「池尻大橋コーヒータウン」の発端となった店の“ミステリアスなコーヒー”が気になる
目黒川近くに構えるコーヒースタンド「GOOD PEOPLE & GOOD COFFEE(グッド ピープル アンド グッド コーヒー)」。ここは池尻大橋が「コーヒータウン」となるきっかけにもなったお店です。魅力あふれる店主・岡本トモシさんを訪ね、その人柄に触れてきました。
人と人をつなぐ街のコミュニケーションスポット
池尻大橋駅から徒歩3分のマンション1階。コーヒーを買っては、店主・岡本トモシさんと会話をする人が印象的な「グッド ピープル アンド グッド コーヒー」。
「街のコネクトハブ、人をつなぐ結束地点をつくりたい」と思ったことがお店誕生のきっかけ。人が会話を始めるには、些細でもいい何らかのきっかけが必要と考えたトモシさん。そのためのアイテムとして自身の好きなコーヒーを選びました。
2016年に、街の活性化、コミュニケーションを深めるため、近隣のコーヒーショップの協力を得て「池尻大橋コーヒータウン」というイベントを開催。じわじわと池尻大橋にあるコーヒー店の魅力が広がりました。
店内には「話のネタ」になるユニークな仕掛けがたくさんあります。実際に遊べる、レトロなゲーム機は多くの人が興味を持つそう。
お店の一角には、自作の本棚が設置され、店主が読み終えた本がずらり。背表紙には、懐かしい番号シールが貼ってあったり、最終ページに「貸し出しカード」のポケットがついていたりと、まるで街の図書館のような細かい遊び心もユニークです。「カフェに立ち寄るついでに、お客さんが本も借りてくれて、またそれを返しに来る…みたいな動きが生まれたら、それは面白いなと思って」と、トモシさん。また、お店の前に出している看板には何も書かれていません。これも興味を持ってもらうための工夫のひとつ。情報が溢れる現代、すべて説明するのではなく、あえてお店の本質を感じられる“材料”のようなものを置いて、お客さん自身で考えたり推測することで、お店の意図を見つけてもらいたいとの発想から生まれたそうです。
イメージをもとに焙煎士と一緒に探る理想のブレンド
豆のこだわりもユニークなトモシさん。高品質であることを前提に、焙煎士には「こういった場面でこんな気分で飲みたい」とイメージを伝えるのだそうです。その後、お互いに提案を繰り返しながら焙煎士と一緒にコーヒーを作り上げます。「いかに自分のイメージをおもしろく、上手に伝えられるか。コミュニケーションをもとに理想の味を追求しています」
オススメの「アイスロングブラック」は380円。「ブラック=濃くて苦い」の概念を覆すほど、うまみと香りが前に出た風味豊かな一杯です。淹れたときにできる表面の泡がシュワッと口に触れ、まろやかなコクとなって広がります。
さらに、トモシさんが出してくれたのが「C.S.C(500円)」。メニューにもいっさいの説明がない「ミステリアスなドリンク」だそう。飲むと、コーヒーとマッチしているかも分からないほど、これまで味わったことのない不思議な風味…。「正体はお店で試してください」とのことです。ぜひ注文してくださいね。
縁から生まれる数々のオリジナルグッズ
さまざまな人が集まるゆえ、可能性も広がる「グッド ピープル アンド グッド コーヒー」。店内は、つながりから生まれたTシャツやバッジ、マグカップなどオリジナルグッズに溢れています。
この日、「新作」としてトモシさんが着ていたTシャツに刻まれた「PEOPLING」の文字。人との繋がりが広がり続ける「PEOPLE(人)」の現在進行形が、店のコンセプトそのもののようです。SNSなどインターネット上のつながりだけではなく、肌の温度を感じられるコミュニケーションを大切にしたいと話すトモシさん。初めて訪れても、温かく迎えてくれますよ!
GOOD PEOPLE & GOOD COFFEE(グッド ピープル アンド グッド コーヒー)
住所:東京都目黒区東山3-4-11サンライズ東山1階
TEL:03-5725-1303
営業時間:9〜18時(土・日曜、祝日は10時30分〜)
定休日:月曜
Text: さとうよしみ
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
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