1959年築の元迎賓館「ザ・ガーデンオリエンタル・大阪」で、一般開放されているレトロ建築とアフタヌーンティーを楽しむ【ご褒美の新定番】
昭和34年(1959)に迎賓館として建てられた旧「大阪市公館」。今は「ザ・ガーデンオリエンタル・大阪(おおさか)」として生まれ変わっていますが、じつは館内に一般利用できるカフェレストランがあるのをご存じですか。おすすめは旬のフルーツがさまざまなスイーツで堪能できる期間限定のアフタヌーンティー。自由に鑑賞できるクラシカルな館内や美しい庭園も合わせてご紹介します。
かつて各国のVIPを招いた旧大阪市公館

JR大阪城北詰駅から徒歩すぐ、緑豊かで閑静なエリアにたたずむ「ザ・ガーデンオリエンタル・大阪」。昭和34年(1959)に迎賓館として建てられた旧大阪市公館で、かつては世界各国のVIPをお迎えする場でした。
建築家は、大阪株式取引所や大阪能楽会館などを設計し、関西の建築界に名声を博した竹腰健造(たけこしけんぞう)氏。
現代の迎賓館としてパーティやイベント、ウエディングを行う「ザ・ガーデンオリエンタル・大阪」として生まれ変わった後も、近代建築の洋館がかつてのハイカラな趣をそのまま受け継いでいます。

旧大阪市公館は平成7年(1995)のAPEC(アジア太平洋経済協力)をはじめ、国際的な会議や式典を行う舞台となり、各国のVIPをお迎えしました。
館内のカフェレストラン「ザ・ラウンジ」には、APEC参加者のサインプレートが飾られています。

2階待合室にはAPECなど歴史に残る行事の舞台であったことを証明する、大阪市寄贈の写真が飾られているので、そちらもぜひチェックしてみてください。
名作の家具が置かれたカフェレストラン「ザ・ラウンジ」は一般利用可

それでは一般利用できる、カフェレストラン「ザ・ラウンジ」へ。
「いまの時代では再現できないすばらしい建築物に時代に合った名作品を」という開業時の支配人やインテリアチームの想いがあり、1940~1960年代にかけてアメリカで発展した機能性と美しさを併せ持ったミッドセンチュリー家具が置かれています。カッシーナ・ハーマンミラー・ノルといった、名作の家具があちこちに!

メインの空間のすぐ隣、少し高い場所に隠れ家のような席を見つけました。
座り心地抜群のカッシーナ製のソファがいくつか置かれ、よりゴージャスな雰囲気が漂います。

外には奥行きのある広々とした庭園が一望できるテラス席があり、豊かな緑を眺めながら、お茶や食事を楽しむことができます。
気候のよい季節は、リゾート気分が味わえるこちらがおすすめ。
期間限定のアフタヌーンティーで旬のフルーツを堪能
今回はこの空間をゆっくり楽しみたいので、メニューは「アフタヌーンティー」をセレクト。
こちらの「アフタヌーンティー」は“旬のフルーツ”をテーマにし、2~3カ月に1回メニューが変わります。2026年8月末までは旬の桃をさまざまなスイーツで楽しむことができます。

まずはコース料理のように書かれたメニュー表を開きます。添えられたローズマリーから華やかで高貴な香りが漂い、うっとり。


ウエルカムドリンクとして、スパークリングワインと木箱が運ばれてきました(ノンアルコールもあり)。木箱の中には「グラナパダーノ」というチーズのブリュレをココアのクッキーでサンドしたものと、イタリアの揚げパン「トルタフリッタ」に生ハムを添えたものの、2種のアミューズ(最初に出される小さな一口料理)が入っています。
濃厚なうま味をもつチーズや生ハムと、さわやかなスパークリングワインのマリアージュに早くも魅了されます。

