ロマンチックなアンティークの音色。六甲山オルゴールデートはいかが?
大阪や神戸からすぐにもかかわらず、自然が広がる六甲山。六甲ケーブル六甲山上駅からバスで5分のところにある「六甲オルゴールミュージアム」は、観光やデートに人気のスポット。アンティークオルゴールや、おもに19世紀後半から20世紀初頭にかけて欧米で愛された自動演奏楽器が展示されています。オルガン、バイオリン、ドラムなどが、緻密に計算された機械仕掛けで奏でるメロディーは美しく、遠い異国を思わせてくれます。
世界最大級のダンス・オルガンの迫力ある演奏に感激
オルゴールの音色を楽しめる2階のコンサート展示室では、毎時0分からレギュラーコンサート、30分から特集コンサートと2種類のコンサートを行っています。誰もが知っている曲のほかに、誰も知らないような古い曲を演奏することもあります。特集コンサートは季節ごとにテーマが変わるのも楽しみです。
コンサート展示室の正面奥に鎮座するのが、1938年、ベルギーで作られたデカップ・ダンス・オルガン「ケンぺナー」(自動演奏オルガン)。
「ケンぺナー」は、ダンスホールで楽団の代わりに大活躍していたそうです。演奏が始まるとボディに赤青黄色のネオンが灯って、一気に華やかな雰囲気に。
アコーディオンやオルガン、打楽器が自動で演奏します。迫力ある音と正確なメロディーは、まるで生バンドが目の前にいるよう。これが機械仕掛けの自動演奏だなんて、驚きです。
あまり知られていませんが、3階にあるロフト展示室奥のバルコニーは特等席。2人でソファーに座って、階下のホールで繰り広げられる魅惑的なコンサートを楽しめます。
ウィーンのカフェタイムを体験
コンサートホールの向かいには、音楽の都オーストリア・ウィーンスタイルの「シュトラウス・カフェ」があります。
オーストリアで「ヤウゼ」とよばれる午後のコーヒータイム。コーヒーとスイ-ツ、そして会話を楽しむ習慣です。カップルで別々のものを注文して、シェアするのもいいですね。
「六甲山ミルクロール」は、六甲山麓の牛乳をすっきりしたクリームに仕上げたロールケーキです。
ドリンクはホイップクリームがたっぷりのったアインシュペンナー。日本ではウインナーコーヒーとよばれています。コーヒーの香りとホイップのまろやかさが感じられるドリンクです。
神戸で栽培されているワイン用のぶどう「カベルネ・ソーヴィニヨン」を搾ったジュースは、甘味と酸味がほどよい美味しさ。「カフェアマレット」は、カプチーノにアマレットリキュールを加えた香り高いコーヒーにホイップクリームをのせたもの。ウィーンらしい大人の味です。
壁のリースもエレガントなヨーロッパの雰囲気。ムード満点の店内も素敵ですが、気候が良い時季はテラス席でコンサートの感想を語り合うのもいいですね。
風と音を楽しむミュージアムガーデン
ミュージアムの周りは、六甲山に自生する約300種類もの植物が見られるイングリッシュガーデン。
また、六甲山頂は霧が多く出るスポット。霧に浮かぶ池は、まるでモネの「睡蓮」のようなんです。
池の周りは「音の散策路」と名付けられたお散歩コース。風が木々をゆらす音や、野鳥のさえずりが響きわたって、自然の音の心地良さを体感できます。
木立のなかにあるかわいらしい鳥の巣箱も実はオルゴール。紐を引くと澄んだメロディーが流れてきます。
池のほとりのベンチに座っておしゃべりも。自然に囲まれた清々しい空気のなかで、まったりするのも気持ちよさそうですね。
オルゴールの繊細なメロディーと自動演奏楽器などの迫力ある音楽、思いがけない音の饗宴が楽しめるデートスポットです。
text:松田きこ
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