仙台の愛されスイーツの決定版!グリーンがかわいい、村上屋餅店の「づんだ餅」
仙台を代表するおやつといえば、「ずんだ餅」。「ずんだ」「づんだ」と表記は店ごとに異なりますが、明治時代創業の村上屋餅店では「づんだ」と書くのが伝統だそう。せっかくなら、歴史を受け継ぐ老舗の味を楽しみたいもの。杜の都で長年愛される、とっておきの「づんだ餅」をご紹介します。
「づんだ」の文字に込められた店の歴史
村上屋餅店は明治10年(1877)創業で、初代は仙台藩伊達家の御用菓子司を務めていたそう。現在は4代目・村上康雄さんが味を受け継いでいます。
藩政時代から食べられていた「づんだ餅」を村上屋餅店の先代のご主人が大正時代に初めて商品化したといいます。以来、仙台の老舗餅店では「づんだ」と書くのが伝統だとか。
店ののれんにも大きく書かれている「づんだ餅」632円が一番人気の看板メニュー。親子二代、三代で通う人も多く、時代を超えて愛されている味なのです。
老舗の職人技が随所に光る王道の「づんだ餅」
「づんだ」とは、すりつぶした枝豆を砂糖や塩で味付けした宮城の郷土料理。語源は、豆を打つ「豆打(づだ)」がなまった説など諸説あるようです。
村上屋餅店のづんだ餡は、とにかくクリーミー。枝豆の薄皮を丁寧に取り除き、枝豆のつぶつぶ感をほどよく残しているのがポイントです。枝豆の風味を生かすため、甘さは控えめにしているのだとか。
宮城県産もち米「みやこがね」を使った餅は、やわらかいながらも、しっかりとしたコシ。熟練の技によって、きめ細やかで絶妙な歯ごたえの餅に仕上げています。この餅にづんだ餡がたっぷりとかかると、なんともいえない豊かな旨みと食感になるのです。
づんだ餅はイートインもOK。作りたての味を楽しみたければ、店内で味わうのがおすすめです。
づんだの葛餅、大福、かき氷もはずせない
づんだ餅のほかにもづんだを使ったお菓子があります。葛餅でづんだ餡を包んだ「笹のしづく(づんだ茶豆)」は、上品な見た目で手みやげにも喜ばれる一品。葛餅に合わせて作ったづんだ餡を使っていて、づんだ餅とはひと味違った風味を楽しめます。
「づんだ大福」や夏期限定のかき氷「づんだミルク」なども人気。づんだ三昧のおやつなんていうのも仙台ならではですね。
づんだ以外の味も食べたい…という人には、イートイン限定メニューの「三色餅」691円がおすすめ。ごま餡、づんだ餡、くるみ餡の3種類を楽しめるので、欲張りさんにぴったりです。
いずれも、老舗ならではの職人技が光る逸品揃い。ひと口味わえば、長く愛されている理由がわかるはずです。
text:木下かほ
photo:桂嶋啓子
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