伝統工芸をモダンにアレンジ。日常に馴染むオリジナル商品がいっぱい
栃木の伝統工芸の新しい魅力を発信するアンテナショップのようなお店が「Nippon de Irimachi(ニッポン ド イリマチ)」です。地元ではなじみのある日光下駄や黒羽藍染、鹿沼箒(かぬまほうき)などが、ほかでは見たことのないワクワクするようなデザインに変身しています。
改めて見直したい栃木の伝統工芸や手仕事をセレクト
ぱっと目を引く下駄は、日光で古くから伝わる日光下駄。社寺を詣でるときに使用されていた草履と雪深いエリアを歩きやすいように下駄を合わせたもので、現在も二荒山神社の弥生祭では日光下駄を履くことが決められています。
こちらの下駄は草履の部分がふかふかで、実はとても快適な履き心地!この日光下駄のよさを伝えていこうと、鼻緒や台座をオーダーで1万5000円~作ってくれます。
シックなデザインがすてきなコースターや髪ゴムは、黒羽藍染のもの。栃木県大田原市で、江戸時代から受け継がれてきた伝統技法で、天然の染料を使い藍色でさまざまな模様が作られます。暖簾や半纏などが主流ですが、ここに並ぶのは、スニーカーやコースター、Tシャツなど普段の生活に取り入れやすいものが並んでいます。
かわらしい小さな馬の置物は、鹿沼市に伝わる鹿沼箒の切れ端を使って作られたきびがら細工1個1200円~。年末が近づくと、翌年の干支が並ぶそうです。
スタイリッシュな空間に新しい発見がいっぱい
「栃木の伝統工芸をもっと知ってもらって、日常で使ってもらうことで広めていきたい」と、栃木県出身の吉田公美さんが2015年にオープン。昔ながらの建物が残る日光田母澤御用邸の周辺の懐かしい街並みに溶け込むように立っています。
店内はシックで洗練された空間で、商品を組み合わせたディスプレイもおしゃれ!
ファブリックを絵画のように見せるアイデアも参考になりそう
日光東照宮の徳川家康などにちなんで、お殿様をイメージした殿シリーズなど、地元の作家さんが作ったハンドメイドの作品もあります。店主の吉田さん曰く、「伝統工芸だけでなく、栃木県でモノづくりをがんばっている人も紹介していきたいですね」。
お買い物しながら、抹茶でひと息も
2018年から茶の湯の体験1000円もスタート。盆略手前で点てた抹茶をいただくこともできるので、ちょっとしたひと休みにもおすすめです(現在お休み中。2018年10月より月2回再開予定)。
伝統芸能が日常に取り入れやすい形になった数々のおみやげたち。日光を訪れたなら、ぜひ足を運んでお気に入りの伝統工芸を見つけてみてください。
◼︎Nippon de Irimachi
住所:栃木県日光市安川町8-9
TEL:0288-25-7718
営業時間:11~16時
定休日:不定休
text:井島加恵(mii)
photo:ミヤジシンゴ
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