野菜たっぷりのヘルシーな前菜からワクワク 宇都宮のカフェランチでリゾート気分♩
栃木県・宇都宮市街地の高台に、決して交通の便がいいとはいえない立地にもかかわらず、連日県内外から多くの人が訪れるカフェがあります。そこは自然にあふれ、まるで高原リゾート地のよう。でも人気の秘密はそれだけじゃありません。
アンティークな空間も魅力的な緑の中のテラスカフェ
JR宇都宮駅からクルマで約15分、平和仏舎利塔近くに「AGカフェ」はあります。駅から公共機関を使った場合は、バスと徒歩で30分ほど。高台にあるため、少し遠く感じるかもしれませんが、そこには駅前の賑やかさから一変した落ち着いた世界が待っています。
一歩足を踏み入れると、まるで異空間。高い天井にはシャンデリアが飾られ、クラシカルな洋館のようです。
一方、奥の客室はエントランスとはまた違い、黒と茶を基調とした古民家風の造り。まったく異なる雰囲気なのに、そのギャップさえも素敵に思わせちゃうセンスの良さ。それもそのはず、AGカフェは隣接するデザイン事務所「AGデザイン」が手がけているというから納得です。
店のいたるところに配されたレトロな家具は、多くが「AGデザイン」オーナーさんの所有物だそうです。大切に使われてきた数々のアンティークは、どれも空間に馴染んでいて、写真に収めたくなるものばかり!
店内でも充分に素敵な時間が過ごせる「AGカフェ」ですが、わざわざ訪れるなら狙いたいのはテラス席。山の斜面に設置され、眼の前には眩しいほどのグリーンが広がります。雑木林にはいつも葉が茂っているので、いつ訪ねてもこの景色が楽しめるのもポイント。天気がいい日には森林浴も楽しめる、リゾート地のような風景に驚くお客さんもいるそうです。
「ちょっぴり豪華」な前菜から始まる野菜たっぷりのランチコース
ランチは、選んだメイン料理に前菜とドリンクがセット。前菜から始まり、パン(ライス)、メイン、ドリンクと順に提供される「コース」仕立てです。
まず驚くのが前菜のボリューム!大皿には5種類以上の惣菜が美しく整列しています。この日は「パプリカとオレンジの冷製スープ」に「かぼちゃと自家製リコッタチーズのサラダ」「フェアリーテールのチーズ春巻き」「日光サーモンのカルパッチョと梨のバルサミコ和え」、そこにサラダとピクルスが添えられていました。
野菜は直売所で買いつけたり、農家が届けてくれたりするものをメインで使い、なるべく栃木産のものを取り入れているそう。洋食屋で経験を積んだシェフ・横山良樹さんの「野菜をいっぱい食べてほしい」という思いが伝わります。
メインにいただいたのは、オープン当初から不動の人気だという「香味キザミ野菜をのせたビーフハンバーグ」(1728円)です。あらびきランプ牛100%のパティを炭火で焼き上げ、ミョウガやショウガ、大葉、大根などたっぷりの野菜をON。お好みでポン酢をかけていただきます。
口の中で広がる炭火独特の香ばしさ。その後、濃厚なお肉の旨味としつこさのない風味がしっかり残ります。牛脂の甘さに、香味野菜とポン酢のさっぱり感が相まってなんとも絶妙なバランス!あらびきなのに「肉々しさ」を感じさせない、とろける食感にビックリです。
前菜、ドリンクがセットになったランチコースのメインは「ハンバーグ(1728円)」「ステーキ(2484円〜)」「パスタ(1728円〜)」に「シェフのおすすめ」を加えた4つをベースに、それぞれ2〜3種類のバリエーションを用意しています。
毎日食べたくなる!果実味を生かした極上スイーツ
スイーツを求めて訪れるファンも多い「AGカフェ」。桃やいちじくなど、旬のフルーツをふんだんに使ったケーキやパフェは、うっとりするようなビジュアルです。
スイーツを担当するのは横山さんの奥さま・敏子さん。この店を始める前に、ご自身が憧れていた県内の人気カフェで働き、勉強をしたという奥様。そこで習得したノウハウをもとに、オリジナルのセンスを生かしたスイーツを生み出しています。生地はほどよい甘さと食感で、フルーツそのものの風味が引き立ち、果実感をしっかり感じられます。
敏子さんは「毎日食べても飽きない味」を心がけ、きび砂糖など優しい味わいの食材を取り入れ、後味のよい風味を考えているそう。コース料理に追加(324円)で注文するお客さんも少なくないそうです。
敏子さんは「毎日食べても飽きない味」を心がけ、きび砂糖など優しい味わいの食材を取り入れ、後味のよい風味を考えているそう。コース料理に追加(324円)で注文するお客さんも少なくないそうです。
「前菜からメイン、デザートまで、すべてを楽しんでほしい」とのオーナー・横山さんの思いが実現したAGカフェ。
週末はもちろん平日も県内外からの多くの人が訪れ、行列ができることもあります。予約するのが無難ですが、注意したいのが予約方法。事前に受け付けるのは「オープンの11時30分から12時までの予約」のみ。12時以降は直接店に訪れた順番とのことです。待たずに入りたければ、ちょっと早めのランチで予約を取るのがベターです。
もし予約できず待つことになっても、こんな素敵な待合室が用意されています。時間に余裕があれば、景色を楽しんだり、読書したり、友人と話したり…好きなことをしながら待つのも悪くないかもしれません。
優雅なひとときが約束されたゆるやかな空間と景色が魅力の「AGカフェ」。食後に、近隣の仏舎利塔や公園を散策するのもおすすめです。
Text&Photo さとうよしみ
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。