『京都モダン建築祭』に行こう!『るるぶ 京都 大阪 神戸 レトロ名建築』でも紹介のおすすめ名建築5選
2026年10月31日(土)から11月8日(日)まで開催される「2026年京都モダン建築祭」は、京都の名建築や近代建築を特別公開し、建築の魅力を体感できる注目のイベント。今回は、京都モダン建築祭実行委員長・笠原一人先生監修のガイドブック『るるぶ 京都 大阪 神戸 レトロ名建築』のなかから、建築祭でぜひ訪れたい京都のレトロ名建築5件をご紹介。建築祭の予習にも街歩きのおともにも役立つ一冊とともに、いつもとはひと味違う京都の魅力を発見してみませんか。
「京都モダン建築祭」とは?

近代京都を彩る貴重なモダン建築が約150件参加する、京都における最大規模の建築イベント。普段は立ち入りできない非公開エリアが特別公開されたり、イベント開催に合わせた特別展示が行われたり、専門家のガイドによるツアーで建築を巡ったりと、普段何気なく眺めていた建築を、視点を変えて楽しむチャンス!
「2026年京都モダン建築祭」は、2026年10月31日(土)〜11月8日(日)で開催。チケットは「パスポート方式」を採用しており、見学には建築祭パスポートが必要になります。建築祭パスポートには、限定グッズのプレゼントなどの特典も付いてくるのでお得! 公開している建築物やガイドツアー、特別イベントは、公式サイト(https://kyoto.kenchikusai.jp/)をチェックしてみて。

みどころ満載な「2026年京都モダン建築祭」ですが、数ある参加建築のなかから特におすすめの5つを編集部がピックアップ! 建物の特徴や開催期間中に楽しめる注目ポイントとあわせてご紹介!
【京都市京セラ美術館】現代的にリニューアルされた、昭和初期の帝冠様式建築
京都市京セラ美術館は、昭和8年(1933)に「大礼記念京都美術館」として開館した、現存する日本最古の公立美術館建築。荘厳な洋風の建物に和風の屋根を冠した“帝冠様式”の外観が特徴です。なかでも西エントランス・西広間は、かつてのメインエントランスとして創建当時の姿を今に伝える貴重な空間。重厚な階段や床面のタイル、照明器具など、一部修繕しながらも、多くが当時のまま残されています。
美術館再整備のため、建築家・青木淳と西澤徹夫による大規模改修が行われ、2020年にリニューアルオープン。西エントランスの地下部分を掘り下げてスロープ状の広場とし、エントランス階は「ガラス・リボン」とよばれるガラス張りの開放的な空間に新たなメインエントランスのほか、ミュージアムカフェとショップが新設されました。こうした展示室以外のパブリックスペースには、展覧会の観覧チケットがなくても入場できるので、気軽に見学できるのも魅力!
「2026年京都モダン建築祭」開催期間中の11月7日(土)・8日(日)には、折上格天井をもつ格式高い貴賓室を特別公開しています。機能と格式が調和した空間美を見学しよう!
