下町生まれのさっくさくフロランタンに和の趣を感じる!
美術館や寺社が点在し、文化的な香り漂う下町・谷中。こぢんまりとした商店が軒を連ねる「谷中ぎんざ商店街」にあるフロランタン専門店「atelier de florentina(アトリエ ド フロレンティーナ)」では、下町情緒あふれるこの土地で育まれる、独自のセンスでアレンジされたヨーロッパ菓子が楽しめます。
イタリアやフランスで愛される伝統菓子・フロランタンって?
フロランタンとは、イタリアで生まれフランスをはじめとしたヨーロッパで愛され続ける伝統菓子。クッキー生地にキャラメルでコーティングしたナッツ類を乗せ、焼いて作られます。
店主ご夫妻が、“日本初のフロランタン専門店”として、このエリアでお店をスタートしたのは8年程前。海外でフードライターをしていた奥さまが、独学で、伝統を守りながらも日本人の好みに合う、さくさくと軽い食感のレシピを考案したそう。
常に焼きたてが並ぶよう、お2人とスタッフさん達がテキパキと動き回りながら、フロランタンを作っています。
店先には「プレーン」、「そばの実&黒ごま」、「オランジェ」、「黒糖キャラメル」、「ココア&ヘーゼル」、「アールグレイ」、「焼きリンゴ」、「季節のフロランタン」の常時8種のフレーバーが並びます。なかでも和のテイストを取り入れた「そばの実&黒ごま」が人気。シニア層やフロランタンの本場で親しみのある欧州人からも好評だそうです。
「プレーンやココアをはじめとしたベースとなる生地と、トッピングの掛け合わせで無限大に楽しみが広がるんです」と顔をほころばせる奥さまのアイデアから生まれる、季節ごとの限定フレーバーも見逃せませんよ。
誰もが手に取りたくなる、シンプルな物作り
フロランタンの材料である小麦粉やバターは国産のものを使用しています。保存料や膨張剤などの添加物は一切使っていないので、小さい子どもが食べても安心です。約10日間日持ちするので、手みやげにも◎。桐や和紙で造られたミニマルでありながら上品な贈答用のパッケージも用意されています。
旦那さまが話してくれた「できるだけ余計なものを取り除いて、商品にフォーカスが当たるよう心掛けています」との言葉通り、店作りも商品作りもとてもシンプル。がゆえに、日常でも、特別なときでも、日本人でも、外国人でも、手に取りやすいですね。
下町に溶け込んだお洒落なお店
「atelier de florentina」があるのは、 JR日暮里駅から歩くこと約5分の場所。“夕やけだんだん”と呼ばれる夕日の名所の眼下に広がる、「谷中ぎんざ商店街」の中です。
家紋のような和風のロゴと屋号が記された暖簾がかかる木枠の引き戸の奥には、約5坪の端正な空間。洗練された洋の装いと和の趣が絶妙にマッチしたそのルックスに、道行く人がもれなく足を止めていましたよ。
商品がお行儀良く並ぶ、白壁と木目調のシンプルな店内はまるでギャラリーのようですね。
和の趣あふれる昔ながらの商店街に溶け込む、柔軟で感性豊かなヨーロッパ菓子の店。まさにここでしか味わえないサクサクのフロランタンを求めて、お店の暖簾をくぐってみてください。
text:田中佑季(mogShore)
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