揚げたてをほお張りたい!三軒茶屋で愛される“しまぱん”のさっくりカレーパン
パン屋さん激選区の三軒茶屋で愛されているパン屋さん「ブーランジュリ シマ」。ご主人が生まれ育った地元の人に喜んでもらいたいと、注文ごとに揚げるカレーパンを出したところ大ヒット!2018年には「カレーパングランプリ」で3年連続受賞を果たすほどの実力店に。気になるその味を確かめに行ってきました。
Summary
駅から徒歩15分ほどの住宅街にある、地元密着の小さなパン屋さん
赤いファザードが目印の「ブーランジュリ シマ」があるのは、東急田園都市線の三軒茶屋駅と駒沢大学駅のどちらからも徒歩15分ほどの住宅街。入口のテラス6席では、コーヒーやカフェオレと一緒にパンを食べることもできます。
お店を切り盛りするのはオーナーの島さんご夫婦。2007年にオープンして以来、地元の人に喜んでもらえるパン屋さんを目指していて、ファンのあいだでは“しまぱん”の愛称で親しまれています。
お店に入ると所狭しとパンが並ぶ中に、今回お目当てのカレーパンを発見!写真右が注文ごとに揚げてくれる「チキンスパイス 揚げカレーパン」(270円)の見本です。写真左の「チーズ揚げパン」(324円)も揚げたてで提供してくれる人気商品。せっかくなので2つともオーダーしてみます。
実はオープン当初、出していたのは油で揚げない「焼きカレーパン」。それが“カリ~番長”の名で知られる水野仁輔さんとの縁もあり、揚げたてカレーパンにシフト。この店に来た人しか味わえない特別なおいしさを目指して、カレーパンの研究を2年続けました。
小さな気泡が揚げたての証!カレーを楽しむためのカレーパン
カレーパンを揚げる様子を拝見するため、特別に厨房に入れていただくと、壁一面にスパイスが並んでいてびっくり!お店で出しているスパイスを使った商品は4種類ほどと聞いていましたが、このスパイスの量はカレー専門店で見かけるレベル…。
もともと料理が好きな島さん。興味をもったものにはトコトン取り組む性分なんだとか。プライベートでも毎日カレーを作っているほど、現在スパイスにハマっているそうです。
こちらが揚げたてのカレーパン。表面がカリッカリで見るからにおいしそうです!ちなみに表面の丸い透明な気泡はパン生地の“発酵”によってできる気泡なんだそう。
テラス席でいざ実食。揚げたてカレーパンは熱すぎて持っていられないほど。半分に割ってみてびっくり。本格的なインドのバターチキンカレーが詰まっています。
食べてさらに驚くのが、パン生地が薄くて表面がサクッとクリスピー。あくまでカレーの味を楽しめるようにと研究の末、パン生地は現在の絶妙な薄さになったのだとか。カレーの味は子どもから大人まで楽しめるよう、まろやかな辛さに着地させつつ、スパイスがしっかり立っています。揚げたてならではのおいしさ、サイコーです!
続いて、もう1つの揚げたてパン「チーズ揚げパン」。こちらも割ってみてびっくり!どば~っとチーズの滝が流れ出てきます。冷めるとチーズが固まってしまうので、揚げたてだからこそ実現したメニューといえますね。
これはチーズフォンデュから発想を得て、モッツアレッラ、ゴーダ、チェダーの3種のチーズをブレンド。ワインが飲みたくなる味ですが、お店からのご厚意でいただける食パンやバゲットの端っこを、チーズにからめながら食べるのもおすすめだそう。
クロワッサンからおやつパン、クッキーまで。総アイテムは60種!
「最近パン業界よりカレー業界で知られるようになってきた」と笑う島さんですが、本業(⁉)のパン作りもまったく手を抜いていません。
常連さんに定番人気のクロワッサンやハード系のパン、お子さんたちにはカメやクマの動物パン、おやつにぴったりな甘いパンやサブレまで、60種ものアイテムを島さん1人で毎日作っているというから、お見事です。
カレーパンでしょっぱくなった口に、レトロかわいい「レーズンサンド」(216円)と「あんバター大納言」(302円)、アーモンドのクリームがのった「クロワッサン・オ・ザマンド」(324円)の甘いもの系をテイクアウト。どれも甘すぎない、やさしいおいしさが印象的でした。
わざわざ足を運んででも、また食べたい!と思わせてくれる「ブーランジュリ シマ」。一度行ってみる価値大ですよ!
Text&Photo:松本いく子
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