【日光】華厳滝へ!日本三名瀑の大迫力を間近で体感する絶景スポット|栃木
修学旅行で訪れた記憶がある人も多いかもしれない、日光の「華厳滝(けごんのたき)」。友達と集合写真を撮り、案内に従って次の見学先へ――当時はそんな慌ただしい時間だったという人もいるでしょう。大人になって改めて向き合うと、落ちる水の勢いはもちろん、切り立った岩壁の形や滝つぼに立ち上る水しぶきまで、以前とは違って見えてきます。奥日光を代表する絶景を、観瀑台ごとの見え方や季節の違いとともにご紹介します。
「華厳滝」とは?|日本三名瀑に数えられる名瀑

華厳滝は、栃木県日光市の奥日光エリアにある、高さ約97m、幅約7mの滝です。中禅寺湖から流れ出した水が、切り立った岩壁をほぼ一気に落下します。和歌山県の那智滝、茨城県の袋田滝と並ぶ「日本三名瀑」のひとつで、落差の大きさだけでなく、滝を囲む険しい岩肌や渓谷の見事な景観でも知られています。
その成り立ちは、中禅寺湖が生まれたことと深く関係しています。約1万5000年前、男体山の火山活動で流れ出した溶岩が川をせき止め、中禅寺湖が形成されました。湖の水が大谷川(だいやがわ)へと流れ出す地点にあるのが華厳滝です。主瀑のまわりには、岩壁から細く流れ落ちる「十二滝」も見えます。さらに観瀑台の右手には、岩が多角形の柱を並べたように割れる「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」もあります。水が落ちる姿とともに、長い時間をかけてつくられた岩の造形にも注目してみてください。
日光開山の勝道上人が発見したと伝えられ、「華厳」という名の由来は仏教経典の『華厳経』にちなむ説などがあります。昭和6年(1931)には国の名勝にも指定されました。
エレベーターで地下100mの観瀑台へ

滝の迫力を真正面から感じたいなら、「華厳滝エレベーター」を利用するのがおすすめです。和風の屋根を備えた乗り場で切符を買い、改札口へ向かうと係員が切符にはさみを入れてくれます。昔の鉄道駅を思わせるそのひと手間は、ちょっとした昭和レトロ体験です。

エレベーターが開業したのは昭和5年(1930)と古く、当時から多くの観光客を運んでい ました。エレベーターは岩盤の中を約 100m、約1分で下ります。現在は3代目だそうですが、内部には初代から受け継いだエンブレムが残されています。観光客を滝つぼ近くまで運ぶために、90年以上前からこれほど大がかりな設備が造られていたことにも驚かされます。

エレベーターを降りても、まだ滝は見えません。待っているのは、ひんやりとした半円形の地下通路と階段です。壁がしっとりと濡れ、地上とは明らかに空気が違います。公式案内によると、通路は真夏でも約15℃。

そこからさらに階段を下っていくと、滝を真正面に見る観瀑台に出ます。そこでは約97mの落差を流れ落ちる水、滝つぼから上がる水しぶき、重なるように迫る岩壁がひとつの景色になります。上下の観瀑スペースからの見え方の違いも確かめてみてください。
無料観瀑台と有料観瀑台、見え方の違いを比べよう
華厳滝には、エレベーターを使わずに眺められる地上の「無料観瀑台」もあります。こちらは滝を高い位置から見下ろすような視点で、周囲の地形や渓谷の奥行きがよくわかります。ただし、時期によっては視界に枝葉が重なり、滝全体が見づらいこともあります。
有料のエレベーターで下りた先の観瀑台は、滝と正面から向き合えるのが大きな違いです。主瀑の落ちる先や岩壁の細部まで見やすく、轟音や水しぶきの迫力もあります。無料観瀑台で全体の地形を眺め、それから有料観瀑台で水の勢いを体感する。続けて訪れると、同じ滝とは思えないほど景色の印象が変わるはずです。

見学の前後には、施設まわりの昭和レトロな雰囲気にも目を向けてみてください。エレベーターの近くに、観光地らしい記念ピンバッジの販売機や記念コインづくりの設備があり、懐かしいおみやげ売り場の空気が残っています。周辺の売店では、五平餅、ゆばコロッケ、ゆばチーズ、玉こんにゃくなどの軽食もあります。冷たい地下通路を歩いたあとは、温かいすいとんでひと息つくのもいいでしょう。
紅葉、新緑、氷瀑。四季でも風景が変わる!

