フォトジェニックな沖縄の古民家で、とっておきの”やちむん”と出会う
沖縄県南部に位置する南城市。緑豊かな小さな町に、センスの良い器を制作している工房、「陶房眞喜屋(まきや)」があります。工房に隣接するギャラリーは、畑が広がるのどかな風景に解け込んだ、小さな古民家。ギャラリーには、スタイリッシュでありながらも、どこか土の優しさを感じさせる器が並びます。
のどかな畑が広がる田舎町に、沖縄の古民家を活用した工房&ギャラリー
恵み豊かな太陽の日を浴びて、草花が青々と茂った先に見えるのは、小さな古民家のギャラリー。
庭先からギャラリーに入ると、まずはシーサーがお出迎え。一方は口を閉じ、一方は口を開けた二頭で一対のシーサーは、家に入る悪いものを退散させ、福を逃げないようにするという、守り神です。
8畳ほどのギャラリーには、普段づかいにぴったりのカップやマカイ(茶碗)、そして平皿などがずらり。紺の釉薬(ゆうやく)で描かれた菊紋や、可愛らしい水玉模様など、どれを食卓に加えようかと目移りしてしまいます。
普段づかいはもちろん、ちょっとしたパーティにも活躍する器
こちらは新作のお椀。蕎麦やうどんなどの汁物を入れるのにちょうどよいサイズ。どっしりとした高台で、安定感があり、ひと際しっかりとした存在感を放ちます。各3240円〜。
「やちむん」と呼ばれる沖縄の器は、沖縄独特の赤土で作られています。もちろん「陶房眞喜屋」の器も同様。
包容力のあるカーブを描いたこちらの平皿は、輪郭にだけ化粧と紋様を施し、中心は赤土の表情を生かすことで、スタイリッシュな中に優しさを感じさせます。サラダやパスタを載せるのにちょうど良いサイズ。各5400円〜。
こちらも同じように赤土の風合いを残しつつ化粧を施したデザイン。右から左へと沖縄のゆったりとした波を思わせるような美しいフォルムです。
パーティーの席でフィンガーフードを並べたり、刺身皿として使用するなど、和洋選ばず活躍してくれそう。1万2960円〜。
蕎麦汁や和え物を入れるのにちょうど良い器や、お豆や小花のような可愛らしいフォルムの箸置きなど、ちょっとしたおみやげとして手軽に購入できる器も揃っています。
ひとつひとつ違う表情を持つ器との出会いを楽しむ
大人っぽさと可愛らしさを備えた器を制作しているのは、眞喜屋修さん。沖縄を代表する窯元、大嶺實清氏が率いる大嶺工房に7年師事した後、2013年に独立して、こののどかな土地に工房を構えました。
器づくりに携わって約27年、沖縄らしい力強さと大らかさを備えつつ、日々の暮らしにさらりと溶け込む器を制作しています。
機械で大量生産された器と違い、ひとつひとつ丁寧に作られた器は、基本の形や紋様があったとしても、それぞれに違った表情があります。
気に入った形、それぞれに違った紋様の中から、お気に入りを見つけ出すのも楽しいものです。
空の青と木々の緑のコントラストが美しい、豊かな自然に囲まれた工房で、和にも洋にも馴染む包容力にあふれた器が、またひとつ生まれています。
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photo:松崎紀子
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