まるでクリスマスリース!京都 ポルトガル菓子店の、期間限定スイーツ
1996年、ポルトガルから長崎に渡ってカステラ作りを学び、ポルトガルに戻って日本のカステラのおいしさを広めたパティシエのパウロさん。パウロさんが2015年、再び日本に戻ってきたのは、カステラの原型で、ポルトガルの伝統菓子「パォン デ ロー」を伝えるため。ポルトガルのお菓子を通じて、ポルトガルの食文化も伝えるお店「Castella do Paulo(カステラ ド パウロ)」の魅力に迫ります。
ポルトガル菓子でカステラの祖先「パォン デ ロー」を食べ比べ
ポルトガルから長崎に伝来したカステラ。日本ではおなじみですが、ポルトガル人はその歴史をほとんど知らなかったそうです。
「カステラ ド パウロ」のパティシエのパウロさんは、ポルトガルに日本のカステラを、日本にはポルトガルの伝統菓子でカステラの原型となる「パォン デ ロー」を伝えてくれました。
この「パォン デ ロー」ですが、ポルトガルのなかでも地方によって製法も味もまるで違うそう。
写真の「食文化比較プレート」では、北西のミーニョ地方、首都リスボンのあるエストレマドゥーラ地方、その中間にあるベイラ リトラル地方の3種類の「パォン デ ロー」と、長崎の老舗「松翁軒」伝承の「パウロのカステラ」が食べ比べられます。
セットドリンクをポートワインにすれば、ポルトガルのワインの味も知ることができて一石二鳥!ぶどうの発酵を途中で止める酒精強化ワインは、ぶどう本来の甘みと果実味を残すので、まるでデザートのように甘くて芳醇。「パォン デ ロー」との相性もぴったりです。
ひと口食べれば、3つの違いは歴然!ミーニョ地方のものは大きい素焼きの鍋でしっかり焼き上げてあるので、ふわふわ。
エストレマドゥーラ地方のものは、トロリとした半熟生地に塩味がアクセント。写真のべイラ リトラル地方のものは、ねっとりした半熟具合で、スプーンですくって食べます。
こちらはポルトガルの国旗や食器、ポルトガルでは宮殿や教会の壁面に飾られるアズレージョ(装飾タイル)などが飾られた美しい2階席。
お菓子をのせる食器もポルトガルに本社を置く陶磁器メーカー「BORDALLO PINHEIRO(ボルダロ・ピニェイロ)社」のものと、お店全体からポルトガルの空気を感じることができます。
こんなに種類があるのはここだけ!ポルトガル菓子を手土産に
1階には、「パォン デ ロー」をはじめ、おみやげにしたい焼き菓子がいっぱい。しかも「パォン デ ロー」の価格帯は1箱500円台がメインと、とってもお手頃!家でも食べ比べができちゃいます。
スナックやビスケットなど、珍しいポルトガルのお菓子もたくさん並んでいます。
たとえばこちらは、「アレイア ケイジョイ ピリピリ」。“ピリピリ”とは、ポルトガルで唐辛子のこと。チーズ風味のビスケット生地から、名前そのままの“ピリピリ”が舌を刺激する、今まで経験したことのない食感と味わい。
ポルトガルの幸運のシンボル「雄鶏」の焼印を押したトウモロコシ粉のビスケット「ビスコット デ ミーリョ」も、かわいくってヘルシー!
ショーケースにも、フレッシュな焼き菓子がこんなにも。おすすめの「パステル デ ナタ」は、ポルトガルの女の子たちが日常的に食べている一番人気のお菓子。
卵黄の味が濃厚でこっくりと甘く、パイ生地のサクサク感ととろりとしたクリームのバランスが絶妙!濃い目に淹れたカフェオレともよく合いそう。
どのお菓子も魅力的で、大人買いしたくなっちゃいます。紙袋などのパッケージもキュートで、手土産にしても喜ばれること間違いなしです。
今年のクリスマスはポルトガル菓子でお祝い!
どんどんポルトガル気分に染まってきたところで、ポルトガルのクリスマスを代表するお菓子「Bolo Rei(ボーロ・レイ)」をご紹介。ドライフルーツたっぷりのブリオッシュ生地に、宝石のようにキラキラした果実の砂糖漬けが散りばめられた「ボーロ・レイ」は、クリスマスからお正月過ぎまでの期間、お祝い気分で満ちあふれるポルトガルの食卓にかかせない焼き菓子です。
かわいらしいうえに、ポルトガルでは、中にブリンデ(ペンダントトップや指輪など)が入っていて、ブリンデを引き当てた人には、1年間幸福に過ごせるという遊び心ある仕掛けまであるそうです。
そんな文化や伝統もふくめてあたたかい気分になれるポルトガルのお菓子。ぜひティータイムに取り入れてみませんか?
Photo:中野貴裕(ボーロ・レイ写真:カステラドパウロご提供)
text:小西尋子
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