夏の京デートで行きたい!昭和レトロな建築で“川床”を満喫
京都の中心部を流れる鴨川といえば、夏の風物詩として有名な“川床”。鴨川の河原に腰掛けを並べ、夕涼みを楽しんでいたことが始まりで、その歴史は豊臣秀吉の時代にまで遡るとも!?今回は100軒近くある川床のなかでも、巨大な楼閣でひときわ目をひく「鶴清(つるせ)」をご紹介。夜の幻想的な明かりと200席!という川床の活気は、眺めているだけでもうっとりしてしまいます。
五条大橋から見える巨大な楼閣
最寄り駅は京阪電車の清水五条駅。すぐそばには鴨川が流れ、牛若丸と弁慶が出会ったという逸話が残されている「五条大橋」が架かります。
橋を渡っていると目に飛び込んでくる立派な和風の楼閣。巨大な瓦屋根を載せた木造3階建ての堂々とした建物が「鶴清」です。
お店の正面に回ると、日本建築の独特な重厚感に圧倒されてしまいます。建物は、昭和7年の創業時に宮大工によって建てられたもの。和傘や反橋の欄干の朱色がいいアクセント!
料理旅館として創業された「鶴清」は、宿泊もできます。お部屋は純日本的ですが、床の間の感じがモダン。料理のみでの客室利用もOKです。
広さは京都イチ!景色もぜいたくな納涼床
外がだんだん暗くなり、川床に明かりが灯され、雰囲気が良くなってきました。200人収容できるという、京都で一番大きな川床です!観光客が多いのかと思いきや、地元の方たちもいて、わいわいがやがやと賑やか。眼下には鴨川が流れ、川の向こうには東山が望めます。
ハモを堪能!爽やかな「すずみ料理」に舌鼓
今回紹介するのは、夜の川床料理(9品)8500円。まずは食前酒をいただき、清涼感のある器遣いが素敵な八寸から。
さつまいもにはほんのりとレモンで香り付けがされていて、鯛の練り物の上にケシの実を散らした松風は風味豊か。緑色の梅のゼリーは口に広がる梅の香りが絶妙!
続いては、ハモと旬の魚のお造り。店主自らが市場に出向いて吟味した鮮魚を使っています。
京都の夏といえば、やっぱりハモですよね!丁寧に骨切りされた肉厚な身は、梅肉のさっぱり感とあいまってたまらないおいしさです。
お吸い物の主役もハモ。葛でコーティングされ、うまみが閉じ込められています。このあとは、素麺や鮎の焼き物などが登場しますが、続きはぜひお店でお楽しみください!
鴨川と東山、京都の町並みの暮れゆく景色を眺めながら、「すずみ料理」に舌鼓。ちょっとハードルが高いイメージですが、一度は体験してみる価値ありです。夏のデートにもおすすめですよ。
【夏の鴨川床の期間】
皐月床:5月1日~31日(昼・夜開設)
納涼床:6月1日~8月31日(夜のみ開設)
なごりの床:9月1日~30日(昼・夜開設)
text:コタニタコ
photo:小川康貴
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