休日だけのお楽しみ。元・新聞記者の厳選本が並ぶ図書室&古書店へ
霧降高原の住宅街の中に「霧降文庫(きりふりぶんこ)」という名の図書室&古書店があります。かつて新聞記者だった家主の富岡洋一郎さんが、土・日曜、祝日にテラスやリビングを開放していて、棚にずらりと並ぶ本を自由に読むことができるんです。緑に囲まれたテラス席は本当に気持ちよくて、時間を忘れてくつろいでしまいます。
本でつながるみんなの交流の場に
お店は東武日光駅からバスで2~3分のバス停丸美で下車し、さらに2㎞ほど離れた住宅街の中にあります。たどり着いたときは、「こんな場所があったなんて!」と驚くはず。地元の人でも知らない人が多いという、まさに隠れ家です。
ここを立ち上げたのは、もともと記者として某新聞社の日光支局で働いていたという、トミーさんこと富岡洋一郎さん。新聞記者を辞めたあと、「日光霧降高原チロリン村」にあった「森の図書館」で館長を務め、「日光マルシェ」で開いた古本店が好評だったことから、2012年から本格的に図書室&古書店として始めることになったとか。
ここでは、本の販売のほか、図書室として本の貸し出しも行っています。ちょうど、以前、ここを訪れた際に借りた本を返しに来たという若者に遭遇。トミーさんや常連のご近所さんも一緒に、本のことや近況の話などで盛り上がっていました。
時間があるとふらりと訪れくれるご近所さんが本を物色中。
地元の人たちのほか、日光に遊びに来た友達を連れてきたり、宿の人が「秘密の場所」として案内してくれたり、いろんな人がやって来るので、本を片手におしゃべりするのも楽しみです。
多彩なジャンルの約7000冊がぎっしり
書棚には、トミーさんの新聞記者生活で集まった政治・経済分野から、エッセイ、詩集、漫画まで幅広いジャンルの本がぎっしり。
季節ごとにテーマを設けてセレクトされた企画コーナーも。
たくさんありすぎて、どれがいいかわからない!という人は、「人生について考えるような本が読みたい」、「自分の年齢におすすめの本を教えてほしい」など要望を伝えると、トミーさんが選んでくれますよ。
「愛や人生、幸せ」というようなテーマで富岡さんにピックアップしてもらったのがこちら。「幸福王国ブータンの智恵」(齋藤利也・小原美千代)、「じぶん・この不思議な存在」(鷲田清一)、「人間自身考えることに終わりなく」(池田晶子)、「昭和・遠い日・近いひと」(澤地久枝)、「遠い世界」(諸星大二郎)の5冊です。
自分では手にとらないような本に出合えるのも、なんだかうれしいですね。
青空の下で心ゆくまでゆっくりできる
読みたい本をみつけたらウッドデッキのテラスへ。時間の許す限り、のんびりと読書を楽しみましょ。
訪れた人には、トミーさんがコーヒーを無料でサービスしてくれます。手作りのカレーが登場することもあるとか。持ち込みもOKなので、ランチついでに立ち寄ってもいいですね。
霧降高原は、日光市街から200mほど標高差があるので、冬はこんな素敵な薪ストーブが活躍します。
本が好きという人はもちろん、観光名所以外のところに行ってみたい、トミーさんと話がしてみたいなど何でもOK。興味がある人はぜひ立ち寄ってみてください。何かおもしろい出会いがあるかもしれませんよ。
◼︎霧降文庫
住所:栃木県日光市所野1541-2546
TEL:090-5351-3440
営業時間:土・日曜、祝日の12時~17時
定休日:不定休(12月中旬~4月中旬は休業)
text:井島加恵(mii)
photo:ミヤジシンゴ
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