華厳滝は季節を変えて訪ねると、その景色ががらりと変わります。5月ごろは新緑が岩肌を縁取り、白い水流とのコントラストが鮮やかです。夏は深い緑が広がり、滝つぼからの水しぶきも涼しげです。秋には赤や黄色に染まった木々が加わり、いろは坂や中禅寺湖と組み合わせた奥日光ドライブのみどころになります。

1~2月の厳冬期には、主瀑のまわりを流れる十二滝が凍り、青白い氷の景観が現れることがあります。冬の「氷瀑」といっても、約97mの主瀑が毎年すべて凍りつくというわけではありません。水が流れ続ける中心部と、氷に覆われた周囲の対比が冬ならではの表情です。
華厳滝の水の勢いは、季節や日によっても変化します。白い水流が滝つぼへ勢いよく落ちていますが、その水量は単純に前日の雨量だけで決まるわけではありません。

華厳滝の上流にある中禅寺湖では、中禅寺ダムによって水位や放流量が管理されています。洪水を防ぐことや、下流の川に必要な水を確保することに加え、華厳滝の落水量を保つことも管理上の重要な役割となっているとのこと。そのため、湖の水位や雨の状況、放流量の調整などによって、滝の流れ方が変わる場合があります。
栃木県の公式サイトでは、現在の華厳滝の落水量の目安を公開しています。訪れる前に確認しておくと、その日に見られる滝の姿を想像する手がかりになりそうです。
混雑する時間帯は?おすすめの訪問タイミング

比較的ゆっくり見たいなら、エレベーターの営業開始に合わせた朝の見学がおすすめ。平日の午前中も候補になります。ただし、朝なら必ず空いているわけではなく、団体客の見学や天候によって混雑具合は変わります。
特に注意したいのは、紅葉シーズンの奥日光へ向かう道の混雑です。いろは坂は10月中旬~11月上旬を中心に、土・日曜、祝日の9~15時ごろに渋滞しやすくなるといいます。通常だと20分程度の道のりが2~3時間、またはそれ以上の時間がかかることもあります。車の場合はできるだけ早めにいろは坂を上り、当日の道路状況を確認しておきましょう。
華厳滝へのアクセス・料金・所要時間まとめ
●公共交通機関の場合
JR日光駅・東武日光駅から中禅寺温泉方面行きの東武バスに乗り、約50分で中禅寺温泉下車。そこから徒歩約5分で華厳滝エレベーターの乗り場に到着します。
●車の場合
日光宇都宮道路清滝ICからいろは坂を経由して向かいます。近くには有料の県営華厳第一・第二駐車場があり、いずれもエレベーター乗り場まで徒歩2~3分ほど。混雑時には駐車場が空いていないこともあるので、待つことも覚悟しましょう。
見学に必要な時間は、エレベーターの往復と有料観瀑台での鑑賞で30~45分ほどが目安です。無料観瀑台やおみやげ売り場、軽食まで回るなら、もう少し余裕を取っておくとよいでしょう。
修学旅行では、集合写真を撮っただけで通り過ぎてしまったかもしれない華厳滝。今度は急がず、滝つぼに砕ける水の音や岩肌の細かな形まで見学してみてはいかがでしょうか。大人になった今なら、記憶の中の名所が、少し違う風景として心に残るかもしれません。
Text:川野大介 Photo:阿部栄一郎
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。




