気分はイタリア一周旅行!20種類を全部制覇したくなる生パスタ
パスタ好きなら絶対行くべき!と称賛の声が高い、三軒茶屋のイタリアン「ペペロッソ」。北から南へと伸びるイタリア全土のパスタを、すべて手作りしているんです。その数なんと約20種類。フレッシュな打ち立てパスタのおいしさを、確かめてきました!
Summary
パスタ好きは必見!イタリア全土の郷土料理が楽しめるイタリアン
三軒茶屋駅から徒歩5分ほどの場所にある老舗イタリアン「ペペロッソ」。2015年に今井和正シェフが就任して、店名はそのままに、イタリアの郷土色を強く出したお店にリニューアルしました。
「日本であまり知られていない、すべてのイタリア郷土料理を余すことなく伝えたい!」と常々考えていた今井シェフ。南北に長い国土をもつイタリアは、地域によって気候や地形が違い、その個性はパスタによく表れている。そこでお店の看板メニューとして、イタリア全土の手打ちパスタを出すことになったのです。
さっそく見せてもらったのは、生パスタのサンプルです!普段食べているのはスパゲッティやペンネくらいで、こんなにも色や形が異なるパスタがあるなんてビックリ…。当初は15種類だったそうですが、どんどん増えて常時20種類に。多いときには30種類を出したこともあるそうで、今井シェフの頭には相当ディープなパスタの世界が広がっています。
メニューを開いて見てみると、パスタの名前はイタリア語なうえに、種類が多すぎて選べません…。そんなときは素直にスタッフさんを頼るのがいちばん。ほかの店ではなかなか出会えないパスタをおすすめしてもらいました!
甘いシナモンバターで食べる、餃子みたいな形の「チャルソンス」
今井シェフが「きっと想像できない変化球の味わいです」と意味ありげにほほ笑むのが、餃子みたいな形の「チャルソンス」。北イタリアの山間部、フリウリ地方のパスタです。生地にマッシュポテトを包んだラビオリの一種なんだそう。
そのチャルソンスをグラッパやカカオを効かせた、シナモンバターのソースで仕上げた一品が「チャルソンス ディ パターテ」(1380円)。トッピングに深い香りのブラウンシュガー、ナッツ、チーズ、ミントをちらします。
食べてみると、もちもちのパスタに砂糖のジャリジャリ食感やシナモンとナッツの風味がまとわりついて、初体験の甘じょっぱさ…。すぐに誰かに教えたくなる不思議なおいしさです!
まんまるでかわいい!つるつるムチムチ食感が絶品の「コルツェッティ」
こちらはワッペンのような形をした「コルツェティ」。イタリア北西部の漁師町、リグーリア州の伝統的なパスタです。平たく伸ばした生地を丸くくり抜いてから、スタンプみたいな木型に挟んで模様を入れるのが特徴。こちらの木型は今井シェフがわざわざ現地の型職人さんにお願いして、店名を入れてもらったオリジナルだそう!
仕上げてもらったのは「コルツェッティ スーゴ ディ メランザーネ」(1680円)。メランザーネとはイタリア語でなすのこと。皮ごと真っ黒になるまで焼いたなすをペースト状にしたソースでパスタをあえて、羊の白カビチーズとハーブをちらしています。
平べったいので口につるっと滑り込み、いつまでも噛み締めていたくなるむにむにした食感。ぶ厚いワンタンみたいで、ものすごくおいしいです!
全粒粉やチアシードを練り込んだ、日本生まれの“未来型パスタ”
最後に変わり種として紹介してくれたのが、日本生まれの「ベースパスタ」(1380円)。今井シェフが開発に協力した、1食に必要な栄養素31種を含んだ“未来型パスタ”なんだとか。シンプルなチーズソースでいただきます。
粗びきそばのような黒い粒は、なんと女子が大好きなスーパーフード“チアシード”。ほかにも小麦胚芽、ビール酵母など、健康に嬉しい素材がしっかり入っています。むちむち食感を楽しみつつ噛みしめるにつれ、独特の香りが鼻に抜けてクセになるおいしさ!
「ペペロッソ」のパスタはどれもソースがとってもシンプルでした。今井シェフに理由を聞いてみると「パスタのおいしさを楽しむためのソースだから」。なるほど、パスタそのものの個性が際立っているからこそなんですね。イタリア料理の奥深さにハマりそうです!
スタッフさんはパスタが生まれたその土地の特性や文化も詳しく教えてくれるので、おいしいパスタを楽しみながら、イタリアを旅行している気分になれますよ。ぜひ行ってみてくださいね!
Text:松本いく子
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