畳の上でゆっくり選ぼう。素敵な洋書に出合える京都の古書店

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伝統とモダンが融合する街、京都。祇園四条駅と東山三条駅の間あたりにひっそりとたたずむ古書店「Books & Things(ブックス アンド シングス)」があります。京町家を生かした店内には、玄関で靴を脱いで上がります。店主の審美眼で選ばれた洋書や写真集は、一冊一冊見ごたえのあるものばかり。店主との会話を楽しみながら、とっておきの本を探してみませんか?

Summary

京都の骨董通りにふっと現れる、不思議な古書店

観光客で賑わう京都・祇園に、古美術商が立ち並ぶエリアがあります。京都の喧騒をひと時忘れられる、落ち着いた雰囲気の場所に、さりげなく置かれている「Books & Things」の看板。この路地の先に何があるのでしょうか…?

ワクワクしながら路地を進むと、奥に正方形の小さなネオンサインが現れます。ここが「Books & Things」の入口。町家が連なる路地の雰囲気はそのままにどこかモダンな印象で、まるで異空間のようなたたずまいです。

格子からはあたたかな灯りが漏れ、なかの様子が少し窺えます。ドアの横のチャイムを鳴らし、お店に入りましょう。

町屋をそのまま利用した古書店。畳の上でじっくり本選び

「Books & Things」の特徴は、もともと住居として使用されていた京都の町家をそのまま生かしていること。畳敷きの店内へは、玄関で履物を脱いで上がります。

「町家という空間を特別に意識しているわけではないんです」とあくまでも気取らない店主は、京都市内でも比較的落ち着いたこの立地に惹かれ、お店を構えたそうです。

玄関左は展示スペース。陽光が漏れる2畳ほどの小さな部屋で、写真や古書をじっくり眺めてみましょう。写真の額装はすべて特注で、フレームのデザインや色、厚さなど細部までこだわって仕立てられています。

古書は西洋のものがほとんどですが、一部日本のものもラインアップ。内容が魅力的なのはもちろん、置いているだけでも絵になる本がずらり。

宝探し気分でお気に入りの一冊を見つけ出そう

店主がひとつひとつ選んだ、珍しい写真集やアートブックが多数。直接海外へ赴いて買い求めたものが多く、日本では流通していない本も数多くあります。以前はファッション関係の仕事に就いていたという店主のセンスがキラリ。

気になる本を見つけたら、木製のシンプルな椅子に座り、じっくり手に取って選びましょう。

とはいえ、洋書に馴染みがないと選び方がわからないもの。そんな時には、店主に相談するのがいちばんです。

「これはおすすめですね」と紹介していただいたのは、チェコ・スロバキアの写真家、ヨゼフ・スデクの写真集(2万5920円)。店主の説明を聞きながら改めて写真集を見てみると、不思議なことにひと味違って見えてきますね。

希少な本を求めて、県外や海外からも訪れる人が多い「Books & Things」。じっくり時間をかけて選んだ一冊は、きっと心を豊かにしてくれるはずです。

text:木村桂子

●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際には事前にご確認ください。

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