栃木の秘境でみつけたログハウスは、来客が絶えないそば店でした

栃木の秘境でみつけたログハウスは、来客が絶えないそば店でした

食・グルメ ランチ そば 天ぷら 栃木県 るるぶ&more.編集部
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日光市街から車で20分ほどの場所に、ログハウスのそば屋「小来川 山帰来(おころがわ さんきらい)」があります。自家栽培された玄そばを使っていて、日光名物の湯波の天ぷらも人気です。遠方から訪れるお客さんも多くて、わざわざ足を運ぶ価値ありの名店です。

Summary

小来川は手付かずの自然が残る、日光の秘境!

店名にもなっている小来川(おころがわ)はこのあたりの地名。電車やバスなどの交通手段がやや不便なのですが、そのおかげで日光郊外の中でもひと際豊かな自然が残っています。昔ながらの里山が少しずつ減ってしまっているなか、「小来川の原風景を後世に伝えたい」という思いで、地元の人たちが力を合わせてオープンさせたお店なんです。

建物の裏には、清流として名高い黒川が流れています。すぐ先が西黒川との合流地帯で、水のきれいさは抜群。地元の人たちは、よくここで釣りや川遊び、バーベキューなどを楽しんでいるそうです。

川沿い一面にそばが植えられ、秋はそばの白い花で彩られます。店の脇では、ワサビも栽培されているんですよ。

黒川の上流には、幻のナイアガラの滝と呼ばれる清々しい滝も。時間に余裕があれば、ぜひ足をのばしてみて。

自家栽培の玄そばを名作家の器でいただきます

ゆばそば(冷)1500円
ゆばそば(冷)1500円

人気メニューは、日光の名物である湯波を組み合わせたゆばそば。二八そばに朝一番の汲み上げ湯波がたっぷりとトッピングされ、ふっくらとした湯波の天ぷらが添えられたものに、冷たいつゆをかけていただきます。

そばはすべて近隣の畑で育てられたもので、のど越しのよさが魅力です。11月上旬からは風味豊かな新そばが登場します。

さらに、こちらでいただける料理はすべて陶芸家・佐伯守美さんの器が使われています。

もりそば「山帰来」十割1200円
もりそば「山帰来」十割1200円

玄そばの甘皮部分まで丸ごと挽いた、挽きぐるみで打った十割そばも人気です。そばの香りや旨みが堪能できます。このメニューのみ、佐伯さんが作った象嵌樹木文(ぞうがんじゅもく)の器で提供されます。

象嵌とは、成型した土に素地と異なる色の土を埋め込んで模様を描き出す技法。蕎麦猪口に見られる森の風景は土で描かれたとは思えない繊細さで、素朴な風合いは土だからこそといえます。幾何学模様は多いのですが、このような風景を描くのは佐伯さんのほかにほとんどいないそうです。

こちらはゆばの天ぷら600円。とろりとした湯波をサックリと揚げてあり、食感がたまりません。

ログハウスの大きな窓に広がる風景もごちそうの一つ

ログハウスになったのは、小来川にログハウスの神様と呼ばれたアラン・マッキー氏がログビルダー育成のために開校した伝説のログビルディングスクールがあった場所だったから。そこで講師をしていたログビルダーたちが力を合わせて、お店の建物のデザインを練ったそうです。コンセプトは、「“凛”をテーマにした、どこにもないログハウス」。自然と調和しながらも、和の趣をミックスさせたスタイリッシュさが際立ちます。

地元の杉の木がふんだんに用いられていて、店内と外観を合わせてなんと160本。ログハウスなので、釘やビスなど固定するものを一本も使わずに作られているそうです。昔の土間をイメージして壁は漆喰に、栃木の特産物でもある大谷石も入口のアプローチに使用されています。

従来のログハウスのように杉の木の丸太を角材にしてしまうとわかりにくいため、敢えて丸太が見えるようにデザインされました。

杉の丸太が縦にあしらわれた別棟の建物が、そば打ちの場所。そばを打つのも、そば店で修業したという地元の人です。

日光の秘境といわれる小来川でみつけたログハウスのそば店。素敵な器でいただくおいしいそばを食べに来てみてくださいね。

text:井島加恵(mii)
photo:ミヤジシンゴ

●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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