教えたくない秘密の嵐山旅。渡月橋から約20分で、天空の絶景寺院へ!
京都の人気観光地、嵐山。竹林やお寺、トロッコ列車…どこも素晴らしい名所ですが、観光客でいつも混雑しているのが悩ましいところですよね。そう感じている皆さんにお教えしたいのが、“天空の寺院”こと「大悲閣 千光寺」。渡月橋から少し離れた崖上に建つ小さなお寺は、雄大な自然に包まれ、喧騒とは無縁の最高にピースフルな世界!知る人ぞ知る秘密のスポットです。
参拝客の7割が外国人!?天空の秘境は、道中も楽しい!
「大悲閣 千光寺」(だいひかくせんこうじ)は、渡月橋のたもとから保津川を上流に向かって徒歩20分。モンキーパークを越え、さらに奥の奥へ!約200の石段が続く参道を上った崖の先、保津峡の絶景を望むお堂が姿を現します。
道中の保津川沿いにはおみやげやさんの並ぶ賑やかな嵐山のイメージとは違った、自然豊かな場所も。平安時代の和歌に詠まれた滝もあるんです。
驚くのは、界隈ですれ違うほとんどが外国人観光客であること。日本人はほとんど見かけません。秘境のような景色の素晴らしさ、海外の参拝客にオープンなご住職のお人柄もあり、海外の口コミサイトでじわじわと話題になっているのが理由だそうですが、こんなに素敵な場所に日本人が少ないなんてもったいない!
こちらの看板が見えたら参道に到着。すぐお隣は、絶景ホテルとして人気の「星のや京都」さん。
徒歩はもちろんですが、嵐山をアレコレ楽しみたい人にはレンタサイクルの利用がおすすめです(阪急・嵐電・JRの駅前にショップあり)。でこぼこの道、多少のアップダウンもありますが、それでもかなりラクラク。渡月橋から10分弱で千光寺まで到着できます。
いざ、つづら折りの石段を上って境内へ!
200段と聞くとちょっと身構えてしまいますが、川の水気を含んだ緑が美しく、疲れを忘れるほど!途中に休憩用のベンチも。山中に小川も流れ、歩みを進めるほど、心が癒されていきます。
保津峡の絶景を見下ろすお堂で深呼吸
小さな山門をくぐれば、ついに天空の社殿へ到着!絶景とウワサの観音堂を仰ぎ見ながら、最後の石段を上ります。すぐそばに鐘楼もあり、無料で鐘をつくことができますよ。
周りは、緑いっぱいのピースフルな空間!赤い床机には、山道を登ってきた参拝客のために、無料でお茶が用意されているのがうれしい。お掃除も行き届いていて、ご住職のお人柄がしのばれます。
「大悲閣 千光寺」を建立したのは、保津川や高瀬川を開削した江戸時代の名実業家、角倉了以(すみのくらりょうい)。京都では子どもも知っている有名人なんです。当時から風光明媚なお寺として知られ、松尾芭蕉も俳句を詠んでいるとか。
本堂でお参りを済ませたら、絶景が広がる観音堂へ!崖の上に突き出るように建つお堂から、京都市内や大文字山、比叡山を一望することができます。深呼吸したり、のんびりベンチで過ごしたり。好きなだけ時間を過ごしましょう。
眼下には保津峡の大渓谷と、自然豊かな嵐山の山々が。秋にはこの景色が丸ごと赤や黄、オレンジの紅葉に染まります!ワクワクしますよね。
お坊さんの修行場でもある大きな禅宗寺院は、常にぴーんと張り詰めた空気がありますが、千光寺は正反対の世界。のどかでオープンで、参拝客が自由なスタイルで自然の美しさや禅の心を感じとることできます。
写経に御朱印、お寺ならではの楽しみもスタンバイ
絶景を堪能した後は、心を落ち着けて写経タイムのはじまり。窓の向こうに緑が広がる特等席があるんです。
御朱印も忘れずにいただきましょう。はんなり柔らかな筆致が美しい。
京の旅も2度目や3度目なら、有名観光地をあえて外すセレクトもよいものですよね。喧騒を離れて、行列も混雑も無縁の「秘密の嵐山旅」を満喫してみては?
◼︎大悲閣 千光寺
住所:京都府京都市西京区嵐山中尾下町62
電話:075-861-2913
時間:9時 〜16時30分(受付終了)
定休日:無休
text:ヤマグチノリコ
photo:マツダナオキ
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