続いて3段のスタンドが運ばれてきました。まるで宝石が詰め込まれているかのよう!にこやかなスタッフの折り目正しい接客にも癒やされます。
1段目は3品。まずはガラスの器に入った和三盆のパンナコッタを。パンナコッタのやさしい甘みが白桃のコンポートやそのシロップで作ったジュレとよく合います。
次は桃のコンフィチュール入りのココナッツクリームをはさんだマカロンをパクリ。3つ目は桃のコンフィチュールとバラの香りを閉じ込めたラズベリーショコラ。
どれも桃のふくよかで甘い風味がふわっと口に広がり、それぞれの食材との相性も抜群です。
2段目は焼き菓子の3品。赤桃のムースのタルトには、フレッシュ感のある白桃のコンポートがたっぷり。アールグレイの香り高いケーキは、さわやかなサワークリームをサンドし、白桃のコンポートとレモンのジュレをトッピング。
ピスタチオのコクがしっかり感じられる焼き菓子には、シャキシャキした歯ごたえのドライピーチを合わせています。バラエティーに富んだ組み合わせで、旬の桃を楽しみ尽くしましょう。
3段目はセイボリーが2品。季節野菜のタルトは、ニンニクやアンチョビ入りのバーニャカウダソースが利いた逸品。サンドウィッチも主役の糸島豚のロースハムのうま味が際立っています。
こちらにプラス、トリュフオイルと粉チーズで仕上げたフライドポテトが付いているのもうれしい。
「アフタヌーンティーは味が単調にならないように、また最後までおいしく味わっていただけるよう甘さを控えめにしています」とパティシエの大塚さん。
パティシエやスタッフに若い女性が多く、何がうれしいか常に話し合っているのだそう。

ドリンクは1時間30分の飲み放題。コーヒーやジュースもありますが、煎茶ベースのフレーバーティーなど紅茶が特に充実しています。茶葉を見ながら選べるのも◎。

大阪市公館時代から受け継がれている重厚感のあるカトラリーにも注目を。持ち手部分には旧大阪市公館のマークが入っています。
追加のセイボリーをサプライズでプレゼント!

アフタヌーンティーが終盤に近づいたころ、メニュー表にはないセイボリーがサプライズで登場!炙ったコーンをトッピングしたトウモロコシのパンナコッタや夏野菜のタルトなど、季節感たっぷりで、好きな数だけ選べます。
お客様から「“甘さ”でしめないアフタヌーンティーもいい!」「もう少し食べたいと思っていたからうれしい」といった声も多いのだそう。
格式ある歴史的建造物を鑑賞し、美しい庭園を散策しよう

アフタヌーンティーで満足した後は、クラシカルな意匠が残る館内を巡ってみましょう。建築を学ぶ学生さんも多く訪れるそう。その時々によっては、スタッフに案内してもらえることも。
まず必見なのは、木のカーブが美しい手すりを持つ、階段の天井に吊るされた細長い照明。斬新なフォルムをたどり、上がっていきましょう。

こちらは下から見上げた、フォトジェニックな風景。

3階まで上がると照明の根本には、1対のスワンが愛らしいアール・デコの装飾が!こちらはぜひチェックしてください。

外壁には細やかでエレガントな装飾「レリーフテラコッタ」が残っています。ぜひ宝物探しの気分で、敷地内を歩いてみてください。

約4000坪という広大な敷地の大半を占めるのが、緑豊かな庭園。昭和45年(1970)の大阪万博で日本庭園の主任設計者を務めた田治六郎(たじろくろう)氏が手がけました。
巨木が立ち並ぶなか、ウッドボードに沿って自由に散策することができます。

途中には、「桧皮葺(ひわだぶき)」という技法が用いられた茶室「二水亭(にすいてい)」がたたずんでいます。

庭園内には、鴻池朋子(こうのいけともこ)氏や北山孝雄(きたやまたかお)氏など、現代アート作家によるユニークな作品も点在。濃い緑とのコントラストで作品が一層際立ちますね。

使用されていなければ、フォトジェニックな挙式会場を見学することも可能です。

旬のフルーツが存分に味わえる宝石のようなアフタヌーンティーとともに、時を経たレトロな建築や美しい庭園も楽しめる「ザ・ガーデンオリエンタル・大阪」。
ぜひ訪れ、いつもとはひと味違うとっておきのティータイムを過ごしてみてはいかがでしょうか。
■ザ・ラウンジ
所在地:ザ・ガーデンオリエンタル・大阪1F
TEL:06-6358-5533
営業時間:11~17時(16時LO、土・日曜、祝日は12時~)
定休日:火・水曜、そのほか不定休あり(公式サイトで要確認)
※アフタヌーンティーは11~15時、土・日曜、祝日は14時30分~15時
※テラス席は宴会や婚礼の状況により、使用が難しい場合あり。電話予約推奨
※料金はすべて税込、サービス料別
■ザ・ガーデンオリエンタル・大阪(ざ・がーでんおりえんたる おおさか)
住所:大阪府大阪市都島区網島町10-35
館内・庭園の見学可能時間:10~18時
休み:不定休
アクセス:JR大阪城北詰駅から徒歩すぐ
※宴会や婚礼の状況によって、見学不可の場合あり
Text:こばやしみもざ
Photo:小川康貴
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