外観

一度は泊まりたい憧れのクラシックホテル「日光金谷ホテル」で過ごす特別な休日|栃木

クラシックホテル カレー アフタヌーンティー るるぶ情報版(国内)編集部 栃木県 泊まる
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明治時代から歴史を重ねる、栃木県日光市の「日光金谷ホテル(にっこうかなやほてる)」。明治6年(1873)創業の、現存する日本最古のリゾートホテルです。和洋折衷の建築や歴史ある客室に加え、伝統の百年ライスカレーや季節のアフタヌーンティーなども魅力のひとつ。宿泊はもちろん、ランチやティータイムにも利用できる、日光を代表するクラシックホテルをご紹介します。

Summary

150年以上の歴史をもつ、現存する日本最古のクラシックホテル

入口

世界遺産・日光の社寺からほど近い場所にある「日光金谷ホテル」。その歴史は明治6年(1873)、創業者の金谷善一郎が外国人旅行者向けに宿を開いたことから始まります。明治26年(1893)には現在の場所に本館が建てられ、国内外から多くの賓客を迎えてきました。本館の回転扉は昭和初期から使われているもの。建物の入り口から、長い歴史を感じられます。

フロント

回転扉を抜けた先にあるフロントも、クラシックホテルらしい佇まい。重厚な木製のカウンターに石張りの壁、アンティーク調の照明などが調和し、落ち着いた雰囲気をつくり出しています。

ロビー

ロビーには鮮やかな赤い絨毯が敷かれ、重厚な革張りのソファが並びます。木の梁や柱にも歴史が感じられ、大きな窓からは庭園の緑が望めます。昔から使われている調度品と自然の景色が調和しています。

和洋折衷の意匠が残る館内を歩く

内観

館内で注目したいのが、3階へと続く階段。赤い絨毯に白い手すり、和の意匠を取り入れた装飾が組み合わされた、珍しい和洋折衷の造りです。本館では昭和11年(1936)、上階を付け足すのではなく、地面を掘り下げるという大がかりな改装が行われました。そのため、現在の2階にあたる部屋はかつては地面から続く1階だったそうです。建物の外側に残る石垣からは、当時の地面の高さを知ることもできます。

彫刻

館内には、日光らしい木彫りの装飾も随所に見られます。梁の下に設けられた彫刻は、細部まで丁寧に彫り込まれています。洋風の空間に日本の伝統的な意匠が取り入れられているのも、このホテルの特徴です。

眠り猫

さらに、日光東照宮の彫刻を思わせる「眠り猫」にも注目。こちらは大正時代に日光在住の彫刻家が手がけたもので、花々に囲まれて眠る猫の姿が表現されています。館内を歩きながら、いろいろな装飾を探してみるのも楽しいです。

小食堂

かつて食堂として使われていた「小食堂」も、ホテルの歴史を伝える空間です。天井には動植物などを描いた色鮮やかな絵が広がります。もともと白い漆喰仕上げだった天井に絵が施されたのは、戦後のこと。一方、床は明治時代から残るものです。室内には、かつてバーとして使われていたカウンターも残されています。現在は披露宴会場などとして使用されており、ホテルの歩みがうかがえます。

ヘレン・ケラーも宿泊した別館と歴史ある客室

別館

本館に隣接する別館は、昭和10年(1935)に建てられた和風建築。日本の伝統的な屋根の意匠を取り入れた重厚な外観が特徴で、国の登録有形文化財にも指定されています。かつてヘレン・ケラーや昭和天皇も宿泊したことで知られています。

105号室

ヘレン・ケラーが宿泊した105号室は、「別館コーナー」にあたる客室。部屋番号は当時のままとのこと。部屋に入ってまず目を引くのが二方向に設けられた大きな窓。日光の風景を切り取った一幅の絵のような壮観さに圧倒されます。窓ガラスや木製のサッシも建築当初から受け継がれているものだそうです。

別館スイート

別館2階と3階にある「別館スイート」は、ゆとりある広さが特徴。格子状の木の天井や吊り下げ照明が落ち着いた雰囲気をつくりだしています。こちらにも大きな窓から風景が眺められ、ソファや椅子でゆっくりと過ごすことができます。

別館デラックス

「別館デラックス」は、木の質感を生かした内装が印象的な客室。ツインベッドのほか、窓際には椅子とテーブルが置かれています。

浴室

また、別館では2023年に建物のリニューアルとともに水回りの改修も行われました。客室に残る歴史的なしつらえを大切にしながら、設備の快適性はアップデートされています。

大正時代の味を再現した名物「百年ライスカレー」

メインダイニングルーム

食事をするなら、ホテルの「メインダイニングルーム」へ。太い柱や白いテーブルクロスが印象的な、クラシカルな空間です。足元に広がる木の床は昔から使われているもので、今も丁寧に磨き上げられています。

