ひんやり&ふるふる。新感覚和スイーツ「かざり羹」で夏のティータイム
“俵型のみたらし団子”で、京都で古くから愛され続けてきた老舗茶屋「梅園」。近年は、若き3代目が手がけるカフェが注目を集めています。そのひとつが西陣の「うめぞの茶房」。あんやわらび粉で仕立てた見目麗しい「かざり羹(かん)」が名物で、ひんやりなめらかな口当たりは夏のデザートにもぴったりです!
可憐でフォトジェニックな「かざり羹」に胸キュン
こちらが、うめぞの茶房のスペシャリテ「かざり羹」。老舗甘味処「梅園」の3代目 西川葵さんが考案した、新感覚の和スイーツです。和菓子でおなじみの寒天やわらび粉であんを流し固め、季節のフルーツやスパイスなど洋の素材でおめかし。愛らしいビジュアルにもうっとりです。
写真の「紅茶」は、アールグレイの茶葉の香りを利かせた白あんがベース。ひと口いただくと、ひんやりみずみずしい「あん」が舌の上にやさしく広がり、ふるふると心地よい口当たり。トッピングのぶどう、バラの花びらの香りと相まって最高のハーモニーを奏でます。
左下のまるいかざり羹は、初夏限定の「よもぎ」380円。よもぎを練りこんだ白あんの土台を、きなこやフランボワーズ、夏みかんで飾り付け。爽やかなよもぎと甘酸っぱいベリーや柑橘が好相性です。
ほかにも、ほうじ茶やライムの香りを利かせた「レモン」、金柑や一味唐辛子がアクセントになった「カカオ」なども。どれもあっと驚く素材の組み合わせが新鮮。
ドリンクは、京都・寺町の老舗茶店「柳桜園」のほうじ茶、室町から続く宇治の茶園「堀井七茗園」の煎茶や抹茶、奈良・月ヶ瀬の和紅茶などが揃います。季節のフルーツを添えた煎茶も美味です。
新旧の文化が混ざり合う西陣で、憩いのひとときを
「うめぞの茶房」がある西陣は、「大徳寺」や「金閣寺」に近く、古い京町家が残る風情満点のエリア。お店の白いのれんも清々しく映えます。
通りには、モダンな唐紙雑貨の店や、レトロな銭湯をリノベーションしたカフェもあり、界隈の散策も楽しみのひとつ。
1階は注文をするカウンター。レトロなショーケースに、かざり羹たちがそっと並べられています。
2階は、広々とした茶房スペース。天窓からやわらかな光が降り注ぐ、静かで明るい空間です。使い込まれた木の家具たちもやさしくなじみ、時間の流れが不思議とゆっくり感じられるよう…。
おもたせもOK。かわいい包み紙にもときめきます
かざり羹はテイクアウトもOK。梅をモチーフにしたかわいい包み紙やショップカードは、京都・鳥取をベースに活躍するイラストレーター西淑さんが手がけているそうです。
茶房で使用する茶器や、かざり羹を乗せる台鉢は、若手のうつわ作家が手がけたもの。一部は購入も可能です。どれもシンプルながらやさしく手になじみ、お茶の時間をより豊かにしてくれます。
美しいお菓子とうつわとともに、ゆるりと午後のティータイムを過ごしてみてください。
Text:ヤマグチノリコ
Photo:マツダナオキ
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