北海道の難読地名、全部読める? 読み方と由来を徹底解説
「長万部」「占冠」「留辺蘂」…。北海道には、初見ではなかなか読めない難読地名が数多くあります。その多くはアイヌ語に由来するもの。理由や語源を知ると、旅がもっと面白くなるかも! この記事では、北海道の難読地名の読み方、由来一覧から、難読駅名まで網羅してご紹介します。
北海道に難読地名が多い理由

北海道の地名の多くは、アイヌ民族の言語である「アイヌ語」に由来しています。アイヌ語で呼ばれてきた地名は、各地でアイヌの人々から伝えられた名称を記録し、カタカナやひらがな、漢字などで表記されるようになりました。
例えば「室蘭」は、かつては「モルラン」あるいは「モロラン」(モ・ルエラニ=アイヌ語で小さい・坂の意味)と呼ばれていましたが、「室蘭」という漢字があてられ、呼び名も「むろらん」となりました。
また、北海道でアイヌ語以外に由来する地名には、本州などから移住してきた人たちが故郷の地名などを付けたものや、地名の改正や住宅の開発に伴って新たに名づけられたものなどがあります。
北海道の難読地名の読み方・由来一覧【市町村名編】

北海道には読み方が難しい市町村名が数多くあります。ここではその読み方と由来をあわせてご紹介します。由来を知ると、地名に込められた人々の暮らしや自然観を感じることができます。
長万部
●読み方:おしゃまんべ
「長」を「おしゃ」と読むなど、漢字本来の読み方とは異なっているため、初見では読むことが難しいです。
占冠
●読み方:しむかっぷ
アイヌ語の「シムカㇷ゚(「本流の鵡川」の意)」に当て字をしたといわれています。村域の94%が山林という豊かな自然環境をもつ村で、その名の通り静かで穏やかな土地です。
留辺蘂
●読み方:るべしべ
アイヌ語の「ルペㇱペ(「道に沿って下るもの(川)」の意)」が語源。「蘂」は「べ・しべ」と読み、雌蘂(めしべ)・雄蘂(おしべ)などに使われる難読漢字で、この一文字だけでも読むことが難しい地名です。
足寄
●読み方:あしょろ
釧路方面から阿寒を越えて、この川に沿って十勝または北見に出たため、アイヌ語の「エソロペッ(「沿うて下る川」の意)」に由来するとされています。シンガーソングライターの松山千春さんの出身地としても知られています。
積丹
●読み方:しゃこたん
夏の好漁場だったため、アイヌ語の「サㇰコタン(「夏場所」の意)」に由来するといわれています。「積丹ブルー」とよばれる美しい海の色が有名で、ウニの産地としても知られる観光スポットです。
訓子府
●読み方:くんねっぷ
アイヌ語の「クンネㇷ゚(「黒いもの」の意)」が語源とされています。北海道オホーツク総合振興局管内の常呂郡に位置する町です。
興部
●読み方:おこっぺ
アイヌ語の「オウコッペ(「川尻の合流するところ」の意)」が語源とされています。オホーツク海沿岸に位置し、酪農が盛んな町です。
弟子屈
●読み方:てしかが
アイヌ語で「テㇱカカ(「梁・上」や「岸・上」の意)」が語源とされています。摩周湖や屈斜路湖、川湯温泉を有する自然豊かな観光地として知られています。
音威子府
●読み方:おといねっぷ
アイヌ語で「オトイネㇷ゚(「川口のにごっている川」などの意)」が語源とされています。北海道で人口が最も少ない村としても知られています。
新冠
●読み方:にいかっぷ
アイヌ語の「ニカㇷ゚(「木の皮」の意)」が語源とされています。日本有数の軽種馬産地として知られていて、ナリタブライアンやハイセイコーなど名馬を輩出した町です。
置戸
●読み方:おけと
アイヌ語の「オケトゥウンナイ (川尻に・獣皮を乾かすその張り枠・ある・川)」に由来し、その名が略されて「置戸」となったとされています。面積の8割以上を森林が占める、林業と農業が盛んなオホーツク管内の町です。
雄武
●読み方:おうむ
アイヌ語の「オムイ、オム(川尻・塞がる・所)」が語源とされています。雄武川の河口が風や潮流に運ばれた砂で塞がれることがあることから付けられた地名との説もあります。オホーツク海に面する道北の町です。
留寿都
●読み方:るすつ
アイヌ語の「ルスッ(「道・の根もと」の意)」が語源とされています。ウィンタースポーツのリゾート地として知られていて、北海道南西部に位置する小さな村です。
北海道の難読地名の読み方・由来一覧【地区名編】

