銀座で“最もコーヒーの旨い店”と呼ばれたカフェが復活!
約100年前、1920年当時にカフェ文化の中心地である銀座において「最もコーヒーの旨い店」と称さされていた「カフェ・ユーロップ」。当時の文化人や著名人が足しげく通う高級店であり、話題の店として数々の文献にも登場しました。数々の逸話を残し、伝説となっていたお店が時を経て、「GINZA SIX(ギンザ シックス)」に復活。銀座らしく、随所にこだわりがあふれています。
“最もコーヒーの旨い店”と評されたコーヒーとは?
コーヒーを復活させようとしたのはバウムクーヘンが有名な「ユーハイム」。レシピなどの資料を探したのですが、100年前のことなので記録がほとんど残っていなかったそう。そのため、お店の看板となる最も重要なコーヒーは、世界一とも言われるコーヒーハンター、José. 川島 良彰氏が監修しています。
コンセプトは「お菓子にあうコーヒー」。3種類の豆をブレンドし、浅煎りながらもコクとしっかりとしたボディを持った味わいが魅力。浅煎りにすることで豆のもつ華やかな風味がより一層感じられ、後味はすっきりという理想のコーヒーが完成しました。
3通りで楽しむ、味わい豊かなコーヒーゼリー
こちらでぜひ味わいたいのが、3通りの味を楽しめる「銀座珈琲ゼリー」。無糖のコーヒーゼリーは、まずはそのまま食べて「カフェ・ユーロップブレンド」の味と香りを、次に上に添えられたクリームをつけてマイルドな味わいを、最後にパネラというコクのあるコロンビア産の黒糖を加えてスイーツとしての味を堪能しましょう。パネラを加えることでシャリシャリし、食感の変化も楽しめます。
銀ぶらの後はクラシックな装いの店内でひと休み
日本と西洋の文化が融合するハイカラな街として栄え、同時にカフェ文化の中心地でもあった「銀座」。店内の装飾や照明などは、当時のモダンな雰囲気を再現しています。
当時の「カフェ・ユーロップ」には、ユーハイムの創業者であるカール・ユーハイム氏も働いていました。日本で長く生活していましたが、ライフスタイルは欧風だったそう。そんな氏が好んだのが、ドミグラスソースがベースのカレー。氏が愛した味を再現したカレーパイが味わえるのはココだけです。
コーヒーゼリーやカレーパイもお持ち帰りできますが、もうひとつ、おすすめしたいのがバウムクーヘン。生地と生地をコーティングするチョコレートに、ユーロップブレンドのコーヒー豆を細かく砕いたものを入れており、豆の食感と香りをダイレクトに味わえる“究極の”コーヒーバウムクーヘンに仕上がっています。
古き良き時代の香りが残る「カフェ・ユーロップ」でコーヒー文化に親しみ、豊かな味わいと香りに癒されて。
text:宮田麻衣子
photo:松岡誠
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