何度だって通いたい!98通りの味を選べる、レトロ洋館のスパゲッティ専門店
京都・四条河原町から徒歩約3分の場所で、30年以上続くスパゲッティ専門店「caldo(カルド)」。レトロな洋館を丁寧に手入れしながら守る奥さんと、長年通うお客さんに変わらない味を提供する旦那さんの、2人で切り盛りしているお店です。
歴史を感じる石造りのレトロな洋館
京都一の繁華街、四条河原町の交差点を「八坂神社」の方へ少し歩けば、居酒屋や飲食店が軒を並べる木屋町通があります。
その木屋町通に入る手前の細い路地を南に下り、さらに細い路地に変わるちょうど角の場所にあるのが、昭和63年からこの地でスパゲッティを提供している専門店「caldo(カルド)」です。
お店の裏には高瀬川。鴨川と並行して流れる高瀬川は、大正9年まで物資を運ぶ運河に使われていて、底が浅く流れがゆるやか。風情ある街並みなので、ふらっと散歩してみるのもおすすめです。
店内には、開店当時から大切に使われている家具や調度品が並んでいます。どれも今や手に入らないような貴重なものばかり。
奥の壁はなんと大理石の原石。アフリカの人形が品良くディスプレイされています。
ステンドグラスのランプシェイドも素敵。選び抜かれた年代モノばかりなので、見ているだけでも豊かな気持ちになります。
お昼時はランチセットがお得
11~14時は、ランチメニューがお得。日替わりのスパゲッティに、パンとミニサラダが付いて980円と、値段もお手頃。
開店当時、百貨店の販売員さんたちが毎日でも食べに来られるようにと付けられた値段が、30年経った今もベースになっています。
注文が入ると、手際よくソースに具を合わせながら最後にフランベ。壁にいくつも備え付けられたタイマーで、パスタの茹で時間を綿密に計ります。ちょうどパスタの茹で上がる時間にソースが完成。長年の経験がなせる技です。
この日のスパゲッティは「カルボナーラ」。黒胡椒と粉チーズが惜しみなくたっぷりと入っていて、一度食べたら “これぞカルドの味”とわかるほど特徴的。ずっと記憶に残るようなインパクトがあります。
メニューだけで98通り、トッピングも含めると組み合わせ無限大!?
メニューを開くと、全制覇しようとしたらいつまでかかるの?と思うほどの種類の多さ。まず、味を決めるベースのソースが、「たらこ、明太子、うに、きのこ、あさり、ベーコン、トマト、クリーム、ガーリックオイル、バジルと松の実、貝柱クリーム」と11種類。それぞれに合う具材のスパゲッティーが紹介されていますが、自由にトッピングを決めることも可能。
こちらも人気の組み合わせ。鮮やかな緑はしその葉。1皿に1束(10枚)のしそを使っています。明太子も半腹分ほど。これでもかとばかりに惜しみなく具材を使ってあります。
こちらはトマトソースのスパゲッティ。イタリアのホールトマトにブイヨン、隠し味に蜂蜜が入っているそうで、「何も特別なものを使っているわけじゃない」とおっしゃいますが、このひと皿もやはりこの店でしか食べられない味です。
夜の部が始まる17時30分からは、「2人でお得なセット」が名前の通りお値打ちです。1100円までのスパゲッティ2品を選んで、ピザまたは生ハムのモッツァレラ(ガーリックトースト付)、ミニサラダにドリンクが付いて2人で3600円。違うソースのスパゲッティを選んでシェアすれば、2つの味が楽しめますね。
ドリンクにはコーヒー、紅茶のほかグラスワインも選べます。こんな素敵な場所で、1人2000円以下でイタリアンディナーを楽しめるなんて、本当に穴場。誰かに教えたいような教えたくないような複雑な気持ちになる、とっておきの場所です。
Photo:瀬田川勝弘
text:小西尋子
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