京都「伏見酒蔵小路」17蔵のお酒をリーズナブルに利き酒体験
京都市伏見区の中書島界隈は、昔から良質の地下水が豊富に湧き出ることから酒蔵が立ち並ぶ、京都きっての酒どころ。そんな伏見にある「伏水酒蔵小路」は、地元の17の酒蔵のお酒と京都の人気店の屋台が楽しめるグルメスポットです。
2つの通りを通り抜けられる「伏水酒蔵小路」
酒どころ、伏見の17酒蔵のお酒が集まる「伏水酒蔵小路」は、その名前のとおり2つの通りの間の小路のようになっています。こちらは、大手筋商店街側の北入口。南の納屋町商店街側にも入口があります。
入口横に並ぶ、各酒蔵の酒樽も必見です。
建物に一歩入れば、和食、ラーメン、炭火焼、寿司など、ひとつの空間に個性あふれるお店が立ち並びます。まるで屋台街のよう。
建物内の細い通路の左側は、30席ほどの宴会席。ここではライブイベントなども行われます。
奥に見えるのは、赤い鳥居。建物の裏にある神社にあやかって小さな社があったり、宴会席の椅子が酒樽になっていたりと、遊び心にあふれています。
どの味が好み?伏見の17の酒蔵の味を利き酒
いちばんのお目当ては、伏見の17の酒蔵の、100の銘柄のお酒が揃う酒蔵カウンター。新酒の時期など、季節によって味わえるお酒は変わります。1杯約70mlの小さなグラスで注文できるのがうれしいポイント。
「伏水酒蔵小路」でいちばん人気なのが、こちらの「十七蔵の利き酒セット 粋酔」。17の酒蔵から、おすすめのお酒が1種類ずつ選ばれています。しかも、飲むのは左上からと、まるでコース料理のように順番が決まっています。
白ワインのようにほのかに甘く、食前酒にぴったりの「増田徳兵衛商店」の「抱腹絶倒」、「月桂冠」の名を冠した「にごり酒」と飲んでいき、2段目にいくにつれアルコールがしっかりとした本醸造のお酒に変わってきます。
さっぱりした料理からこってりした料理へと食べ進めるにつれ、合わせるお酒の味も徐々に変化していく。日本酒と料理のペアリングをナビゲートしてくれているようです。
出前もできる8つの「うまいもん専門店」ではしご酒
「伏水酒蔵小路」にあるお店をはしご酒するのも楽しいですが、「十七蔵の利き酒セット」を楽しむなら大手筋側の入口から入ってすぐ、23mもの長いカウンター席「酒蔵」へ。ここで各店舗から出前をとるのがおすすめです。
まずは、納屋町側入口のそばにある「大ちゃん」の握り寿司を。「酒蔵」のスタッフに注文すれば、「大ちゃん」から寿司を届けてもらえます。
イタリアンと日本酒のマリアージュを探求する「BAR BANA(バル・バナ)」からは「本日のオススメ前菜4種盛り」を。
日本酒の大吟醸は、芳醇な香りとさらっとした飲み口の白ワインと似ているといわれ、イタリアンなこの盛合せとも相性バッチリ!
お酒が進んできたところで、「伏水89丁目食堂」から名物「知覧鶏炭火焼たたきポン酢」を。歯ごたえとうまみがたまらない鹿児島知覧鶏を五島列島の一番塩で下味をつけて炭火で香ばしく焼き上げています。
橙を絞るところから自家製のポン酢を絡ませた上に、ネギと七味をぱらり。これがおいしくないはずがありません。
ここで少しクールダウン。「十七蔵の利き酒セット 粋酔」にも付いている “和らぎ水”は、伏見の酒蔵で酒の仕込み水として使われている水です。
成分が同じなので、酔いを和らげるのにとっても効果的なのだとか。こちらの水は“伏水(ふしみず)”ともよばれます。
シメには京都の鶏ガラらーめん専門店「門扇」の「酒粕らーめん」を。酒粕の芳醇でまったりとしたコクのあるスープに、コシのあるストレート麺が絡み合い、濃厚なのにやさしい味わい。
出前で注文できるのは1種類のみですが、お店では7つの蔵元の酒粕を使った7種類のラーメンが食べられるそう。利き酒ならぬ利きラーメンもできちゃいますね。
「十七蔵の利き酒セット 粋酔」は時期によって内容が変わり、8つの「うまいもん専門店」のメニューも1日では食べきれません。リピートしたくなること間違いなしのグルメなスポットに、ぜひ足を運んでみてください。
text:小西尋子
photo:中野貴裕
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