磨かれたしつらいともてなし。お茶屋ゆかりのカフェで味わう優美な祇園
京都は祇園・花見小路から一本西へ。落ち着きのある静かな小路にたたずむ「万治カフェ」は、界隈で有名なお茶屋のご親戚筋の店。風格ある商家をリノベーションした空間は、内装や坪庭、調度品などすべてが美しく、大人としての感性を磨くのにぴったり。お手製スイーツや宇治抹茶、コーヒーへのこだわりも一流です。
石畳の小路にたたずむ、上質な大人のためのカフェ
昔ながらの京町家や、芸舞妓さんがおもてなしをする「お茶屋」が立ち並ぶ祇園南エリア。白のれんに「つなぎ団子」の花街提灯が映えるこちらが、2017年11月にオープンした「万治カフェ」です。
お店を営むのは、祇園の格式高いお茶屋とゆかりが深い商家のご主人。「万じさん」とよばれ、祇園町で広く愛された先代の生家を、居心地の良さをそのままにリノベーション。靴を脱いで上がると、美しい坪庭に面した寛ぎの空間が広がります。
爽やかな初夏の青もみじを見られるのは、窓際の特等席!こだわりのスイーツとドリンクを味わいながら、五感全体で贅沢なひとときを過ごすことができます。
写真は「お茶のブラウニーとコーヒーのセット」。コーヒー豆はオリジナルブレンドのほか、ナチュラル精製というラオス産の希少なものも!細部まで一流のこだわりが息づきます。
器づかいや、洗練された調度品にうっとり
コロンとまあるい形が愛らしい「まんまるショート」は、人気の定番メニューのひとつ。ふわふわの生地の中に、いちごと小豆・求肥入り。シュンシュンと沸き立つ茶釜の湯で点てる、まろやかな宇治抹茶との相性も抜群です。
代々伝わるという骨董や、現代作家のお盆との取り合わせも清々しく、上質な器づかいのセンスも、ぜひお手本にしたいもの。
店内の調度品には、先代が愛したという竹編みのぼんぼりも。丁寧な職人仕事で細い竹ひごが編み込まれており、ほれぼれするほどの細やかさです。
“祇園メイド”の逸品をおもたせに
カフェの隣にはギフトショップも併設されており、ショップだけの利用もOK。
話題の一品は、「KYOTO GION COOKIES」。ゆずサブレ、大徳寺納豆とオレンジのビスコッティなど、和の風味を利かせた6種の焼菓子をギュッと詰め込んだ缶クッキーです。縁起ものの千鳥、花街の提灯をかたどったクッキーも楽しいアクセント。
花街の真ん中で、ゆるりと過ごすティータイム。運が良ければ、昼間は踊りや三味線のお稽古へ、夕方はお座敷へと向かう舞妓さんに出会うことができるかも!?
text:ヤマグチノリコ
photo:マツダナオキ
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