豚汁などのメイン料理です。ご飯は名物の茶粥か奈良県産のご飯が選べます。選ぶのに迷っていると、一杯目は茶粥。二杯目はご飯を選んで、吉野葛の卵餡掛けで卵かけご飯にするのがおすすめだと教えてもらいました。両方の味を楽しめてとっても贅沢な気分に。ビジターも利用できるので朝食だけ食べに行くのもいいかも。
ランチやディナーも奈良の食材や伝統を取り入れたイノベーティブなコース料理が味わえます。ランチで特徴的なのは艶やかな吹き寄せちらし。ディナーは、奈良の郷土食をフレンチスタイルにアレンジした料理など、とにかく一品ごとに見た目の美しさと繊細な味わいに感動!
レストラン「翠葉」は朝食、ランチ、ディナーともに宿泊者以外でも利用できます。朝食6325円、ランチコース「紫苑」7590円、ディナーコース「時河」2万2770円。価格はすべてサービス料込。要予約です。
■レストラン「翠葉」
時間:朝食7~10時、昼食12時~14時30分、夕食17時30分~21時
TEL:0742-93-6532 ※完全予約制、予約は前日18時まで
知事公舎時代の蔵を活用した鮨&バー「正倉」は、重厚な構造と静けさに包まれた、カウンター8席だけの空間です。ここでは、季節感あふれる創造的なコースを味わえます。
■鮨&バー「正倉」
時間:昼食12時~14時30分、夕食17時30分~/20時~(2部制)
TEL:0742-93-6532 ※完全予約制、予約は前日17時まで
料金:2万9095円~(サービス料込)
名勝「吉城園」で体験するメディテーションストレッチ

隣接する日本庭園「吉城園」の主棟で毎週水曜、朝7時30分から開催されるのが、宿泊者限定のメディテーションストレッチです。(前日17時までに要予約)美しい日本庭園をながめながら、ゆっくりと体を動かし、静かに瞑想する時間は1日のスタートをより豊かなものにしてくれます。
ほかにも宿泊者限定無料アクティビティとして、「紫翠ホテルツアー」や「奈良墨を磨(す)る」、こども向けの宝探し「キッズ紫翠ハンター」があります。詳細は公式サイトをチェックしてください。
URL:https://www.suihotels.com/shisui/activity/
ホテルから徒歩で行ける、周辺のおすすめ観光スポット3選
【ホテルから徒歩5分】奈良国立博物館

令和7年(2025年)に開館130年を迎えた国立博物館。仏教美術を中心に、多くの名品を展示・収蔵している博物館で、新館(東新館、西新館)で毎年秋に開催される「正倉院展」には多くのファンが訪れます。「仏像館」には日本の仏像を中心に常時100体近くの仏像を展示しています。
【ホテルから徒歩6分】奈良公園

春日大社、興福寺、東大寺などの歴史的文化遺産が多く建つ奈良公園は660ヘクタールの広大な敷地を有します。芝生の上で神の使いとされるシカが群れ遊ぶ風景は有名です。奈良公園のシカは国の天然記念物に指定されている野生動物。生態を知らないと被害を受けることもあるので注意しましょう。
【ホテルから徒歩15分】ならまち

「ならまち」は、江戸時代から明治時代にかけて「元興寺」の境内地として発展してきました。風情ある町並みは当時の面影を残しつつ、カフェや雑貨店が並びます。軒先の身代わり申などの映えスポットも多く、歴史を感じながらおみやげ選びも楽しめます。
リアルなおすすめタイムスケジュール
【1日目】
11:30 近鉄奈良駅着。散策を兼ねて徒歩で「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」へ(徒歩約15分)
12:00 荷物を預けて、レストラン「翠葉」でランチコース紫苑に舌鼓
13:30 奈良国立博物館へ
17:00 チェックインして客室でおしゃべりタイム
18:30 フリーフローサービス「ガーデンディライト」を楽しむ
20:00 鮨&バー「正倉」でディナータイム
22:00 客室に戻ってバスタイム&おしゃべりタイム
24:00 おやすみなさい!
【2日目】
7:00 起床。レストラン「翠葉」で朝食を味わう
8:30 奈良公園を散策
9:55 ロビーへ。紫翠ホテルツアーに参加
11:00 客室に戻り荷物をまとめてしばし休息
12:00 荷物を預けてチェックアウト。ならまち散策へ
15:00 荷物を受け取り帰路へ
歴史的建築と現代のラグジュアリーが融合した「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」。実際に滞在してみて感じたのは、ただ泊まるだけではなく“時間を味わう”ホテルだということ。趣のある空間で、奈良の文化をじっくり体感したい方に訪れてほしい一軒です。
■紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良
(しすい らぐじゅありーこれくしょんほてる なら)
住所:奈良県奈良市登大路町62番地
TEL:0742-93-6511
チェックイン:15時
チェックアウト:12時
料金:スタンダードルーム/12万6500円~、デラックスルーム(温泉風呂付)15万1800円~、ジュニアスイートルーム(温泉露天風呂付)/32万8900円~
※いずれも1室2名利用1室あたり。税・サービス料込
アクセス:近鉄奈良駅から徒歩約15分
Text&Photo:松田きこ(ウエストプラン)
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