京都で出会う大人のスイーツ。自家焙煎コーヒーのゼリーパフェと花ようかん
元美術学校の教室跡にあるカフェ「珈琲焙煎所 旅の音」は、世界を旅して集めたコーヒー豆と焙煎機、同じように旅で出会ったアンティーク小物と、近くの山里で摘んだ草木のドライフラワーが同居した、とっても居心地のよい空間です。
Summary
美術学校の跡地に個性さまざまなお店が集結
京都市左京区、出町柳駅から徒歩10分ほどの住宅街にかつてあった美術学校。その跡地にいくつものお店が集まって「THE SITE(ザ サイト)」という魅力的な建物に生まれ変わりました。今回ご紹介する「珈琲焙煎所 旅の音」は、そのうちの1軒。
古くて味のあるモノが好きだという店長の北辺さんが、ちょうどいい具合に経年したこの建物で、長年の夢であった“生産者の顔が見える”コーヒー店をオープンしました。
中に入ると大きな板机と、ところどころに飾られるドライフラワーが目に飛び込んできます。
鉄脚に古材のウッドトップを組み合わせた机は店長が自作したものだとか。サイズも雰囲気もお店にぴったりです。
どのコーヒーを飲む?まずは豆を見て、かいでから
窓際にある、存在感を放つ2台の焙煎機は、豆5kg用と1kg用。用途に合わせてここで生豆を焙煎しています。
ミャンマー旅で仕入れたコーヒーの実。こうやって展示されていると、植物の実がコーヒー豆になるまでがよくわかりますね。
壁にはお店で飲める6種類のスペシャリティコーヒー豆が並んでいて、自由に見て、蓋をあけて、匂いをかぐことができます。注文するコーヒーを好きな香りで選べるのはうれしいポイント!
気になる豆を選んで注文します。サラリーマン時代は、食品の企画や商品開発を担当していたという北辺さん。その頃から生産者の顔が見える販売法について、思いを巡らせていたそう。
今は世界のコーヒー農園の方々とカフェのお客さんを一杯のコーヒーを通して繋いでくれています。
「コーヒーのためのサンドイッチ」でおいしいブランチタイム
こちらは、コーヒー好きに特に人気の高い「コーヒーのためのサンドイッチ」。ローストしてから白味噌で漬け込んだ鴨肉に、フレッシュなオレンジの果実とサラダを合わせた爽やかな味わいは、コーヒーと抜群の相性です。
大人気のパフェと、パフェから発想を得た「コーヒーゼリーの花ようかん」
「珈琲焙煎所 旅の音」には、スペシャリテともいえる、みんなのお目当てメニューがあります。それがこちらの「旅の音のコーヒーゼリーパフェ」。
華やかな香りの豆「エチオピア」をハンドドリップしたコーヒーで作るゼリーは雑味がなく、完熟ベリーの酸味とミルクのゼリーの丸みとグラノーラの食感が三位一体になっていて、これぞ大人のためのパフェ!一度食べたらクセになりそう。
「このパフェ、おみやげにお持ち帰りしたいわぁ」というお客さまの声から生まれたのが、まさかの羊羹。こちらは北辺さんが企画を持ち出し、七条の老舗和菓子店「甘春堂」とコラボしてできた商品です。
コーヒーゼリーではない。かといって羊羹とも思えない「コーヒーゼリーの花ようかん」は、“新種”の和洋菓子。初めて食べたのにどこか懐かしい、なんともいえない気持ちにさせてくれます。
ほかにも「金木犀香るカフェオレ(650円)」や「白味噌レモントースト(650円)」など、心を魅了されるメニューがいっぱい。そして、物静かに見える北辺さんですが、話せば話すほどコーヒーと同じくらい奥深く、会話もとっても楽しいのです。
ぽっかり予定の空いた休日、気持ちのよい晴れた朝、ふと頭に思い浮かぶステキなカフェが、ここ「珈琲焙煎所 旅の音」です
Photo:瀬田川勝弘
text:小西尋子
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