日光山内の茶寮「大光坊」へ。湯波ランチと甘味を楽しむ|栃木
日光東照宮や輪王寺のすぐ近くにひっそりと建っているのが「山内茶寮 大光坊(さんないさりょうたいこうぼう)」です。四季折々に景色を変える庭園を眺めながら、日光ならではの甘味と湯波を楽しめます。日光散策で疲れたらぜひ立ち寄りたい隠れ家のようなお店です。
輪王寺の歴史を受け継ぐ山内茶寮

東照宮や輪王寺が建つ日光山内エリアは御山(おやま)とも呼ばれ、関東随一の聖地として長い歴史を誇っています。日光が勝道上人によって開山されたのは奈良時代の天平7年(735)。山岳信仰の修験場としての歴史を持つ一方、輪王寺は京都の比叡山延暦寺と並ぶ天台宗の拠点として栄えてきました。

輪王寺といってもそれは一つのお寺を指すわけではありません。かつては五十院百坊と呼ばれ、山内エリアには輪王寺を形成する多くの寺院(院)や僧侶の住居(坊)が存在していました。明治時代の廃仏毀釈により、現在は15の寺院のみが残されていますが、大光坊はかつてこの名前の僧坊があった場所に佇んでいます。
僧坊跡の静かな庭園空間

旧坊跡に建つ茶寮大光坊は、旧坊に相応しい木の門をくぐると、そこには落ち着いた和の空間と手入れの行き届いた庭園の景観が広がっています。

お座敷席からは大きなガラス越しに庭園を眺められるようになっており、春の新緑、夏の深い緑、秋の紅葉、冬の静かな雪景色など、季節によって異なる日光の自然を楽しむことができます。

お座敷が苦手な方や外国人の方向けに洋間もあります。

日光の古地図や民藝品で飾られた落ち着いた空間となっており、グループでの利用にも向いています。
日光名物湯波を存分に味わう
大光坊の特徴は、日光の老舗の味を独自にアレンジして提供してくれるところにあります。日光の名物として挙げられるが湯波。ゆばは精進料理として禅僧が中国から京都に持ち込んだものですが、寺社仏閣が多く、水も清らかな日光にはうってつけの食材でした。ともに豆乳の上にできた膜を引き上げることでできますが、製法が少し異なっています。京都のものは一重なのに対し、日光は二重で引き上げるので厚くてモチっとした食感が特徴です。この違いから、京都では「湯葉」、日光では「湯波」と表記されるのが一般的となっています。日光には老舗と呼ばれる湯波店も多いですが、大光坊の「湯波膳」2800円では、揚巻湯波は海老屋長造、生湯波はふじやのものを使い分けて提供しています。お店による湯波の違いをぜひ味わってみてください。
老舗和菓子を使ったオリジナルスイーツ
大光坊は甘味処でもあります。日光は寺社の門前町として栄えてきた歴史から、湯波同様、羊羹や饅頭などの和菓子文化も発展してきました。ここでも使われているのも、そんな老舗の甘味の数々です。水羊羹は三ツ山羊羹本舗、酒饅頭は湯沢屋のもの。大光坊の特徴は、それらを新たな形で楽しませてくれること。
「山内パフェ」は、三ツ山羊羹本舗の水羊羹と湯沢屋のあんこに抹茶プリンとアイスクリームを組み合わせたオリジナルのメニューです。
湯沢屋の酒饅頭をご飯の上にのせてお茶をかけていただく「茶漬文人趣味」は、森鴎外がこよなく愛したという甘味を大光坊流にアレンジしたもの。
老舗の菓子を取り入れながら、独自のスタイルにアレンジして提供するのが大光坊のスイーツの特徴です。
アクセス・基本情報

お店の場所は日光東照宮のすぐ近く。ただし細い路地を入るので、観光客の喧騒が嘘のような静かな立地です。JR日光駅または東武日光駅からバスで神橋バス停で下車し徒歩5分ほど。世界遺産めぐりバスではホテル清晃苑前から徒歩1分ほどとアクセスも抜群。東照宮や輪王寺の散策のあとに一服という利用の仕方もいいかもしれません。もちろん自家用車やレンタカーの場合でも5台分の駐車スペースが用意されています。
庭園を眺めながら、日光の老舗を使ったオリジナル料理や甘味が味わえる大光坊。日光の長い宗教的歴史と文化も一緒に味わえる名店です。

■山内茶寮 大光坊(さんないさりょうたいこうぼう)
住所:栃木県日光市山内2366
電話:0288-25-6560
営業時間:11~17時
定休日:水曜
Text&Photo:松岡宏大
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。