百年ライスカレー

ここで味わえる名物が、大正時代のメニューをもとに再現した「百年ライスカレー」です。特徴は、ココナッツミルクや蜂蜜を使った甘みと、スパイスの風味のバランス。当時の日本では珍しかったココナッツミルクが、味に奥行きを加えています。さらに、仔牛のだしを使ったフォン・ド・ヴォーや、じっくり炒めたタマネギも使用。美しい黄色が、昔ながらのカレーを思わせます。

当時のレシピにはスパイスの詳しい分量が残っておらず、料理長たちが試行錯誤を重ねて味を再現したそうです。ビーフカレーの肉は、口の中でほろりとほどける軟らかさ。まろやかな甘みのあとにスパイスが香ります。カレーはビーフのほか、チキンや鴨なども用意。近年には「海老フライカレー」といった新たなラインナップも登場しています。宿泊しなくてもランチ利用ができ、予約なしでも入れますが、公式サイトや電話からの事前予約がおすすめです。

金谷 時のプリン

食後には「金谷 時のプリン」もおすすめ。明治・昭和・平成、それぞれの時代の製法を取り入れた3種類を食べ比べできます。時代によって固さや食感が異なり、どのプリンがどの時代のものかは食べ終わるまでわからない仕かけになっています。下に敷かれた紙をめくると答え合わせができるので、味や口当たりの違いを確かめながら楽しめます。

季節のメニューを味わうアフタヌーンティー

アフタヌーンティー

メインダイニングルームでは、アフタヌーンティーも提供しています。3段のスタンドには、季節の食材を取り入れたスイーツやセイボリーが並びます。メニューは約3カ月ごとに変わり、取材時の秋のメニューにはサツマイモなどが使われていました。軽食も充実し、ランチを兼ねても十分なほどのボリュームです。

アフタヌーンティー

なかでも目を引くのが、ほうじ茶のブランマンジェ(左奥)。添えられたスポイトには黒蜜が入っており、好みの量をかけていただきます。味の変化を自分で調整できる、ひと工夫のあるメニューです。季節の食材を取り入れた盛り付けにも注目してみてください。

スコーン

金谷ホテルオリジナルのスコーンは、中がしっとりとした食感で、そのままでもおいしい一品です。プレートにはこのほか、ホテル名物の「百年カレー」を使ったカレーパイや、塩パンのサンドイッチも並び、甘いスイーツとのバランスも考えられています。スコーンに添えられるクロテッドクリームにも、ホテルのこだわりが。使用しているのは、イギリスの5つ星ホテルでも採用されている「ロダス」のもの。濃厚でコクがありながら、後味はすっきり。たっぷり付けて味わいたくなるおいしさです。

紅茶はドイツから取り寄せた茶葉を使用し、アールグレイやイングリッシュブレックファーストなどが揃います。斜めに傾いた形のティーポットも、テーブルで目を引くアイテムです。紅茶はおかわり自由なので、スイーツに合わせて異なるフレーバーを試せます。アフタヌーンティーはメインダイニングルーム限定で、2日前までの予約制(公式サイト・電話などから)。季節によって内容が変わるため、事前にメニューを確認しておきましょう。

暖炉のあるバーで過ごす夜

バー

夜にはホテルのバーも利用できます。ほのかな明かりが灯る店内には、ソファや暖炉が置かれ、落ち着いた雰囲気。冬には実際に暖炉に火が入り、ゆっくりお酒を楽しめます。

バー

カクテルには、季節ごとのオリジナルメニューや、歴代バーテンダーが考案したものが揃います。日光の名所「神橋(しんきょう)」をイメージしたカクテルなど、地域にちなんだ一杯も。ホテルオリジナルのウイスキーやジンは、酒造元に依頼して樽を確保するなど、独自に用意。水と氷は地下から汲み上げた日光の天然水を使用しています。バーは宿泊客の利用が中心ですが、宿泊していなくても入店できます。

アクセス・基本情報

外観

日光金谷ホテルは、明治時代から受け継がれてきた建築や伝統の料理を、宿泊や食事を通じて体験できる場所です。日光東照宮や神橋に近い高台にあり、JR日光駅・東武日光駅からバスで約5分、神橋バス停から徒歩約3分。バス停からは上り坂になるため、荷物が多い場合は駅からタクシーで向かうとよいでしょう。

■日光金谷ホテル(にっこうかなやほてる)
住所:栃木県日光市上鉢石町1300
TEL:0288-54-0001
チェックイン:15時/チェックアウト:11時
料金:本館1泊2食付
●別館デラックス 平日:4万9150円~/休前日:5万3550円~
●スタンダードタイプ 平日:3万3200円~/休前日:3万5950円~
(いずれもレギュラーシーズンで2名1室利用時の1名あたりの料金)

Text:川野大介 Photo:竹内浩務

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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