枯山水の庭園を前にした気品ある空間でワインのフリーフロー。優雅な時間をすごせる「ホテルオークラ京都 岡崎別邸」【すみずみ宿泊ルポ】
平安神宮や南禅寺といった、京都の名所がぎゅっと詰まった岡崎エリア。由緒あるこの街にラグジュアリーな「ホテルオークラ京都 岡崎別邸(ほてるおーくらきょうと おかざきべってい)」があります。客室は全60室、32㎡のダブルルームのほかは、すべて40㎡以上のゆとりある設計。8室あるスイートルームは70㎡の広さです。館内の随所にちりばめられた伝統の技とモダンアート、そしてお隣の「真宗大谷派 岡崎別院」の美しい庭園。日常から離れて京都の美意識に浸れる特別なステイをすみずみまでナビゲートします。
京都・岡崎エリアはどんなところ?
「ホテルオークラ京都 岡崎別邸」が位置する岡崎は、観光地・祇園からバスで15分ほどという好立地にありながら、繁華街の喧騒から離れた静かなエリアです。周辺には南禅寺や銀閣寺、平安神宮といった名刹をはじめ、京都国立近代美術館などの文化施設も点在。「哲学の道から銀閣寺」「永観堂・南禅寺から疏水インクライン」「岡崎文化ゾーンめぐり」と、ホテルを起点に名所をめぐるルートも楽しめます。
さらに、丸太町通りに面しているため車でのアクセスもスムーズ。市内中心部の激しい混雑を避けて、嵐山や金閣寺、大原方面へも快適に移動できます。最寄りの京都市バス「岡崎神社前」停留所からは徒歩1分もかかりません。地下鉄東西線「蹴上」駅からも徒歩15分弱と、おでかけのフットワークを軽くしてくれる場所なんです。
京都の伝統工芸が散りばめられたロビーへ

「静寂の回廊」と名付けられたアプローチは、植栽の緑とそれを映す水面の美しさに引き込まれるようで、まさに非日常への入口のよう。

チェックインは枯山水の庭園に面したロビーで。フロントの壁には、書家・川尾朋子さんによる「鳳鳴朝陽(ほうめいちょうよう)」という縁起のよい書が。ほかにも、館内には京都の伝統工芸を継承する後継者6人のユニット「GO ON(ごおん)」をはじめとする作家の作品が随所に飾られています。

海外でも知られている西陣織の老舗「細尾」が手がけた西陣織ウォールは、複雑な織り模様で、太陽光が入る時間帯によって雰囲気が変わって見えるそうです。客室へ通じるエレベーターホールには、「公長齋小菅」の竹格子など、客室に行くまでにもアートを楽しめます。
京都らしいアートに囲まれてゆったりすごせる客室

明かりを落とした廊下に灯るのは「開化堂」の手作りの茶筒をアレンジしたもので、ルームナンバーが刻印されています。よく見るとスイートルームのものは漆塗りで、ほかの部屋よりオレンジがかったやわからな明かりです。

今回は70㎡の広々としたスイートルームを紹介します。竹製のカード型ルームキーには、フロントに掲げられていた「鳳鳴朝陽」の書が描かれています。

スイートルーム8室の壁にもフロントと同じ書家の連作が飾られており、優美さと力強さを兼ね備えた文字が部屋に彩りを添えています。

一方の壁に掲げられているのは、「中川木工芸」中川周士さんの作品で「柾合わせ(まさめあわせ)」という技法の工芸品です。これは、傷んだり倒れたりして伐採された比叡山の木材を加工したもので、年月を経ても朽ちることなく美しい状態を保っていくそうです。

大きな窓のある広縁は「月見席」と名付けられて、低い椅子が置かれています。座ると、自然に視線が上に誘導される設計で、視界の半分以上が空でした。日ごろはうつむいてパソコンやスマートフォンを見がちですが、大空を見上げて心を無にする、そんな「余白の贅沢」を体験できる特等席です。

ミニバーに用意されているドリンクのなかで、特別感があるのが「かぶせ茶」です。国内のお茶の生産量のうち10%未満という贅沢な一品。茶葉の収穫前に10日~2週間ほど黒い布をかぶせることで、玉露の濃厚な甘みと煎茶のさわやかな渋みが絶妙に調和しています。客室のテレビモニターで抽出方法が丁寧に説明されているので、誰でも本格的な一杯を淹れられます 。