市町村名だけでなく、地区名にも難読地名は数多く存在します。ここでは特に読み方が難しい地区名をご紹介します。
花畔
●読み方:ばんなぐろ
石狩市に位置する地名。明治時代に開拓判官の岩村通俊が命名しました。
濃昼
●読み方:ごきびる
石狩市厚田区と浜益区の境界に位置する地名。昔から自然港として栄えた場所で、2018年には濃昼山道が北海道遺産に選定されています。
生振
●読み方:おやふる
石狩市に位置する地名。明治時代に開拓判官の岩村通俊が命名しました。
茨戸
●読み方:ばらと
札幌市北区に位置する地名で、アイヌ語の「パラト(「広い・沼」の意)」に由来するとされています。かつては発寒川(はっさむがわ)が下流の河口付近に広がった大きな沼を指した地名で、水上交通の要衝として栄えていました。
発寒
●読み方:はっさむ
札幌市西区に位置する地名で、現在は大型商業施設が立ち並ぶ、札幌市内の主要エリアです。
大楽毛
●読み方:おたのしけ
釧路市に位置する地名で、アイヌ語の「オタノㇱキ(「砂浜・の中央」の意)」が語源とされています。「大楽毛」という漢字から「おたのしけ」の読み方を連想することは難しく、北海道の難読地名を代表するひとつです。
忍路
●読み方:おしょろ
小樽市に位置する地名。日本海に突き出した忍路半島に位置し、江戸時代後期にはニシン漁で栄えた歴史ある漁村です。
北海道の難読地名を難易度別に紹介
北海道の難読地名は、初めて見た人はもちろん、道内在住者でも読めないものが数多くあります。ここでは難易度別に読み方をご紹介します。
【初級編】耳にしたことがある定番の難読地名
まずは知名度が高く、耳にしたことがある人も多い定番の難読地名です。名前は聞いたことがあっても、漢字で見ると意外と読めないものが含まれています。
※表は左右にスクロールできます
【中級編】旅行者が迷いやすい難読地名
次は、北海道を旅行中に、看板や案内板で目にする機会が多い地名です。観光スポットや交通の要所として知られる場所も含まれていて、読めると旅がぐっとスムーズになります。
※表は左右にスクロールできます
【上級編】道民でも読めない!? 超難読地名
最後は、地元の人でも読み方を知らないことがある超難読地名です。
※表は左右にスクロールできます
北海道の難読駅名の読み方一覧
北海道では地名と同様に、駅名にも難読なものが数多くあります。ここでは市町村名や地区名としてはあまり知られていないものの、鉄道で旅行する際に出会う機会が多い難読駅名をご紹介します。
観光前に押さえたい難読駅名
下記は、北海道を鉄道で旅行する際に特に目にしやすい難読駅名です。
※表は左右にスクロールできます
北海道の難読地名のよくある疑問
北海道の難読地名について、よくある疑問をまとめました。
北海道旅行中に難読地名に出会ったらどう調べる?
スマートフォンで漢字と「読み方」をセットで検索するのが最も手軽です。各市町村の公式ホームページには地名の読み方が記載されていることが多く、信頼性の高い情報を得られます。
北海道民でも読めない地名はある?
あります。特に字・地区名レベルになると難易度が上がり、道内在住者でも読めないケースは少なくありません。「濃昼(ごきびる)」「花畔(ばんなぐろ)」などは、知識がなければ地元の人でも読むことが難しい地名として知られています。
まとめ|北海道の難読地名を読めると旅がもっと楽しくなる
北海道の難読地名の多くはアイヌ語に由来しており、この地で古くからアイヌの人々が暮らし、自然と深く関わりながら生活してきた歴史や文化を今に伝えています。読み方を知るだけでなく、その由来や意味を知ることで、訪れる土地への理解や旅の楽しみがより一層深まるでしょう。
旅先で難読地名に出会ったとき、その名前を読めたり、由来を知っていたりすると、旅の会話のきっかけになることもあります。ぜひこの記事を参考に、地名に込められた歴史や文化にも触れながら、北海道の旅をより豊かに楽しんでみてください。
※地名の由来などの諸説はいくつかあるので、記載してある内容がすべてではありません。
Photo:PIXTA
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。