■特別公開の概要
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
特別公開場所:貴賓室
公開日:2026年11月7日(土)・8日(日)
公開時間:10~17時 ※最終受付は閉館の15分前
予約:事前申込不要(要パスポート)
URL:https://kyoto.kenchikusai.jp/program/S22026-000/
【船岡温泉】絢爛豪華なタイルと欄間彫刻が彩る、入浴できる文化財銭湯
かつて西陣織の産地として栄えた京都・西陣にある船岡温泉。大正12年(1923)、上賀茂で庭石店を営んでいた大野松之助が料理旅館「船岡楼」を創業し、旅館に付属する施設として浴場が造られたことが始まり。昭和22年(1947)に銭湯として営業を始め、現在も現役で営業しています。かつての宿泊客をもてなすための絢爛豪華な内装が見事で、西陣の旦那衆の憩いの場としても賑わったといわれています。2代目・伍一郎の時代には日本初の電気風呂を導入し、4代目・義男が井戸水をくみ上げた打たせ湯を新設、現店主である5代目の松之助さんが洗い場を増築する大改装を行うなど、増改築を繰り返し現在の姿になったとされています。
まるで美術品のような装飾が施された脱衣所や、マジョリカタイルで埋め尽くされた浴室への通路などは、時代とともに変遷してきた銭湯の歴史を物語っていますが、浴場はサウナやジェットバスを備えるなど近代的。平成15年(2003)には、国の有形文化財に登録されました。近年は若い世代やインバウンド客の利用者も多く“入浴できる文化財”として愛され続けています。
「2026年京都モダン建築祭」開催期間中の10月31日(土)には、脱衣所、両浴室(希望者のみ)を公開。男女の浴室を隔てる壁の上には、5代目が設置した瓦があるなど、ユニークな内装は要チェック!
※見学するには、「オンライン整理券」が必要です。公開当日の午前7時から、スマートフォンまたはパソコンで先着順に受け付けを開始します(詳細は「2026年京都モダン建築祭」公式サイトを確認)
■特別公開の概要
住所:京都府京都市北区紫野南舟岡町82-1
特別展示場所:脱衣所、両浴室(希望者のみ)
公開日:2026年10月31日(土)
公開時間:10~14時(最終受付は終了30分前まで)
予約:オンライン整理券が必要(要パスポート)
URL:https://kyoto.kenchikusai.jp/program/S23013-000/
【茂庵】吉田山の山頂にたたずむ、隠れ家のような元茶苑カフェ
茂庵があるのは、京都市街地や大文字山を望む標高約102mの低山、吉田山(神楽岡)の山頂付近。裏千家に入門し、茶道に親しんだ大正時代の実業家・谷川茂次郎が、茶人たちの交流の場として造営されました。緑深い森のなかにある広大な土地に、大正10年(1921)から大正15年(1926)にかけ、茶室の「田舎席」や「静閑亭」、軽食をとる食堂「点心席」、「待合」などが造られ、最盛期には10棟からなる一大茶苑でした。
現在は茶室2棟を含む3棟の建物が現存。最も規模の大きい旧点心席は、眺望のいい2階建ての木造建築。建物の躯体はそのままに、カフェとして営業しています。茂庵は、そこへ至るまでの道のりも魅力的! 岡崎通から坂道や石段を上り、谷川住宅群(谷川が造営した近代和風住宅の借家群)を抜け森のなかに入ると、木々の間に茶室が点在しています。新緑や紅葉など季節ごとの美しさがあり、天気のいい日は周辺を散策しながらハイキングを楽しむのもおすすめ。
「2026年京都モダン建築祭」開催期間中の10月31日(土)・11月1日(日)には、食堂、田舎席、静閑亭(地下・待合含む)を特別公開しています。貴重な茶室群をこの機会に見学してみよう!
■特別公開の概要
住所:京都府京都市左京区吉田神楽岡町8 吉田山山頂
特別公開場所:茶室(春草廬・転合庵・六窓庵・九条館)
公開日時:2026年10月31日(土)・11月1日(日)
公開時間:10~16時 ※最終入場は閉店の30分前
予約:事前申込不要(要パスポート)
URL:https://kyoto.kenchikusai.jp/program/S23045-000/
【ぎおん石 喫茶室】古都の街並みで異彩を放つ、船をイメージした石の建築
八坂神社から歩いてすぐの「ぎおん石」のビルは、四条通でひと際目を引くモダニズム建築。天然石のジュエリーや貴石彫刻などをとり揃える、鉱物と化石を扱う老舗です。設計は京都の建築家・三澤博章、彫刻は野崎一良が担当し、昭和44年(1969)に竣工。当時、二条で石材の卸(ぎおん石の前身)を営んでいた阪下誠一が、自社ビルの設計を三澤に依頼しました。1960〜70年代は、華美な装飾を排したコンクリート造の建築が台頭した時代。流行に逆らうように、「現代の建築空間にもっと“巧みな手”を」との依頼に応え、職人の技術を結集したビルが誕生しました。
建物全体が船をイメージしてデザインされており、2階の喫茶室は板張りの壁やカーブした天井で船内を表現しているそう。店内は四条通の賑わいから隔てられた静謐な空間。隠れ家のような特別な場所で、昭和レトロに浸るティータイムを過ごしてみよう。
「2026年京都モダン建築祭」開催期間中の11月7日(土)・8日(日)には、4階ギャラリーが見学可能。八坂神社のすぐ近くの四条通沿いにあるので、ぜひ立ち寄ってみて!
