京都人の美意識と職人技を盗め!一生モノの「とうふすくい」製作体験
京料理の料理人たちに愛され、長きにわたりプロの仕事を支えてきた「金網つじ」。その技術を一般家庭用にまで広げた調理器具は、食を愛する世界中の人々をも魅了しています。そんな「脇役の品格」とも評される金網つじの技術を、自分の手で体験してみませんか?
Summary
高台寺の一念坂、美しい街並みにある体験教室
清水寺から高台寺へと続く坂道を歩き、一念坂と呼ばれる美しい坂道の途中に、金網つじの暖簾を発見。教室はこの2階にあります。
店先に飾られる観葉植物の吊りカゴも、金網つじ製。ステキです。
この金網の技法を体験できるのかと思うと入る前からウキウキしてきます!
まずは集中!その集中力が美しい網模様をつくる!
金網つじの2代目、辻徹氏の言葉どおり、「真剣に取り組んでこそ、楽しみが湧いてくる」のが、この金網体験。さわりの部分だけではなく、最後のひと網まで自分の手で編み続けるので、どれだけ集中するかによってできあがりがまったく違います!
(編んだ先の針金を本体に留めつける仕上げは、職人さん担当。当日の持ち帰りはできないのでご注意ください。)
少人数制で、丁寧な指導
写真は、編み始めの指の形。指の腹でしっかりと抑え、ひと編みしたときにこのポジションに戻るように編むのがポイントです。
始めは、左側のピンにかけた針金で練習します。下絵に書かれたとおりの角度に、針金を広げて持ち、右左の針金を交差させていくのですが、それだけのことが本当に難しい!
針金の扱いと指の動かし方に慣れるまで、左のピンで練習し、いざ本番へ。体験用は編みやすい18-8ステンレスの針金なのですが、針金がすべってなかなかうまく編めません。それでも慣れてくると、「指には力を入れません」という先生の言葉がなんとなくわかってきます。
気持ちを集中して編めば、1日体験でも素晴らしい出来上がりに!
初めての人でも、集中して編むとこのくらい揃った網目が作れます。1人でも申し込めるので、京都のオフシーズンを狙っていくといいですね。通常でも4~5人程度の少人数で、丁寧に教えてもらえます。
こちらは取材者の作品。途中で邪念が入ると、網目に如実に乱れが…!修行のつもりで挑みましょう!
手に入れたい。一度使えば手放せず、人にもあげたくなる名品。
体験が終わったら、1階に降りて、数々の名品を見てみましょう。目の保養になるような美しい網目と実用品のコラボレーションが見事。
こちらが「金網つじ」の名を世界に広げた「セラミック付き焼き網」。エッセイストや料理家などプロの目に留まり、これで焼いたトーストのふっくらした香ばしさを体感した人からの口コミで瞬く間にヒット商品に。
時代に柔軟に寄り添う焼き網は、ヒット商品からロングセラーへ。使ってこその道具という意識こそが、プロに愛されてきた金網つじの底力なのかもしれませんね。
伝統と実用を兼ね揃えた金網の技術、集中して体験してみませんか?思い出の詰まった、最高のおみやげになりますよ!
text:小西尋子
photo:中野貴裕
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