話題の“キモかわ”スイーツはここにある!グロかわいい天神のカフェに潜入
まるで大正時代の療養所か、それとも生体実験室?いえ、ここは繁華街・天神の片隅にある小さなカフェ「不思議博物館分室 サナトリウム」。医院風の扉を開けると、レトロなナース姿の「不思議子ちゃん」が出迎えてくれます。本物の手術室の備品や実際に使われていた人体模型に囲まれ、いろんな意味でドキドキ・ハラハラが味わえる患者プレイ(?)を、いざ体験!
エグかわアイテムがはびこる店内で、本物志向を讃える
サナトリウム(=長期療養所)がテーマのコンセプトカフェ「不思議博物館分室 サナトリウム」。3階の窓から街を見下ろす人体模型「一郎くん」が目印です。院内スリッパに履き替えて入室すると、そこは大正時代の怪奇小説に入り込んだような、不思議な世界。
店内にはかつて実際に手術室で使われていた照明器具や、本物のペンギンの剥製、館長の脳の輪切り画像などが配され、思わず見入ってしまいます。
テーブル席には一郎くんから四郎くんまで、4体の人体模型が住んでいます。みんな実際に理科室で活躍してきた精鋭たちばかり。ネットの世界から探し出して購入したり、廃校になる学校から譲り受けたりして、集ってきたのだそう。1人で来店してもみんなと一緒なら、寂しさは皆無です。
グロさとおいしさを両立!こだわりのフード&ドリンク
1名1オーダー制で、「結核ピザトースト」(800円)などのフードやドリンクを用意。どれも、期待を裏切らないハイクオリティなビジュアルです。日替わりおやつは常時3種類ほど。
写真の「ホムンクルス(=人造人間)ゼリー」には、プレートに医療用器具「膿盆(のうぼん)」を使用。てっぺんには、オリジナルキャラクター・猫のトネリコちゃんのホワイトチョコが(首から上だけ、アーモンド入り)。器には館長の作品「根グラス」を使用しています。アイスとフルーツ、人体解剖図ピックを添えて。
ビーカー入りバナナシェーキ「バリウム」は、見た目だけでなくおいしさでも人気のドリンク。下剤のような赤い粒は、梅ミンツです。細部に至るまで、「医療」というキーワードがとことん守られています。
筑紫野市二日市の「珈琲Chiba」で焙煎する豆を店で挽いて提供するコーヒーは、香りも味わいも言うことなしの銘品!しかしビーカーになみなみと注がれたこのビジュアルからは、おいしさがイマイチ伝わりづらいのです。
ご挨拶は「お大事に」がお約束。不思議子ちゃんって誰?
スタッフは永遠の13歳・「不思議子ちゃん」たち。第二次大戦中っぽいナース姿で、接客から調理まで何でも担当。キッチンの中では、解剖実験でもやっているかのようにナイフを握る姿も拝めます。
不思議子ちゃんの1人・ちぇんちぇんさんは、月1回水曜に催される「ホラーナイト」を主宰。緊縛体験会や落語×ホラーのコラボイベントなどの濃厚な企画が月1で行われています。サブカル愛好者はもちろん、そうでなくても、かなり気になる…!!
ギャラリースペースでは、ほぼ月替わりでサブカル関連の展示も行われています。アンダーグラウンドな作家の作品展だったり、廃墟写真展だったりと、内容は多彩でディープ。
グッズ販売もあり、企画展の物販だけでなく、サナトリウムオリジナルグッズも充実しています。
棚の上に並ぶのは館長オリジナル「携帯用シラミ」。自分で作れるキットも販売しているそうですが、誰が作るんだろうコレ、というのが正直な感想です。でも、根っこが生えたオリジナル照明はなかなかキュート。ウチに1つ欲しいかも。
帰り際には、「お大事に」の声で送り出してくれる不思議子ちゃん。最後まで世界観を守り通すパーフェクトな接客に、拍手です!場所は、地下鉄天神駅からすぐ、親不孝通りにほど近い路地の一角。一度足を運べば強烈な魅力に囚われ、かかりつけカフェに指定したくなること、間違いなしです。
text:仁田茜
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