栗嫌いのシェフが作った伝説のモンブラン。インパクトもおいしさもサプライズ級
文京区千石の「トレカルム」は、白山通りから一歩入った商店街で営業中のパティスリー。このお店の看板メニューが「モンブラン」(518円)です。栗の苦手なオーナーシェフが、自分でも食べられるものをというコンセプトで作り上げたモンブランは、初めて来店したお客さんの9割が買って帰るという大人気商品。インパクトもオリジナリティーも他店の追随を許さない、独創的すぎるモンブランを味わってきました。
落ち着いた雰囲気の商店街に合わせて、控えめトーンで営業中
オーナーシェフの木村さんは実家だった金物屋を改装し、フランス語で「穏やか」を意味する「トレカルム」を店名に付けて、2014年にパティスリーをオープン。店名には、派手すぎず、地道に、地域に密着しながら、多くの人においしいケーキを食べてもらいたいという願いが込められています。
実は木村さん、バレンタインデーやクリスマスなどには、大手デパートの催事にも出店するほどの腕前。ケーキのおいしさは折り紙付きです。遠方からこのお店のケーキを目当てにやってくるお客さんも少なくなく、客層は地域の方と、他所からの方が半分ずつだそう。
独特の形が大人気!栗が主張しない新感覚のモンブラン
そんな木村さんがお店のアイコンとなるべき商品として考え出したのが「モンブラン」。もともと栗が苦手だった木村さんが、自分でも食べられるようにと、栗の主張は抑え気味。栗は主役ではなく、全体のまとめ役のようなイメージです。
秋の風情をイメージさせる特徴的な飾りは、コーヒーとクルミのパウダーと卵白を7~10時間かけて焼いたメレンゲ。従来のモンブランでは土台に使われていた部分ですが、木村さんはそれを飾りとして使いました。
気になるお味ですが、飾りのメレンゲの食感はシャリシャリしていて、黒糖が入っているのかと思うほど甘くて香ばしい!中に入っているカシスのムースが、栗の風味と合わさり、従来のモンブランにはない味わいを表現しています。
さらに、生地やクリームにコニャックとクルミリキュール、カシスリキュールを使用してあるので、大人のぜいたくさも感じられる風味を実現。さまざまな食感が楽しめる上に、甘すぎることもなく、ペロリといけちゃいます!
しっかり甘くて嬉しいお店の人気No.2と、No.3のケーキ
次にいただいたのは、人気ナンバー2の「ミルフォイユ」(540円)。バターの風味がしっかりきいたパリパリ触感のパイ生地に、バニラビーンズの入った甘くてコクのあるカスタードクリームがよく合います。「モンブラン」と一緒に買って帰るお客さんがほとんどで、口コミで人気が広がっていったケーキなのだとか。
濃厚だけど、癖がなく、優しい甘さなので、毎日のおやつにもおすすめ。気になる食べ方は、一度横に倒すのがおすすめ。生地がそれほど散らばらず、きれいに食べることができます。
人気ナンバー3は、ピスタチオを使った「ピスターシュ アプリコ」(626円)。スメラルド種と呼ばれる高品質のピスタチオとアプリコットを使ったタルトです。クリームにはバタークリームとカスタードクリームを合わせたものを使用。
ひと口食べてみると、ピスタチオの独特な風味とアプリコットの濃厚なクリームが調和し、甘さと香ばしさを一度に感じられる味わい。下のパイ生地はあっさり目で、サクサク感とクリームのふわふわ感に、なんだか楽しささえ感じます!
ケーキ以外にもパンやクッキーなどの焼き菓子も豊富に取り揃えられており、贈り物やちょっとした手土産にもおすすめ。持ち帰りだけでなく、店内でも食べられるのも嬉しいですね。
オーナーシェフの木村さんが作り上げるスイーツは、どれも優しい味わい。まずは、“お店の味”ともいえる看板メニューの「モンブラン」から味わってみることをおすすめします!
Text:高橋淳子
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