世界一遅い⁉氷河特急「グレッシャー・エクスプレス」
鉄道ファンとして一度は訪れておきたい国があります。それはズバリ、世界トップレベルの鉄道王国・スイス!そ の鉄道網の中でも、極めて贅沢だと名高く世界中の羨望を集める列車が、ご存知「氷河特急 グレッシャー・エク スプレス」です。一生のうち一回は乗りたい憧れの豪華景観列車に、この度初めて乗車してきました!
グレッシャー・エクスプレスの運行ルートは、ツェルマット〜クール、サン・モリッツ間。山々を抜け、牧草地を走り、街に出るまでの総運行距離270kmを、ゆったり約8時間かけて進みます。どの絶景も、天井まで縁取られた大きなガラス窓から、全身で眺めることができるのがポイント。新緑の季節はもちろんですが、冬にはその名前の由来通り雪山を縫うように走り、様々な表情を見せてくれます。最高標高はなんと2033m!最低標高との差が1400mもあるのでワイドな景色を堪能できます。
沿線には2つの峠、91のトンネル、291もの橋があり見どころ盛り沢山!中でも、とりわけ2008年に世界遺産登録されたトゥージス~サン・モリッツ間のアルブラ線(ベ ルニナ・エクスプレスとの共通区間)は息をのむ美しさです。嬉しいのは、高架橋やループ線など細かな景色の移り変わりを説明してくれる音声サービスが充実していること。日本語のほかに、英語・フランス語などもあり予備知識がなくても楽しめます。途中食事の時間は、沿線ゆかりのグルメをスタッフが座席まで運んでくれます。豪華なステーキにフレッシュなお野菜、ホットチョコレー トを味わいながら列車に揺られる時間は格別です。
もちろん、機関車交換やスイッチバックなど、コアな鉄道ファンを楽しませるためのイベントも。ディゼンティス駅ではマッターホルン・ゴッタルド鉄道からレーティッシュ鉄道へと会社がかわるので、それまでサービスをしてく れた乗務員さんともお別れ。始発駅からこれまで一緒に過ごしたこともあって、惜別のハグを交わしつつ再会を誓うなどの交流も生まれ、それはそれは大変な盛り上がりを見せます。
特別な日の特別な列車旅。あなただけの特別な思い出をつくりに、時には海外へ足を伸ばしてみるのは いかがですか?次回のコラムでも、同じくスイスの名列車&鉄道でめぐる観光地についてご紹介します☆
※この記事は「るるぶNEWS」で2015年に掲載されたものです