猫だらけの世界!横浜「大佛次郎記念館」は猫好きさん必訪
横浜・山手の「港の見える丘公園」にあるレンガのレトロな洋館。一見、一般人が近付いてよいものか迷うような重厚さです。ここは『鞍馬天狗』や『赤穂浪士』などで知られる横浜ゆかりの作家・大佛次郎(おさらぎじろう)氏の記念館。彼は常に10匹以上の猫を飼い、生涯500 匹以上の猫と暮らしたほどの愛猫家だったそう。館内には大佛氏が収集した猫コレクションがずらり。猫好きにはたまらない空間をご紹介します!
こちらにも!あちらにも!記念館は猫づくし
無類の猫好きだったという大佛氏のこの記念館には、猫にまつわる愛蔵品がいっぱい。まさに「猫づくし」なんです。収集された猫グッズは、色も形も多様。ブロンズやガラス製、陶磁器や木で作られたもの、人形や玩具などバラエティ豊かです。
こちらは記念館入口に鎮座する「エジプト猫」と呼ばれている猫。ルーブル美術館に所蔵されている古代エジプトの美術品「雌ネコ」のレプリカなんだとか。記念館に到着して最初にお目にかかる猫ちゃんです。
記念館では、大佛氏の著作物や直筆原稿のほか、古今東西の書籍や雑誌・SPレコード・日本画・洋画などの美術品が合計約7万点収蔵されています。その中で猫にまつわるものは、常時300点ほど館内に展示されるそうです。
作品の横に猫の置き物がさりげなく置かれていたり、直筆原稿の文鎮をよく見るとここにも猫がいたり。見逃してしまいそうな展示ケースの中も猫でいっぱいです。
展示の入れ替えに合わせて猫たちも変わるそうなので、訪れるたび違う猫に出合えそうですね。隈なくチェックしてみてください。
こちらは、館内に入るとまず私たちを出迎えてくれる大きな「エジプト猫」。座っている台座は…、ギリシャから取り寄せた大理石なんですって。
猫だらけのオシャレな書斎に注目
大佛氏の寝室兼書斎を再現した「記念室」。部屋の中をよく見てください。猫の置き物や絵画にも猫・猫・猫。常に20匹ほどいるのだとか。
原稿を執筆する大切な書斎には“猫は入れない!”とルールを作った大佛氏ですが、執筆で疲れた心を和ませるために猫の置き物を手元に置いていたそうですよ。
イスの上で眠る九谷焼の猫や中々お目にかかれない外国製の猫など、コレクションが至る所に。
大佛夫人直伝のチーズケーキがおいしすぎる!
濃厚なクリームチーズと少し酸味のあるサワークリームで作る看板メニューのチーズケーキは、焼いているのにものすごく食感がレアなんです。生地のグラハムクラッカーとの相性も抜群。大佛夫人のオリジナルレシピで今も作られているのだとか。
記念館に併設する「ティールーム霧笛」は、“ここに訪れた人たちがゆっくりできるように”との大佛夫人の熱い思いから、記念館の開館と同時にオープンしたそうです。
窓の外に広がる港の見える丘公園の庭園をじっと見ていると、ふらりとのら猫が横切ることも。
エッセイ『ホテルの猫』の中で、「来世は猫だ。」と語るほど猫が大好きだった大佛氏。カメラがとても高価な時代に、高級カメラのライカで自宅の愛猫をたくさん撮影していたそうです。そんな人となりやライフスタイルも垣間見える記念館で、ぜひ写真を撮りながら作品や猫コレクションを楽しんでみてください。
◼︎ティールーム霧笛
TEL:045-622-3781
営業時間:10時30分~17時30分LO
定休日:月曜(祝日の場合は翌平日)※大佛次郎記念館の休館日に同じ
text:清沢奈央
photo:櫻井めぐみ
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