紅茶は、スリランカでブレンド、パックして直送される「Dilmah(ディルマ)」のティーバッグ。輸送中の温度や湿度の変化による影響を最小限に抑えているため、とっても豊かな風味なんです。朝にぴったりなスッキリタイプから夜のノンカフェインまで、時間帯に合わせた4種類がセットされています。

ベッドルームのテラスに出ると、目の前に広がるのは、美しい東山の山並みや歴史あるお寺の伽藍(がらん)。紅茶を飲みながら備え付けの本を読んでいると、京都にいること、静かな時間を過ごしていることを実感できて、満足感に満たされました。

スイートルームのバスアメニティは、英国の高級オーガニックブランド「bamford(バンフォード)」。さらに、低刺激・乾燥肌用スキンケアコスメ「Plusui(プラスイ)」のクレンジングや洗顔、化粧水なども完備されており、手ぶらでも安心して泊まれます。

ちなみにスイートルーム以外の客室では日本のブランド「OSAJI(オサジ)」のバスアメニティと、同じく日本のフレグランスブランド「SHOLAYERED(ショーレイヤード)」のスキンケアセットが用意されています。

ベッドヘッドは水面を表現した「細尾」の西陣織。夜に照明を少し落とすと、凹凸のある織りが美しい印影をつけて、まるで繭に包まれているかのような幻想的な雰囲気です。

ふんわりと肌触りのいいバスローブや、やわらかい素材のパジャマも用意されていて、ここちよい眠りにつけます。
スパークリングワインをはじめとするドリンクのフリーフロータイム

宿泊者限定の楽しみは、15~18時までのフリーフローサービス。1階のロビーラウンジで、スパークリングワイン、赤・白ワイン、コーヒー、紅茶などを自由に楽しめます。観光から戻って喉をうるおしたり、食前酒として軽く飲んだり、美しい庭を眺めながら夕刻のひとときをすごすのは格別です。

ドリンクに合わせて料理の注文もできます。スパークリングワインに合わせて選んだのは、「お勧めの前菜盛り合わせ」3200円。芳醇なうま味が詰まったパテ・ド・カンパーニュ、キャビアを添えた贅沢なスモークサーモン、バゲットの上には、濃厚なサントモール(山羊)のチーズを和牛で巻いて焼いたもの。緩急のついた味の組み合わせが秀逸です。

さらに白ワインには「クラブハウスサンドイッチ」3200円をペアリング。ボリュームがあるので2人でシェアするのもいいかもしれません。
岡崎別院の庭を散策する静かなひととき

岡崎別邸の庭は四季の移ろいを感じられる設計になっています。「迎春の庭」は、里山に多い山桜や枝垂れ梅などが植えられ、季節を表現した砂紋が美しく描かれた枯山水です。ちなみに取材に訪れた梅雨時には、かわいらしい「傘とカタツムリ」が白砂で描かれていました。

岡崎別邸の庭は四季の移ろいを感じられる設計になっています。「迎春の庭」は、里山に多い山桜や枝垂れ梅などが植えられ、季節を表現した砂紋が美しく描かれた枯山水です。ちなみに取材に訪れた梅雨時には、かわいらしい「傘とカタツムリ」が白砂で描かれていました。

茶室の北側には水琴窟(すいきんくつ)があり、ひしゃくで水を流すと澄んだ音が響きます。
特別な朝活、岡崎別院でお晨朝(あさじ)体験

翌朝は少し早起きをして宿泊客だけの特別な朝活を体験しましょう。岡崎別院は、比叡山を下りた親鸞聖人が最初に草庵を結び、晩年に再び戻られたという由緒ある場所です。宿泊者はここで毎朝8時から行われる「お晨朝(おあさじ)」に参加できるんです。

靴を脱いで本堂に上がり、静かに待っていると、厳かな鐘の音が響き渡ります。そのあとに僧侶が現れ、読経が始まります。朝の静けさのなかに響くお経を聞いていると、心がすーっと落ち着いていきます。お勤めの後は、僧侶による法話を拝聴します。親鸞聖人の生涯や教えを、わかりやすく紐解いてくださる貴重なひとときです 。
京都の素材を中心に味わうプレミアムな朝食

お晨朝で心が整ったあとは、レストラン「ヌーヴェル・エポック」で朝食「アメリカン・ブレックファースト」6500円をいただきます。

サクサクで香ばしいクロワッサンやパン・オ・ショコラ、ビーツのピューレを敷いた「季節の野菜のサラダ」、京都の美山町で生乳のみで作られた「美山ヨーグルト」とフルーツが、身体を優しく目覚めさせてくれます。

