浅草のFUGLEN ASAKUSAはノルウェー発の人気カフェ!900円で3種のコーヒー飲み比べ!
コーヒーの味の違い、わかりますか?東京・浅草にあるFUGLEN ASAKUSA(フグレン アサクサ)は、ワインのようにコーヒーをテイスティングできる珍しいカフェ。3種類の方法で淹れたコーヒーを900円で飲み比べできるのです。味の違いが本当にわかるのか、自分の舌で確かめに行ってみました。
Summary
ノルウェーの老舗カフェの3号店
東京・浅草。西参道を前に立つ、えんじ色の屋根が印象的な建物が、今回訪れた「FUGLEN ASAKUSA」です。
FUGLEN ASAKUSAは北欧・ノルウェーのオスロで50年以上営業をつづけているカフェの3号店。2号店は東京・代々木で営業しています。
コーヒー豆はノルウェーの商社から取り寄せているハイクオリティのスペシャルティーコーヒーを厳選。店頭で販売もされています。店内の家具や雑貨類もノルウェーのヴィンテージデザインを使っているそう。
訪れたのは平日の午後。店内はサラリーマンや女性グループ、外国人観光客まで、お客さんでいっぱいでした。
ヴィンテージが置かれた1階席は多くの人が行き交うミーティングスペース、また奥のスペースはリビングルームのイメージ。2階席にも現代の家具がそれぞれ置かれていて、こちらはゆったりとくつろげるラウンジ風、と、それぞれ違った雰囲気が味わえます。大きなガラス窓からは、浅草らしい人力車が行き交う様子も見られました。
豆本来のおいしさを、そのまま一杯のコーヒーに
当初はノルウェーで焙煎まで済ませた豆を取り寄せていたFUGLEN。しかし、コーヒー豆は鮮度も命であること、日本の気候風土に合わせた焙煎方法を取り入れたいということから、日本でも焙煎が行なえるよう技術を磨いたといいます。
今では100%自家焙煎のコーヒーが味わえます。コーヒー豆の種類は時期によって異なり、2~3カ月ごとに切り替えているのだそうです。
人気メニューは、その日ごとに豆の種類が変わる「本日のコーヒー」。この日はケニアで作られている「カムワンギ」というコーヒーでした。
FUGLENのコーヒーは、すべて1種類の豆から淹れるシングルオリジン。豆が持つ香り、風味の違いを味わってほしい、という思いからシングルにこだわっているのだそうです。
コーヒーはブラックのままおいしく飲める味わい。口にざらりとした苦味が残ることなく、すっきりした後味が特徴です。
販売棚には、コーヒー豆について書かれたカードが置かれています。コーヒー豆が作られている農園について書かれたカードを読みながらコーヒーを飲み、遠い異国の地で育てられている様子を想像するのも楽しい時間。
同じ農園から継続してコーヒー豆を仕入れることで、豆の品質や農家の方との関係の変化も楽しんでいるのだそうです。
淹れ方による味の変化を実感!「テイスティング・フライト」で飲み比べ
浅草店でのみ楽しめるのが、異なる方法で入れた3種類のコーヒーを飲み比べできる「テイスティング・フライト」(900円)です。
淹れ方は「フィルターコーヒー」「エスプレッソ」「エアロプレス」の3種類。エスプレッソが苦手な方は、プラス100円でカプチーノに変えてもらうこともできますよ。
フィルターコーヒーは本日のコーヒーですが、エスプレッソ、エアロプレスは別の豆も選べます。全部同じ豆で楽しむだけではなく、豆の違いを味わうというのもまた、好奇心を満たしてくれる楽しみ方のひとつ。
今回は、エスプレッソがエルサルバドルの「ラスラナス」、エアロプレスにホンジュラスの「ネルソンラミレス」という豆でオーダー。あまり聞いたことがない名前の豆がたくさんです。選び方に迷ってしまったら、店員さんに尋ねてみてくださいね。
メニューには、コーヒーの香りをフルーツや食べもので表した言葉が添えられています。独自の表現ではなく、ワインの味を表現するのと同様、コーヒーにも共通の表現方法があるのだそうです。
今回オーダーした「ラスラナス」にはレーズン・プラム・ミルクチョコ、「ネルソンラミレス」にはマンゴー・りんご・チョコレートと書かれていました。
今回、はじめてじっくり見せていただいたのが、「エアロプレス」という淹れ方です。エアロプレスは、筒の中にコーヒーを入れ、お湯を注いだあとにゆっくりとプレスして淹れる方法。フタをして蒸らしたあと、ゆっくりと体重をかけていきます。
プロでなくても失敗せず淹れやすい一方で、豆のクオリティが味に直結する淹れ方なのだそう。
奥がエアロプレスで淹れたコーヒー、手前がフィルターコーヒーです。フィルターコーヒーの方は見た目が透き通っていて、後味がすっきりしています。エアロプレスの方はコーヒー豆に含まれているオイルが出やすいため、見た目にも違いが生まれるのだとか。
フィルターコーヒーが喉をするりと通りぬける感覚だったのに対し、エアロプレスコーヒーはまろやかな喉ごしを感じます。
エアロプレスコーヒーの豆の風味を表現していた「レーズン・プラム・ミルクチョコ」。確かにふわりとミルクチョコのような甘みを感じ、後味にレーズンのような甘酸っぱさを感じました。
コーヒーを選ぶとき、わたしたちは「苦味」「酸味」の2種類で考えがちかもしれません。FUGLENのコーヒーを飲むと、「酸味」ひとつをとっても、レーズンやりんごのように繊細な味わいに分かれていることが体感できますよ。
こちらはエスプレッソ。エスプレッソは、「淹れたら、とにかくすぐに味わってほしい」ものなのだとか。
味わうときのポイントは、まず表面に浮かんでいるクレマ(泡のようなもの)を、添えられたスプーンで混ぜて崩してから味わうこと。クレマの下にあるアロマや風味を、しっかりと感じ取ることができます。
エスプレッソは時間の経過につれ変化の大きい飲みもの。できれば提供されたら速やかに飲みたいものですが、逆にすぐには飲み干さず、味わいの変化を楽しみながら飲むという楽しみ方もあり。またフィルターコーヒーやエアロプレスコーヒーは、ゆっくりと変化を楽しむ飲み方に向いています。コーヒーは冷めていくうちに味わいに変化が生まれ、本当においしいコーヒーはぬるくなった後もおいしく飲めるものなのだとか。
「僕はわざと冷め切ってから飲むんですよ」とスタッフさんが教えてくれました。
エスプレッソが苦手な方は、代わりにカプチーノをどうぞ(+100円)。ミルクが加わることで、エスプレッソとは違った味わいが楽しめます。ほっこりしたいときに飲みたくなる、やさしい甘みがリラックスタイムにぴったりです。
おしゃれなチェアに腰掛けて、ゆっくりコーヒーを味わう時間を
「農作物としてのコーヒーが本来持つクオリティに、足し算することはできない」というのが、FUGLENの考え方です。高品質のコーヒー豆が持つクオリティを、いかに100%に近い状態で一杯のコーヒーにするのか。焙煎方法から抽出まで、スタッフ全員で腕を磨き続けています。
落ち着けるインテリアの店内で、ゆっくり一杯のコーヒーを味わう時間は格別なもの。FUGLEN ASAKUSAは、まだ知らないコーヒーのおいしさに出会えるカフェです。
text&photo:卯岡若菜
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