知れば知るほど奥深い。もはやアートな、京都「漢字ミュージアム」
日本初の“漢字ミュージアム”こと「漢検 漢字博物館・図書館」があるのは、京都「八坂神社」のすぐそば。漢字の歴史や、ためになる知識などを、映像やグラフィックで視覚的に、ゲームで体を使って体感しながら学ぶことができます。ひとりでもデートでも楽しめるミュージアム、ぜひ訪れてみてください!
楽しみながら学べる1階フロア
ただ展示を見るだけではないのが、ここ「漢字ミュージアム」。まずは、受付でもらえる「体験シート」を使って、1階にある各体験テーブルを回ります。
壁にずらりと書かれた「漢字の歴史絵巻」。この絵巻の青色の部分には、中国で漢字が生まれた歴史が、ピンク色の部分には、日本に入ってきてからの漢字の歴史が記されています。そして、壁の横には、漢字の歴史絵巻に合わせた体験ができる体験テーブルが。
テーブル01は、漢字の始まり、“甲骨文字”を使った体験。甲骨文字の横と下にある黄色いマスをこすると、その甲骨文字が表す漢字と成り立ち、今日の占い結果が浮き上がってきます。
こちらは、人気のコーナー「万葉仮名で名前をつくろう」。万葉仮名とは、漢字の音読みや訓読みだけを使って日本語を書いた時の仮名のこと。
もし、自分の名前の“音”を万葉仮名で表すとしたら?普段気に留めていなかった漢字を、“体験”を通して、楽しみながら考えさせてくれる仕掛けがいっぱいです。
反対側には、漢字をとりまく道具の世界が。昔は木や岩などに“彫って”いた文字が、紙や筆という道具ができて“書く”ようになり、タイプライターが発明されて“打つ”ようになり…。
道具の変化に伴い、私たちの文字とのふれあい方が変わっていったことが伝わってくる展示です。
1階と2階をつなぐ巨大な5万字の漢字タワー
1階と2階をつなぐ柱は、世界最大級の漢和辞典といわれる「大漢和辞典」に収集されている漢字5万余字ほぼすべてが書かれた、圧巻の「漢字5万字タワー」。
タワーのなかで、青色で大きく表記されている漢字が、義務教育期間に教わる学習漢字約1000時。青色とオレンジ色で表記されている漢字は常用漢字約2000字です。もはやアートの世界!
1階には、京都「清水寺」の森清範(もりせいはん)貫主が揮毫された「今年の漢字」の実物の展示や、日本・中国・韓国の3国の代表者が各国の相互理解と発展を目指し、共通文化である漢字のなかから選定した共通漢字808字を、地元の小中学生が協力して手書きした葉っぱを飾った「日中韓共通808字の木」などもあります。
カップルで楽しむならコレ!
2階には、体を使って楽しむ展示がより多くなっています。本を開いた形で立っているのが、それぞれすべて体験設備。
なかでもカップルにオススメなのが、「部首組み合わせタッチパネルかるた」。最大4人で対戦することができます。
手元に“さんずい”や“しんにょう”などの部首が表示されるので、組み合せて漢字を作ります。“くさかんむり”に合わせるのは?案外難しくて面白いですよ!
子どもから大人まで人気なのが「漢字回転すし」。画面のレーンに流れてくる寿司ネタを選んだら、そのネタになる魚の漢字が出てきます。
魚へんの漢字の、「つくり」の部分に入る文字を3択から選んだり、3文字で表記される魚の隠された1文字を当てたりします。クイズに正解したら、寿司ネタが魚になって水槽を泳ぎだしますよ。
「生き物漢字図鑑」では、動物や昆虫の絵の横に、それぞれを表す漢字のマグネットを貼っていきます。図鑑は4種類あるので、どちらが早く正解できるか競い合っても楽しそう。
併設ショップでおみやげを
「漢字ミュージアム」の敷地内には「祇園祭ぎゃらりぃ」と「Café 倭楽」が併設されています。
「祇園祭ぎゃらりぃ」では、祇園祭の櫓(やぐら)の仕組みがわかる実物大の模型や、70インチの液晶モニター6枚を屏風状に並べた「平成の洛中洛外図屏風」で、迫力の映像が楽しめます。
「祇園祭ぎゃらりぃ」内にあるショップで一番人気のおみやげがコレ!漢字の種類は全部で175種類。「結」なんて文字もあるので、カップルでひとつずつもつのもいいですね。
京都らしさで選ぶならこちら。厳選した数種類の天然石材に、篆刻作家さんがひとつずつ手彫りしている、世界にひとつしかないおみやげです。
ここでは紹介しきれませんでしたが、漢検のミニテストを体験できたり、週末には人気のワークショップが開かれたり、広辞苑が第1版から置いてある漢字の図書館があったりと、大充実の「漢字ミュージアム」。大人が行っても、1日中いたくなる面白さです!
Photo:中野貴裕
text:小西尋子
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