※見学するには、「オンライン整理券」が必要です。公開当日の午前7時から、スマートフォンまたはパソコンで先着順に受け付けを開始します(詳細は「2026年京都モダン建築祭」公式サイトを確認)。
■特別展示の概要
住所:京都府京都市東山区祇園町南側555
特別展示場所:4階ギャラリー
公開日:2026年11月7日(土)・8日(日)
公開時間:2026年11月7日(土)11~18時、11月8日(日)11~17時(最終受付は終了20分前まで)
予約:オンライン整理券が必要(要パスポート)
URL:https://kyoto.kenchikusai.jp/program/S26027-000/
【CAFE五龍閣】大正ロマン薫る、和洋折衷の邸宅建築
清水寺に続く清水坂の中腹に建つ五龍閣は、大正10年(1921)に竣工。清水焼窯元を国際的な事業に発展させた、実業家の三代目松風嘉定の邸宅として建造されたもので、和館・洋館併設型邸宅の洋館部分に当たります。洋館は来客を迎える迎賓館として造られ、陶芸の名工・野々村仁清らの功績をたたえる東山大茶会の会場としても使われました。
設計は京都帝国大学(現京都大学)建築学科の創設者・武田五一。イギリスなどに留学経験のあった武田は、アール・ヌーヴォーやセセッションなどの新しい建築潮流を取り入れました。特に19世紀末のウィーンで興ったセセッションは、武田が帰国後に追求した建築様式であり、五龍閣は武田が独自のセセッション様式を体現した代表作。外観は縦長窓や出窓などの西洋建築の特徴がみられますが、入母屋や切妻などの和風建築の様式が取り入れられ、独特の折衷様式となっています。現在は歴史建築の魅力を体感できるカフェとして人気!
「2026年京都モダン建築祭」開催期間中の11月8日(日)は、普段はカフェとして利用できる1階広間のほか、通常非公開の2階も見学可能。寺院などで見られる二重折り上げ格天井や格子状の腰壁など、和の要素をモダンにアレンジされた2階の空間は必見です。
■特別公開の概要
住所:京都府京都市東山区清水寺門前2-239
特別公開場所:1・2階
公開日時:2026年11月8日(日)
公開時間:10~17時 ※最終入場は終了の30分前
予約:事前申込不要(要パスポート)
URL:https://kyoto.kenchikusai.jp/program/S24024-000/
最新情報満載!
『るるぶ 京都 大阪 神戸 レトロ名建築』もチェック
「るるぶ」が作った名建築ガイドブック!美術館、博物館、喫茶店から百貨店、図書館や旧邸宅、迎賓館まで、京都・大阪・神戸の3都には特色のあるレトロでかわいい名建築を多数掲載。名前は聞いたことがあるあの有名建築や、歴史的にも価値のある文化財建築など、「見る、食べる、遊ぶ」の「るるぶ」ならではの視点で紹介。
Text:若宮早希
Photo:京都モダン建築祭実行委員会
撮影:マツダナオキ、山田大輔
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●この記事は『るるぶ 京都 大阪 神戸 レトロ名建築』に掲載の記事を元に作成しています。
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