食・グルメ
2018.09.01
「世界で最も美味しい食べもの「ルンダン」とは？アジア料理専門店「馬来風光美食」で本場の味に感動！
アメリカのニュースチャンネルCNNが2017年に発表した「世界で最も美味しい食べものTOP50」で1位に輝いた、東南アジアの煮込み料理「ルンダン」をご存知ですか？甘い香りのココナッツをふんだんに使ったその味は、一度食べると虜になってしまうとか。そんな絶品料理を求めて向かったのは、食通が通い詰めるというマレーシア料理店「馬来風光美食（まらいふうこうびしょく）」です！
Summary
世界で最も美味しい食べもの：「ルンダン」とは？
「ルンダン」とは、牛肉などの肉をココナッツミルクやたっぷりのスパイスで煮込んだもの。西スマトラ州パダン発祥の、インドネシアの郷土料理です。おもてなしの時に食べられる料理で、クリーミーなビーフシチューのような見た目です。
現地人シェフが1人で切り盛りする、中国系マレーシア料理専門店
食通から人気を集めているマレーシア料理店「馬来風光美食」があるのは、荻窪駅から徒歩5分ほどの場所。雑居ビルの地下へ向かう階段をのぞくと見える、マレーシアの国旗が目印です。
お店を1人で切り盛りするのは、オーナーシェフのエレンさん。マレーシアの美食の都・イポー出身の華僑（海外に移住した中国人）で、日本人の旦那さまとの結婚を期に来日。2000年に荻窪でお店を開き、現地マレーシアで料理人をしているお母さまから受け継いだ自慢の料理を作っています。
そのおいしさが口コミで広がって、「マレーシアのおいしい家庭料理」というレシピ本を出版したり、テレビや雑誌に出演したりと各方面からひっぱりだこ！
ココナッツがたっぷり！甘くてコクがあるスパイス煮込み「ルンダン」
今回のお目当て、「ルンダン」。牛肉や羊肉で作ることもありますが、今回エレンさんに作ってもらった「チキン・ルンダン」（小600円、大1200円）は、鶏肉を使った煮汁が多めのタイプです。
味の決め手になっているのはココナッツ。珍しいのは甘い香りのココナッツオイル、クリーミーでコクがあるココナッツミルク、ココナッツの実を削ったもの（ココナッツロング）など、いろんな形状のココナッツを使っているんです。タマリンドという梅干しのような甘酸っぱい調味料も重要な隠し味なんだそう。
いざ実食！ココナッツのシャリシャリした不思議な食感のあと、まろやかな甘みとコクが口に広がったかと思うやいなや、キリリッとしたシャープな辛さが畳みかけます。レモングラスやライムリーフ、カルダモンなど爽やかなハーブがアクセントになり、飽きさせないおいしさ。今まで食べたエスニックカレーとは全然違います！
予約時にお願いしておけば、牛肉や羊肉を使ったニュアンスの違う「ルンダン」も作ってくれます。食べ比べても楽しいですね！
日本人の口によく合う！中国しょうゆを使った華僑の料理もぜひ試して
ほかにもこのお店でぜひ食べたいのが、看板メニューの「肉骨茶（バクテー）」（小900円、大1800円）。骨付き豚肉を20種類もの漢方で煮込んだ、香り豊かな華僑の薬膳スープです。油揚げ、えのき、レタス、椎茸などがたっぷり入って具だくさん！
豚肉からいい出汁が出ているから、味付けは中国しょうゆと塩のみでさっぱりと。初めて食べるのにどこか懐かしく、クセになるおいしさです。お好みで、濃厚な中国しょうゆとにんにく、唐辛子を混ぜた特製のたれをかけていただきます。
もう1つのおすすめが「ペーパーチキン」（1個500円）。現地では専門店があるほどポピュラーな華僑の料理です。鶏肉を中国しょうゆ、オイスターソース、タマリンド、にんにく、しょうがなどに一晩漬け込み、ペーパーで包んで油でじっくり揚げています。
パサつきがちな胸肉が、驚くほどやわらかくてジューシー！甘辛い味なので紹興酒やごはんがすすみます。
エレンさんは「もっと日本の人にマレーシア料理を知ってほしい！」という想いで、ルンダンやバクテー、マレーシアの焼きそばなど、家庭で気軽に味わえるレトルト商品の監修もしています。
店内は4名テーブル2つとカウンター5席のみで、家族連れや1人客が入れ替わりやってきます。食べたい料理は前もって予約のときに伝えるのがベスト。知る人ぞ知るマレーシアのおいしい料理の数々、ぜひ食べに行ってみてください！
Text：松本いく子
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