卵料理は、片面から絶妙な火入れで焼き上げた半熟の目玉焼き。シンプルに塩とコショウで味付け済みですが、好みで醤油を少し垂らして和風にいただくこともできるのが、京都らしいですね。

オプションで追加した朝食のスペシャリテは、京都産の牛乳、玉子、蜂蜜を使った「フレンチトースト」+1900円。3cmはありそうな厚さで、ナイフを入れるとしっとりふんわり、食感はまるで上質なケーキのようです。やさしい甘さで幸福感に満たされます。
■ヌーヴェル・エポック
・営業時間:朝食7~10時、ランチ12~15時(14時LO)、ディナー17時30分~21時30分(20時LO)
・定休日:水曜
・ドレスコード:ランチ・ディナーはスマートカジュアル ※短パン、ハーフパンツ、Tシャツ、サンダル、露出の多い服装での入店はご遠慮ください
周辺のおすすめ観光スポット&リアルなおすすめタイムスケジュール
【ホテルから徒歩約10分】京都市動物園

明治36年(1903)に開園した「京都市動物園」は日本で2番目に歴史のある動物園です。小動物を展示する「おとぎの国」やネコ科の動物を展示する「もうじゅうワールド」など7ゾーンに分かれています。なかでも「サルワールド」内のニシゴリラ本来の樹上生活を再現する「ゴリラのおうち~樹林のすみか~」には絶滅危惧種のニシゴリラのファミリーが暮らしている人気のスポットです。
【ホテルから徒歩約13分】京都市京セラ美術館
昭和8年(1933)に昭和天皇の大礼を記念して開設した美術館。京都画壇をはじめとする近代日本画の名品を多数所蔵し季節毎に楽しめます。新館の「東山キューブ」では現代アートなど幅広いアートの展覧会を開催。和洋折衷の特徴的な建築に加えガラス張りのエントランスも誕生し、建築に興味がある方にも人気です。
【ホテルから徒歩約14分】蹴上インクライン
全長約582mの傾斜鉄道で、疏水上流の蹴上船溜と下流の南禅寺船溜の高低差約36mを結びました。現在は、桜の名所としても有名ですが、新緑や紅葉、雪景色を背景に長い線路と共に撮影すると「映える」人気のスポットに。時間制限が無く自由に散策できます。
リアルなおすすめタイムスケジュール
【1日目】
11:00 JR京都駅着。駅前から京都市バスで移動
11:40 「ホテルオークラ京都 岡崎別邸」着。フロントで荷物を預け、徒歩で「京都市京セラ美術館」へ
12:00 美術館内のカフェで軽くランチ
13:00 アート作品を鑑賞し、ミュージアムショップをチェック
16:00 チェックイン。ロビーラウンジでフリーフローサービスを
17:30 客室でくつろぐ
19:00 レストラン「ヌーヴェル・エポック」でディナータイム
21:30 客室でゆったりとバスタイム。湯上がりはバルコニーで京都のクラフトビールを一杯
23:00 おやすみなさい!
【2日目】
7:00 起床
8:00 宿泊者限定の真宗大谷派岡崎別院で晨朝体験と庭園散策
9:00 レストラン「ヌーヴェル・エポック」で朝食
10:00 客室で荷物を整理し、しばし休息
11:00 荷物を預けてチェックアウト
11:20 「蹴上インクライン」を散策
12:00 「京都市動物園」へ。ビュッフェレストランでランチタイム
13:00 園内の動物たちを観察
15:30 ショップでおみやげを購入
16:30 「ホテルオークラ京都 岡崎別邸」で荷物を受け取り帰路へ
伝統あるホテルオークラならではの、きめ細やかなおもてなしと安心感に包まれるひととき。今のライフスタイルに心地よく溶け込んだモダンな伝統工芸や、オープンなお寺の文化との素敵な出合いが待っています。日常をちょっぴり離れて、京都の奥深い美意識に癒やされる、極上のご褒美旅が体験できます。
■ホテルオークラ京都 岡崎別邸
(ほてるおーくらきょうと おかざきべってい)
住所:京都府京都市左京区岡崎天王町26-6
TEL:075-771-5777
チェックイン:15時~
チェックアウト:~11時
料金:1泊1室2名 4万6000円~
アクセス:JR京都駅前から京都市バス5系統へ乗車約35分、バス停東天王町から徒歩約5分
Text&Photo:松田きこ(ウエストプラン)
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