飲み比べもVR酒蔵見学もできる、隠れ家的日本酒コンシェルジュって!?
全国1700以上の蔵元が所属する、日本酒造組合中央会運営の施設「日本の酒情報館」。お酒について学べて、全国の酒蔵の情報が得られて、テイスティングをしながらお気に入りの1本が見つけられる、ここは“隠れ家的日本酒コンシェルジュ”。お酒好きはもちろん、あまり詳しくない人も楽しめる、入場無料の穴場スポットをご紹介します。
summary
官庁街に酒林⁉天井に直径1m超えの木桶⁉棚が枡⁉ここは酒蔵?
ここは虎ノ門駅から徒歩3分の場所。入口に杉の葉で作ったボール状の酒林(杉玉)を発見!酒林とは造り酒屋の看板のようなもので、軒先に吊るし「新酒が完成しましたよ」と知らせるもの。新酒の時期は青々とした色で、徐々に茶色になり、季節の移り変わりを教えてくれます。官庁街に近い東京のど真ん中に、風情ある酒林があるとは驚きですよね。
中に入ってまず目に飛び込んでくるのは、天井に飾られた直径1m以上ある木桶。サイズは大小さまざまですが、酒造りの現場でも同じような木桶を使っているんだそう。櫂棒(かいぼう)や半切り桶といった酒造りで使われる道具も展示され、実際に手に取ってみることができます。
壁際には全国のお酒がずらり。並んでいるものはすべて販売されています。たくさんの酒瓶を比べてみると、瓶のフォルムや色、ラベルに書かれた名前、デザインなど個性豊かで面白い!キャップやフタもさまざまで、コレクターもいるのだとか。
日本酒造りをわかりやすくガイド。VRで酒蔵見学
これまでテレビモニター2台とプロジェクター2台で、お酒に関する映像コンテンツを放映していましたが、2019年3月からはVRを導入!日本酒ができるまでの工程を、約9分間のバーチャルツアーで楽しめます。
ナビゲーターがポイントを押さえてわかりやすく解説。まずは日本酒の原点であるお米について。
日本酒はお米を発酵させて造られる醸造酒。お米は酒米という専用品種です。これがどうやってお酒になるんだろう…?
最初の工程は、すっきりとした味わいにするためお米の外側を磨く精米。どのくらい磨くかという精米歩合によって、日本酒の種類が変わるんだって。大吟醸とか、本醸造とかってよく聞くけど、違いは磨く度合いだったんだ!
お米を洗って、水に浸した後は蒸米の作業へ。木製の大きな甑(こしき)で蒸したお米は、麹造り、酒母(しゅぼ)、もろみの仕込みに使われます。
麹とは蒸し米に麹菌の胞子を散布し、繁殖させたもの。職人たちの手作業で2日間かけて行われます。麹の出来栄えでお酒の味が決まるともいえる重要な工程なんだそう。
アルコールを生み出す酵母を大量に育てるのが酒母。麹と蒸し米と水を混ぜ合わせ、酵母を加えて、増やしていきます。
大きなタンクを混ぜているこの光景は見たことがあるかも。これは酒母をタンクに移し、麹と蒸し米と水を加えて、もろみを仕込んでいるところ。糖化と発酵が進んだもろみを絞ったら新酒の誕生です。
通常、酒蔵でも見学ができるところは多くありますが、12~3月の酒造りの時期は受け付けていない場合も。VRなら1年中いつでも無料で体験できちゃいます。日本語・英語対応なので、海外の友達を連れて行っても喜ばれそう!
100銘柄が1杯100円~!利き酒して好みのお酒を見つけて
日本酒造りについて学んだ後は、実際に味を試してみて。大吟醸酒や純米吟醸酒、純米酒、古酒、スパークリング清酒、貴醸酒といった日本酒から、本格焼酎、泡盛、果実のリキュールまで、約100種を揃え、1杯100円~味わえるんです。
でも、どれを選んでいいかわからない…。そんな時はお酒に精通したスタッフがお手伝い。すっきり、甘い、フルーティ、コクがある、ジュースみたいな…などなど、好みを伝える言葉は専門的でなくても問題なし。聞き上手のスタッフが好みを分析して、提案してくれます。まさに“日本酒のコンシェルジュ”なんです。
飲み比べができるセットも用意。銘柄は入れ替わりで、写真は辛口スパークリング・純米吟醸・純米のバラエティセット(300円)。ほかに大吟醸の3種セット(500円)、本格焼酎5種セット(400円)もあります。
自分の好みの基準が1つ見つかると、これより軽やかなもの、これより香り高いものなど具体的にリクエストができ、これぞという1杯に巡り合えるかも。もちろん、気に入ったものはこちらの施設でボトルを購入できます。
こちらはリキュールセット(300円)。この日は梅×焼酎、ゆず×清酒、いちご×焼酎、オレンジ×清酒の4種でした。どれも果実味たっぷりで、女子が大好きな味。
イベントに合わせたお酒を提供。3月は桜を愛でる風流な花見酒
「日本の酒情報館」では毎月テーマを変えて、季節に合わせた日本酒を提供しています。2019年3月19日~29日は花見酒フェアを開催。桜の花を浮かべたカクテルや花の酵母を使って醸された日本酒など、約15種の“春酒”が楽しめるんです。
フロアには高さ約3mの桜の生木も登場。屋内でお花見気分が味わえます。
いろんな種類のお酒が試せて、お酒についての知識欲がむくむく湧いてくる「日本の酒情報館」。ちょっと1杯飲みに、酒蔵見学の気分を味わいに、出かけてみませんか?
text:伊藤あゆ
photo:浦田真行
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
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