海も山もアートの一部。小旅行気分で訪れたい、海までわずか3分の絶景美術館
東京から電車とバスで1時間半ほど。観音崎にある「横須賀美術館」は、東京湾が目の前に広がる最高のロケーションとアートが一度に楽しめる贅沢な美術館。ほかでは見られない独特の構造も要注目ポイントのひとつです!
コンセプトは“環境全体が美術館”
東京湾を目の前に望む、風光明媚な観音崎に立つ「横須賀美術館」。その環境の素晴らしさから、過去には「日本の絶景美術館 トップ5」にランクインしたこともあるそうです。
「海の広場」と呼ばれるこの芝生のエリアは、芝生に寝転んだり、シートを敷いてお弁当を食べてもOKなんです!
穏やかな海の景色を存分に堪能したら、海を背にプロムナードを歩いて館内へと進んでいきましょう!
エントランスをくぐると、なんと宙に浮いた通路が!ここを通るとチケット売り場はもうすぐそこです。揺れることはないけれど、橋の側面がガラス張りになっているので、ちょっとドキドキ…。
通路の下には展示フロアが広がっていました! 展示内容もさることながら、絶対に見逃せないのが、今居る建物そのものなんです!
建築家・山本理顕(やまもとりけん)氏により2007年(平成19年)に造られたこの建物のコンセプトは、ズバリ“環境全体が美術館”。
吹き抜けを多用した明るい館内も、周囲の環境に調和すべく設計されたそのひとつなのだそう。丸壁の丸窓からやわらかな外光を採り込むこの開放的な空間は、景観と建物を一体化させるために緻密に設計された賜物。丸窓を通して海上を行き交う船がよく見えます。
螺旋階段で屋上へ出るとそこにも絶景が広がっていました。前方には東京湾、後方には観音崎の森が。そしてここにも設計上の工夫があるんですよ!
海側から見るとよく分かるのですが、背後の森と建物の一体化を図るため、美術館の建物をあえて半分地中に埋めているそうなんです。百聞は一見に如かず!ぜひ環境と美術館のコラボを体感してみてください!
不思議な野外アートを発見!ファンの間で“鉄の谷”とも呼ばれている、鉄の彫刻「Valleys(ヴァリーズ)」。美術館側からここを抜けて海へ行くこともできます。
どこにいるか探したくなる「よこすかくん」
館内で見つけたおしゃれなピクトグラムに一目惚れ!実はこれ、東京スカイツリータウン内にある「すみだ水族館」のロゴなどを手掛けた、グラフィック・デザイナーの廣村正彰(ひろむらまさあき)さんによるサインデザインなのだそう。
「よこすかくん」というちゃんとした名前がついているそうです!ぜひ館内を捜索してみて。
絶品の「イチジクとくるみの自家製ケーキ」
お腹が空いたら、美術館併設のイタリアンレストラン「横須賀アクアマーレ」へ。イチオシは、アーモンドパウダーと粉糖に卵を加えたしっとりとした自家製ケーキです。生地の中にイチジクとくるみを練り込んだこだわりのひと品をどうぞ。
美術館の丸窓から見たレストラン。ガラス張りの店内では、三浦野菜をはじめ、地元の食材を使ったランチセットやコース料理が味わえます。夜もディナーが楽しめるので、閉館まで美術館を満喫したあとに寄るものおすすめです。
マスト買いのミュージアムグッズ
横須賀・東浦賀にある、綿帆布専門店「三浦屋」のオリジナルブックカバー。「三浦屋」の店舗以外で購入できるのはここだけ。新作は裏表紙にICカードフォルダーがついて、使いやすさがバージョンアップしています。
スイス国内唯一の画材&高級筆記具ブランド「カランダッシュ」とのコラボ商品。インクがなめらかに出るだけでなく、筆圧で太く書けたり、細く書けたりもする高級ボールペン。全9色展開です。
「横須賀美術館」で開催される企画展は年に6回。そのほかにも所蔵している日本近現代美術作品・約5000点の中から年4回、所蔵品展が行われています。「週刊新潮」にて表紙絵を描いた谷内六郎氏の作品を展示する「別館・谷内六郎館」も要チェックですよ!
◼︎横須賀アクアマーレ
住所:神奈川県横須賀市鴨居4-1 横須賀美術館内
TEL:046-845-1260
営業時間:カフェ10~20時、ランチ11~15時LO、ディナー17~20時LO
定休日:第1月曜(祝日の場合は営業)、そのほか臨時休あり
text:清沢奈央
photo:櫻井めぐみ
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