知らないとたどりつけない!秘密基地みたいな、京都の路地奥の古民家カフェ
京都・四条烏丸から4筋東にある柳馬場通を北へ。御池通に出る少し手前に、細い路地があります。見逃しそうなほどひっそりとあるこの道の奥に、店主が丁寧に作った料理でもてなしてくれる古民家カフェ「cafe火裏蓮花(カフェかりれんげ)」があります。
昭和初期にタイムスリップしたような懐かしい空間
平安時代、碁盤の目状に整備された京都の街。区分された内側の土地を利用するためにできた袋地(通り抜けできない路地)が多いのは、京都の街の特徴でもあります。
「cafe火裏蓮花」があるのも、そんな袋地のなか。京町家の特徴である“虫籠窓”も残っていますね。
カフェの建物は、柱や梁などをそのまま残した古民家。奥には小さな庭もあります。カウンター席なので、ひとりでもふらっと入りやすいのが嬉しいですね。
こちらは、平日のみ予約をすれば使える2階席。茶箪笥や柱時計など昭和の名残があり、田舎の家に遊びに来たような懐かしさに、気持ちが和みます。
時間がある日は、遅めのモーニングを
「cafe火裏蓮花」では、2018年の秋からモーニングがスタート。モーニングといっても、始まるのは少し遅め。ブランチとして楽しむのがいいですね。
店主が焼くマフィンは日替わりで、取材日は大きなシナモンとブルーベリーのマフィン。コーヒーには波照間島の黒糖が添えられています。
マフィンなどの焼き菓子は、残念ながらテイクアウトは不可。ドリンクとフローズンタイプのブルーチーズケーキ(15㎝サイズ・予約制)はテイクアウトできます。
1日5~6食限定の「豆カレー」ランチ
「cafe火裏蓮花」は、女性店主がすべての料理を材料からこだわって作るお店。だから、大量には作れませんし、いつもすべてのメニューは揃いません。
分厚くスライスされた京都「進々堂」のパンに、シナモンが利いた甘めのカレーをのせたボリュームたっぷりの「豆カレー」もそんな料理のひとつ。シナモンスパイスのカレーが、焦げ目のついたとろけるチーズと厚切りのパンにマッチしていて、クセになる味です。
カレーをはじめとした料理に使われるスパイスが、本立ての代わりに。ところどころに小さな本棚があり、その選書にもセンスが感じられます。
比較的お客さんが少ないモーニングの時間や雨の日などに訪れて、読書に浸るのも素敵な時間の過ごし方ですね。
きちんと手をかけて作られたデザートたち
甘いものが苦手な人にも人気なのが「珈琲党のための黒糖炭焼き珈琲ゼリーのアイスパフェ」。生クリームと珈琲ゼリー、アイスクリームのハーモニーに、食べ進めると現れるキャラメリゼされた胡桃がアクセント!胡桃を煎るところから手作りで、食感と香ばしさが絶妙です。
また、時間と手間をかけて作られた、柑橘(オレンジとレモン)の酵素シロップにも注目です。こちらは、夏季限定の人気かき氷「橘香るけづり氷」(980円)のほか、「たちばなジンジャーエール」(750円)や、寒い季節にうれしい「自家製 温たちばな」(650円)など、さまざまなメニューで大活躍しています。
昔の丁寧な暮らしを感じられる、時間をかけて作られた料理。築100年の京町家のゆったり流れる時間のなかで、慌ただしい日常を忘れてみませんか。
Photo:中野貴裕
text:小西尋子
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