【北海道】「ニッカウヰスキー余市蒸溜所」で、世界が認めるウイスキー製造を見学!
札幌から車で1時間ほどの余市町は、積丹半島の付け根に位置する漁業や果樹栽培が盛んな町。 その町の中心部に「ニッカウヰスキー余市蒸溜所」はあります。 ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝氏は日本人で初めてスコットランドでウイスキーの製造技術を学んだ人物で、その生涯はNHK連続テレビ小説『マッサン』のモデルにもなりました。 そんな彼が日本でウイスキーを造るにあたって、スコットランドの気候・風土に近い土地を探したすえ見つけたのが余市町。 今、世界的に高い評価を受けるジャパニーズウイスキーの原点がココにあります! そんな蒸溜所の、みどころ満載の工場見学から2021年10月にリニューアルしたミュージアムまで、おすすめポイントをご紹介します。
無料ガイドツアーで知る奥深いウイスキーの世界
「ニッカウヰスキー余市蒸溜所」があるのは、JR余市駅から徒歩3分ほどの街の中心部。駅前通りをまっすぐ歩いていくと、石造りの立派な正門が見えてきます。昭和9年(1934)に建造されたこの蒸溜所では今もウイスキーが造られており、製造工程を見学することができます。※工場施設の見学は2022年11月現在、予約制のガイドツアーのみ
正門をくぐってまず見えてくるのが、蒸溜所のシンボル・赤い三角屋根(パゴダ屋根)の乾燥塔。ここはピート(草炭)で発芽した大麦をいぶしながら乾燥させ、ウイスキーのもととなる大麦麦芽(モルト)を作る場所。ウイスキー特有のスモーキーな香りはこの工程でつけられます。
では、工程順に施設を見ていきましょう。ここはウイスキーの原料となる大麦麦芽を粉砕し、温水とともにかくはんして甘い麦汁(糖化液)をつくる粉砕・糖化棟(右)と、糖化液を醗酵させてもろみをつくる醗酵棟(左)。できあがったもろみは、地下のパイプを通って蒸溜棟の蒸溜器(ポットスチル)へと送られます。
こちらがもろみを加熱してアルコール分を抽出する蒸溜棟で、並んでいる釜がポットスチルです。余市蒸溜所の一番の特徴は、世界でも唯一という「石炭直火焚き蒸溜」。温度調整は難しいのですが、直火を使い800〜1200℃で蒸溜することで、香ばしく力強い味わいのウイスキーができるのだそう。
ポットスチルにしめ縄が巻いてあるのは、政孝の実家の造り酒屋にならい「良いウイスキーができるよう」と願いを込めたものです。タイミングが良ければ、炉に石炭をくべる様子を見ることもできますよ!
自由見学ゾーンもみどころがたくさん!
「ニッカウヰスキー余市蒸溜所」には、見学コースに参加しなくても、自由に入れる場所もあります。2021年10月にリニューアルした「ニッカミュージアム」は、ウイスキーの味を決めるブレンダーに注目した「ブレンダーズ・ラボ」や、ニッカを代表する竹鶴やブラックニッカの歴史などを知ることができる「ストーリー・オブ・ニッカウヰスキー」などみどころが満載。
有料試飲コーナーの「テイスティング・バー」では30種類以上の試飲メニューがあり、一杯100円から味わえます。「ブラックニッカスペシャル」や「フロム・ザ・バレル」など普段目にする機会の多い銘柄から、余市蒸溜所や宮城峡蒸溜所の限定シングルモルトもあり、ファンにはたまりません!
なかでも、ここでしか試飲できない「シングルカスク余市 10年」1杯1000円はブレンドをせず、ひとつの樽のウイスキーのみを詰めた特別な1本。樽ごとに味や度数が変わり、これを味わうために道外から足を運ぶ人もいるのだそう!樽の個性が際立つ力強く重厚な香りと味わいは、ぜひとも試してほしい一杯です。
お土産にココだけの限定品をゲット!
注目は余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所だけで販売する「ブレンデッドウイスキー」各500ml3050円や、ニッカ弘前工場で造られる「シングルアップルブランデー弘前12年」500ml6300円。なかでも「ブレンデッドウイスキー」は1人1本限定の大人気商品となっています。
そのほか、竹鶴のミニチュアボトルがついたハイボール用のステンレスタンブラーやボトルを抱いたクマの木彫り人形など、普段使いにぴったりなアイテムや北海道らしいおみやげも見逃せません。
ウイスキー造りの工程やニッカウヰスキーの歴史を知ることができる余市蒸溜所。ウイスキー好きはもちろんですが、ウイスキーについて詳しくないという人でも、充分に楽しめる施設です。
■ニッカウヰスキー北海道工場 余市蒸溜所(にっかういすきーほっかいどうこうじょう よいちじょうりゅうしょ)
住所:北海道余市郡余市町黒川町7-6
TEL:0135-23-3131
営業時間:9時~16時30分(ガイド付き見学の最終出発は15時)
定休日:無休
料金:見学無料、ニッカミュージアムは有料試飲コーナーあり(100円~)
text:加藤太一(亜璃西社)
photo:亀畑清隆
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