ずっと大切にしたい1枚が見つかる!京町家に並ぶ器たちに会いに
昔ながらの八百屋や精肉店など、地元の人たちの生活を支えるお店に、観光客も多く訪れるオシャレな飲食店がほどよく入り混じる「京都三条会商店街」。アーケード内の公園を目印に道を曲がると、住宅地に紛れるように作家ものの食器やカトラリーが並ぶ「器や彩々」があります。
作家さんに直接会って、話して、使ってみて、選ばれた器たち
格子窓から見える、ガラスの器の涼しさに惹かれて店内へ。「豆しぼり」とよばれる柄が入ったガラスの器は、静岡県の吹きガラス工房 「floresta fabrica(フロレスタ ファブリカ)」の鈴木努さんの手によるものです。
同じ柄、同じ形でもベースのガラスの色は茶色がかっていたり、グリーンがかっていたりして、微妙なニュアンスの違いが楽しめます。
器の入門編として人気の豆皿。こちらは直径5cmほどのとても小さな豆皿で、ひと口サイズのお菓子を置いたり、箸置きにしてもよさそう。
版画のようなモチーフが特徴的な、滋賀県の陶芸家・矢島操さんの赤花柄の半磁器のお皿もあります。
シンプルで使い勝手がよさそうなこちらのお皿は、千葉県の作家・大野七実さんの作品。製作される器はすべて異なる色で、“世界にひとつしかない色”を表現しているそう。自分の好みにぴったり合う色のお皿を見つけたら、連れて帰りたくなってしまいますね。
器に合わせて使いたい、センスのよいカトラリーも扱っています。毎日の食事で手にする小さな脇役たち。食卓にかわいらしいニュアンスを添えてくれそうです。
京町家にすっと溶け込む調度品
店内に一歩足を踏み入れた時から時間の流れがゆっくりと変わったような気がするのは、歴史を重ねてきた古民家と、店主のお眼鏡にかなった調度品が心地よく調和しているせいかも。
こちらの磁器製ペンダントライトからは「掻き出し」という手法で描かれた柄から優しい光がこぼれます。
ゆったりと静かな時間を過ごせる店奥のカフェ
店の奥には坪庭があり、坪庭に面した場所には8席だけのカフェスペースがあります。提供されるのはドリンクだけですが、販売されている器の実際の使用感を確かめることもできます。
カフェに吊るされたペンダントライトのガラスの傘も、作家さんの作品。
朝食のテーブルコーディネートの例をご紹介
商店街で買ったパン(人気の「バタバタ」さんのもの)と、同じく商店街の八百屋さんの野菜を使った盛り付け例を教えていただきました。取材日は蒸し暑い真夏日。ガラスの器が涼しげで、野菜のみずみずしさをひきたててくれるテーブルコーディネートです。
ひとつずつにアイデアと手仕事の温もりが感じられる作家ものの器は、見ているだけでも気持ちが和みます。日常使いに手頃な価格のもの、割れにくい性質のものなど、それぞれに特長があるので、好みに合ったものを見つけてください。ちょっと寄り道をして、器との出会いを楽しんでみませんか。
Text:小西尋子
photo:オカモトアユミ
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