五右衛門風呂に窯焼きピザ。1日1組限定の古民家宿で昔暮らし体験
片手ひとつで火が付けられ、ボタンひとつでお風呂が湧く。現代人の生活は便利なものです。それでも、効率の良さばかりを意識している生活に、疲れてしまう日もあるでしょう。心と体を解放できる古民家「corot(コロット)」で、手間をかける昔の生活を体験してみませんか?
Summary
都内から約1時間!開放感抜群の古民家に到着
訪れたのは、埼玉県所沢市にある「corot」。まるで「となりのトトロ」のサツキとメイが暮らしていたような古民家で、昔の暮らしが体験できるスポットです。
日帰りプランと素泊まりプランの2種類があり、それぞれ1日1組限定(日帰り10~16時:1名1200円、素泊まり17~翌9時:4300円)。車のほか、電車でのアクセスも可能です。
敷地の奥にある古民家は、1組で使うには贅沢すぎる広さ!かなりの人数が寝泊まりできそうです。取材に訪れたのは夏場。エアコンはありませんが、風通しがよく涼しい!
冬場は暖房設備が利用できます。(11~3月は暖房費500円が別途必要)
そして、裏側に広がる敷地の片隅には、ヤギのメイちゃんが草を食むのどかな光景が広がります。
冷めてもおいしい!卵がほしい!お釜で炊くごはんは絶品!
釜戸でごはんが炊けるのも魅力です。お米は持参します。あまり少なすぎると上手に炊けないとのことで、今回は5合持参しました。
まずは白米を洗い、浸水させておきましょう。古民家内にはキッチンがあり、ボウルやお皿、箸などの道具類が借りられます。
浸水させている間には、ゆったり過ごしたり、火起こしを始めたり、別の作業をしたりと自由に過ごしましょう。
用意してくれているこちらを参考に、QRコードでアクセスして、動画で予習をしておくこともおすすめです。左側にある「ピザ釜」を使う予定がある方は、温めるまでに時間が必要なため、先にピザ釜の火起こしを始めておくのがおすすめ。
それではいよいよ炊飯です。お米を釜戸に入れてから用意されている薪を並べ、マッチで火を起こしましょう。火起こしがうまくできない場合は、スタッフにサポートをお願いすることもできます。
炊き方のコツはシンプル。「釜戸から湯気が出始めるまでは強火、湯気が出始めてからは火の高さを半分程度にして15分」を心掛けます。
ふたを開けると、ぶわっと湯気が噴き出します。炊きたてのごはんの香りがたまりません。
いつも食べているお米と同じものとは思えない甘みが、口いっぱいに広がります。
釜ごと外に運んで、ピザ釜前でお外ごはんをしてみました。釜戸で炊いたごはんは冷めてしまってもおいしい!
簡易チャレンジ?本格チャレンジ?五右衛門風呂も体験できる
テレビドラマや映画で見る、火の番をしながら「湯加減はいかが?」と尋ねるシーン。「五右衛門風呂」は、薪でお湯を沸かす昔ながらのお風呂です。
corotにある五右衛門風呂には、湯沸かし機能付きの水栓がついているため、あらかじめお湯を入れた上で湯沸かし体験をするという、簡易体験もできます。水から湧かすのは大変なため、簡易体験をする方が多いのだとか。
薪を組み合わせて火を付けたあと、どんどん追加の薪を入れていきます。火のそばにいるので熱い!火が十分についたら、釜の扉を閉めてしばし待ちます。
湯が沸いたあとには、蓋を湯に浮かしてから入浴します。風呂釜に触れると火傷してしまうので、この蓋の上で湯に浸かるのです。
昔の子どもはこんな怖いお風呂に入っていたのかと実感します。
火起こしからやってみよう!ピザ窯で焼くピザは本格的な味
そしてここでは、ピザ窯を使うこともできます。ピザ生地から作る方もいるそうですが、今回は近隣スーパーで買ってきた冷凍ピザを使用しました。corotの畑で栽培されている野菜を収穫させてもらい、トッピングに。畑では貸し農園のサービスもあります。
収穫した野菜はナスとオクラ。オクラとピザという異色の組み合わせに、味が想像できずドキドキします。
ピザ釜の上部が熱されるまで火を十分に起こします。準備ができたら、ピザを入れましょう。途中で取り出して向きを変えながら焼き、あっという間に焼き上がり!
さすが窯焼きのピザは本格的!たった300円程度の冷凍ピザとは思えない味わいです。ピザ釜ではピザ以外のものも焼けるので、アルミホイルに包んだ野菜を焼いてみるのもおすすめです。
BBQや鍋、宿泊体験も!本物の古民家で過ごす
ここでは、ほかにもBBQや流しそうめんなど、季節折々で楽しめる体験が多数用意されています。外でごはんを食べるのが厳しい冬シーズンのおすすめは鍋。下準備をキッチンで済ませ、囲炉裏に吊して囲む鍋は、暖も取れて一石二鳥です。テレビがない空間なので、会話やカードゲームを楽しむのも素敵ではないでしょうか。
週末は季節関係なく予約が埋まりがちなので、平日にお休みをとって行ってみるものありかも。都内からすぐ近くにある古民家で体験する昔ながらの暮らしは、手間を掛けることで得られるものを教えてくれるでしょう。
text&photo:卯岡若菜
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