大人デートは湯波懐石でしっとりと。古民家を改装したお店もいい雰囲気
日光名物の湯波や季節の食材を使った料理を楽しめる「fudan懐石和み茶屋(フダンかいせきなごみちゃや)」。大人な2人におすすめのお店でいただけるのは、一つひとつ丁寧に作られた懐石料理。どの料理も滋味深く、とくに揚巻湯波の煮物のふんわり感は絶品です。昔ながらの建物の造りを生かした、こぢんまりとした空間もほっと落ち着きます。
懐石で楽しむ絶品湯波と旬の料理
ゆば懐石2700円の先付として出てくるのが、「ひきあげゆば」。湯波を作るとき、最初に引き上げられる生湯波が使われています。とろりとした舌ざわりや湯波そのもののシンプルな味を引き出すため、ショウガ醤油でさっぱりといただきます。
そしてこちらでぜひ味わいたいのが、「揚巻ゆばの煮物」。湯波を1時間ほどかけて油抜きをしてから、ダシを加えてさらに1時間ほど煮込みます。
ふんわりとしていて、口の中でスーッと溶けていくようなやわらかさは感激モノです。ダシを生かしたやさしい味にも癒やされます。
揚巻湯波は、やわらかくて調理が難しいといわれる、日光の老舗の湯波の製造元「海老屋」のものが使われています。醤油を使いすぎると湯波が固くなり、煮すぎるとほどけてしまうため、絶妙なタイミングの見極めが大事だとか。
ゆば懐石ランチは、先付から甘味まで全9品で、少しずつ運ばれてきます。湯波以外の内容は月替わりです。この写真のときは、お吸い物が「ゆばと冬瓜の漬し仕立て」や「平ゆば包み揚げ」などで湯波が楽しめました。
一つひとつ素材を引き立たせながら仕上げられていて、驚いたり、新しい発見があったり、ほっとするやさしい味わいがあったりと、最後まで楽しみが尽きません。
古民家を改装したレトロな佇まい
お店は、東武日光駅から日光山内まで続くメインストリート沿いにあります。昔ながらの建物の雰囲気を生かして改装された、レトロでかわいらしい店構えです。
お店の中は、落ち着いた色合いの木がふんだんに使われた温もりあふれる空間です。テーブルは3卓のみで、ゆったり配置されています。木のテーブルの清らかさと、さりげなく置かれた昔の家具の懐かしさがミックスして、ほっと落ち着きます。
小上がりのスペースもあります。
和のかわいいあしらいにほっこり
懐かしい雰囲気とやさしい味わいの料理ももちろんですが、ところどころに飾られたつるし雛もほっこり感を盛り上げてくれています。
このつるし雛は、店主と共に店を切り盛りする奥様のお母さまの手作り。昔の古い着物の生地を使っているそうです。人形のほか、鳥や動物、野菜などいろいろありますが、6月はアジサイなど、季節に合わせたつるし雛が登場するそうです。
店内に入った正面には、こぢんまりとしたカウンター席が。丸いレトロな明かり、藍色の暖簾、長押から掛けられたつるし雛に迎えられ、気持ちもほろっとほどけてきます。
小上がりに置かれた和家具の上には、かわいらしいうさぎのオブジェが置かれていました。
こちらでいただけるのは、今回ご紹介したゆば懐石ランチ2700円と、湯波料理が含まれていない懐石ランチ1620円の2種類のみ。席数が少なく営業時間も短いため、行列することも多いのですが、オープンの11時30分~のみ予約を受け付けているので、ぜひ予約をおすすめします。
text:井島加恵(mii)
photo:ミヤジシンゴ
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