鎌倉女子の恋のお守り?500円で叶うオンリーワンのマイキーホルダー
約50年前から続く、鎌倉の雑貨ショップ「ギルド」。写真のようなカラフルなキーホルダーが、リーズナブルかつ種類豊富に揃っています。人気の秘密は手彫りサービス。文字や模様、絵などをその場で彫ってもらえるんです。オンリーワンの魅力が詰まったお店をレポートします。
手作り感いっぱいのアーティスティックな店内
鎌倉駅~長谷駅を結ぶ由比ヶ浜通りに、ちょっと怪しげな外観のお店を発見。エスニックな雰囲気の手描きのイラストが目を引きます。
お香が焚かれた店内も手作り感いっぱい。天井にも壁にも絵画や彫刻、お面など、オブジェがたくさん飾られていて、異国の雑貨店に迷い込んだかのよう。これは全部、オーナーの知り合いのアーティスト達が手掛けたものだそう。
丸や長方形、ひし形、ハート、星といったシンプルな形から、イカリやクローバー、ギターといった凝った形まで種類がいっぱい!どの形も10種ほどのカラーバリエーションがあり、4本の糸で編み込んであるひもの組み合わせもさまざまで、迷ってしまいます。
ほとんどのものは500円!カメやウサギ、ネズミ、クマ、フクロウ、イノシシ、クリオネなど、動物の形のものもたくさん見つかりました。キーホルダーのほかに、ペンダントやマグネット、お守り、ペットの首輪のチャームにできるものもあります。
好きな文字や模様をその場で手彫りサービス
商品に名前やイラストを無料で彫ってもらえるのが「ギルド」が長年愛されてきた秘密。リクエストの仕方は「筆記体のA」などざっくりでもOK。スマホの画面でデザインを見せて、「こんな感じに」とお願いする人もいるそう。
写真のようなヤシの木と海を繊細に描いたものでも、1~2分で完成!迷いなく彫っていく熟練の技に惚れ惚れします。
完成したものがこちら。オリジナルイラストの小袋も素朴でかわいいんです。写真左のニコちゃんのキーホルダーは500円以上購入するとおまけでプレゼント。気前のよさにもびっくり!
行列ができるほど大ブレイク!そのきっかけは?
キーホルダーの材質は、牛乳に含まれるガゼインというたんぱく質成分を原料としたラクト。ボタンによく使われている材料で、現オーナー・北林輝雄さんのお父さんが彫刻ボタンの職人だったことがお店を開くきっかけだったのだそう。
1971年、初代オーナーは彫金師や彫刻家らと一緒に、手作り雑貨店として「ギルド」をオープン。ある時、彫金師のスタッフが指輪のサイズを測る道具がほしいと、ラクトをくり抜いて5~20号の色分けしたリングを制作しました。
それを偶然目にしたある女子学生が「この指輪かわいい!売ってください」と言うので、初代がサービスで名前を彫ってあげたんだそう。そこから人気に火がつき、近隣の女子学生の間で名入りリングが大流行。リングだけでなく、手彫りサービスのキーホルダーも定着していきました。鎌倉っ子は昔から、好きな人の名前をキーホルダーに彫ってもらって愛用しているのだとか。
現在もラクトの成形から色付け、ひもの編み込みまでお店で行っています。部活のチームでお揃いにしたり、卒業の記念品にしたりと、大量注文も多数あるそう。
写真左のイノシシも、右のハニワも手彫りだからこその独特の味わい。塗料の下は白いラクトなので、彫ると白地が浮き上がるんです。
大量生産品とは違うアナログな商品はどこか懐かしくて、不思議な魅力があります。「僕は代筆屋みたいなもの。その人の願いを込めて彫るんです」とオーナーの北林さん。オンリーワンのキーホルダーを作ってもらいに鎌倉へ出かけてみませんか。
text:伊藤あゆ
photo:浦田真行
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